万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国民は菅首相の再稼働停止に納得しているのか

2011年07月08日 11時39分24秒 | 日本政治
原発ストレステスト 「もう めちゃくちゃ」与野党あきれ顔(産経新聞) - goo ニュース
 菅首相は、ストレステストの導入について、”このまま原発を再稼働させれば、国民が納得しない”と国民を”だし”に使って説明しているようです。しかしながら、実際のところは、どうなのでしょうか。

 国民の多くは、節電令のマイナス影響を直接受けていますし、工場の移転に伴う失業や、経済の縮小による所得の減少を心配している国民も少なくないはずです。熱中症の患者の増加は、毎日のように報じられていますし、人工透析機や人工呼吸器などを使っている方々からも、不安の声があるようです。原発の安全性を高めることは、即、取り組むべき重要な作業ですが、主たる懸念材料が地震ですので、全原子炉の稼働を停止状態にしてまで行うほど、緊急性があるとも思えないのです。ストレステストの内容が決まるまで間は、再稼働可能な原子炉は動かし、決定後は、時期をずらして順次に実施するといった工夫をすれば、全国的な電力不足を招くことなく、安全性の向上を図ることができます。実施前に再稼働させた原子炉は、次の定期検査の際にテストを実施すればよいのです。

 国民の多くが納得しないのは、菅首相の、マイナス影響を無視した、独断専行で”何でも止める”という傲慢な政治スタイルなのではないかと思うのです。菅首相にとってこうした失政は致命傷とならなくとも、産業や国民にとりましては、致命傷となるかもしれないのですから。

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コメント (13)
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