ふとロクマルのオドメーターに目をやって意識すると、いつの間にか26万マイルの距離を刻んでいる。世の中の大衆の価値観はこのオドメーターの数字が増える事を良しとは思わない。走行距離の多い車は耐久使用期間の短い、つまりそう長くは路上に生存出来ないという機械としての宿命を意識する。走行距離が大きい車は販売時も購入時も、売値買値をたたかれる運命を持ってしまう。
しかし、ランドクルーザーにはこの常識はあてはまらない...と、たまに聞くが、それは事実でもある。しかし、ランクルも機械であり、金属の集合作品。勿論、機械としての寿命はやって来るであろう。
タフな2Fエンジン、強靭なデフを持っていたとしても金属の錆(風化)は確実に進んでいる。それは太いランクルの鉄フレームに穴を開ける程の侵食力である。
即ち車には寿命がある。勿論修復は可能であり、人の意思とフトコロ具合のバランスで一台の車を生涯乗り続ける事は可能ではある。
しかし...長く乗り続けるには努力が必要なのだ。その努力は非経済的な内容をも多く含む。
ならば...人が年を重ねる度に還暦(60歳)、古希(70歳)、傘寿(80歳)、と祝いがあるように車の使用暦に対しても...そんな祝いがあってもいいのにと思っている。
1960年代前半のフォード エコノライン ピックアップトラック、横から見るとそのスタイルは日本の軽トラと同じ。50年前のトラックが現役で走っている事は嬉しい。こんな車を乗り続けるオーナーに是非、賞をあげてほしいと思ったりする。
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フォード自動車株式会社
2011年11月7日
Mr. ... ...様、
あなたは1960年に我社のトラックを購入以来、その後、様々な高性能で魅力的なわが社のトラックを市場に出したにもかかわらず、その誘惑に打ち勝ち、50年という長い歳月の間、買い変えもせず一台のトラックに乗り続けられた事をここに賞します。
(賞金$100、収め下さい)
フォード一族一同より
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...と、いう感じで、何かしらの賞賛があってもいいのでは...。
でも、メーカーの立場としての本音は、
あなたは過去50年間に渡って毎年新車のトラックに乗り変えて下さって一同感謝致します。あなたの様なお客様はわが社の神様、今後も末永くお付き合い下さい。
(次回購入時5%ヂスカウントクーポン、収め下さい)
...こんなお客さんこそ表彰したい。
だよね...、やっぱり。(笑)