万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

モンゴルの核廃棄物受け入れ拒否―核燃料サイクルが解決の切り札?

2011年07月28日 17時36分54秒 | 日本政治
リンク: モンゴル、核廃棄物受け入れを拒否 「処分場」構想は頓挫か - 速報:@niftyニュース.
 先日、自民党の河野議員が、”核燃料サイクル”は行き詰ったとして、原子力技術を含めた”脱原発”を訴えていました。ところが、今月22日に、中国の実験炉において高速増殖炉の安定的出力に成功したとするニュースが報じられたそうなのです。もし、この報道が事実であるならば、”核燃料サイクル”は、まだまだ期待できることになります(河野議員は、親中派のはず・・・)。

 しかも、高速増殖炉は、エネルギー問題および核廃棄物処理問題解決の切り札になるかもしれません。何故ならば、このプロジェクトが成功すれば、これまで廃棄処分するしかなかったウラン238やプルトニウム239を燃料として使用できると共に、さらにプルトニウム239を造り出し、燃料として再利用することができるからです。つまり、エネルギー問題と核廃棄物処理の問題を同時に解決できる、一石二鳥のプロジェクトなのです(残りの廃棄物は分離・核変換技術で処理か・・・)。日本国の高速増殖炉もんじゅも、落下した装置の引き抜き作業が完了し、今年度中に40%の出力実験を行うそうです。モンゴルから核廃棄物の受け入れを拒否されてしまいましたので、やはり、高速増殖炉に期待するしかないのかもしれません。

 もんじゅには、プロジェクトが開始された1967年以降、2兆4000億円の費用が投入されてきたため、多額のコストが批判されていますが、全原発を停止すると燃料費だけで、電力会社に3兆円以上のコスト増が生じる試算がありますので、決して重すぎるコストではないはずです。科学技術が生み出した問題の多くは、止まるのではなく、先に進むことで、はじめて解決されるのではないかと思うのです。

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4 コメント

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Unknown (UNKNOWN)
2011-07-28 20:42:37
 好きですね、科学技術が。でも、ま、高速増殖炉は技術の脇道、あるいは、永久機関と同じでしょう。白髪参千丈のチャイナの言うことなど、フフンでしょう?
 去年まで、薄型テレビには液晶とプラズマがあったけど、プラズマ消滅。買った人はどうなるのやら。ロータリーエンジンという脇道もあったね。
 ”見切り千両”でしょう。拘るのは、氷漬けの株に拘るヘボ投資家みたいなもの。
 2兆4千億円ですか?それだけのカネがあれば、新エネルギーも開発できたのに。ま、やりだしたら止まらない”カッパエビセン”みたいなものかな?
 こんな大金を投入し続けた自民党が阿呆なのです。ダメ亭主もダメ女房も見切り千両なのですよ。
 潮岬沖で黒潮発電でも研究していれば、もう、かなり実用化していたかもね。滔々と流れる黒潮でタービンを回せば、超安値で無限の電力を提供できたかも知れん。地震予知と共にくだらん研究をするから税金が溝に捨てられる。
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UNKNOWNさん (kuranishi masako)
2011-07-29 07:47:55
エネルギー問題は、科学技術の問題ですので、政治的に判断すると、道を誤る可能性があります。核分裂や核融合に際して発生するエネルギーは、他の自然エネルギーの比ではありません。頭から否定する前に、物理学を学んでみてはいかがでしょうか。
 なお、プラズマもロータリーエンジンも消滅はしておりません。技術にも多様性があってよいのですし、将来、有用な技術として再評価されることもあるのです。
返信する
Unknown (UNKNOWN)
2011-07-29 21:53:08
 >>核分裂や核融合に際して発生するエネルギーは、他の自然エネルギーの比ではありません<<
 本当かどうか知らんが、まだまだ、エネルギーが欲しいのかな?
 まだまだ、儲けるために、豊かになるためにエネルギーがもっと必要ですか?
 疲労とストレスを溜めながら、24時間、戦いますか?
 全ての病気は”疲労とストレス”から来るのでは?豊かになるため24時間、戦って、胃腸が壊れてお粥ばかりになりますか?前では、ろくすっぽ、働かなかったのがご馳走を食べていたりして。
 吾らの身で日本国のことなど、そうそう、考える必要もないでしょう?3,4年に1回の選挙のとき、考えれば十分。毎日、考える必要はありません。
 「今晩は、何をたべてやろうか」とか「クソ暑い、家をもう少し、快適にするにはどうすればよいか」とか「檀レイがミッチーと結婚!くそ!」とか。
 あなたも現代の学校教育の犠牲者ですよ。考えすぎて短命になりかねません。時間を最大限、利用する必要はありません。命も短くなるし、エネルギーも使うし。
 空白の時間だらけでボケッとしていたら、エネルギーも使わないし、長生きするし。わずかな年金でも、長生きした者の勝ちだし。
 ”疲労とストレス”を溜めながら、エネルギーを大量消費して、若死にしてくれる人が多ければ、生き残ったボケッは不安なく年金がもらえるけどね。
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UNKNOWNさん (kuranishi masako)
2011-07-30 08:44:29
 エネルギーが豊富に供給されるからこそ、人間は、過酷な重労働を機械に任せ、また、家電製品を使うことで、健康を維持し、余暇を持つことさえできるのです。頭脳労働であるデスクワークもまた、エネルギー供給あってのことです(コンピューターは多量の電力を消費する・・・)。

 全ての国民は、納税者であり、また、政策の影響を受けるのですから、常に政治に関心を持つべきです。国民が、無関心でおりますと、政治は腐敗し、権力は直ぐにでも私物化されてしまいます。。もし、関心を持つ必要がないならば、UKNOWNさんは、何故、本ブログにコメントを書き込んでいるのですか(嫌がらせ?・・・)?私は、統治の研究者ですので、政治を真剣に考え抜く立場にあります。
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