万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

地方自治体とソフトバンクとの随意契約は違法では

2011年07月16日 11時23分25秒 | 日本政治
菅首相“豹変”の陰に「ある人物」の存在【週刊・上杉隆】(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 都道府県に続いて政令指定都市との間にも、ソフトバンクは、自然エネルギー普及のための協議会を設立するそうです。ところで、誰から見ましても、地方自治体によるソフトバンクへの利益供与なのですが、どうした行為は、法律上許されるのでしょうか。

 新聞記事によりますと、地方自治体が、埋めたて地を建設用地として提供する案が示されているようですが、国や地方自治体が契約を行う場合、原則として競争入札を行うことが義務付けられています。もし、地方自治体が、埋立地を太陽光発電の事業者に提供するならば、この契約もまた、競争入札によるべきものとなります。競争入札によらずして、地方自治体と特定の事業者と任意に契約を結ぶには、法律上の要件を充たす必要があり、しかも、たとえ要件を充たす事業者が1社であっても、事前に公募を行わなければならないそうです。ソフトバンクには、発電事業の実績もありませんし、他にも発電事業を行う能力を備えた企業が多数存在しているのですから、どうみても、随意契約の法的要件を満たしているとは考えられないのです。

 再生エネ法の問題点は、各方面から指摘されていますが、地方自治体とソフトバンクとの癒着による太陽光発電事業の独占化もまた、国民から強い反発を買いそうです。消費者には選択の権利がないのですから、国民を犠牲にした、怪しげな一民間事業者との結託は、地方自治体の汚点であると思うのです。

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早期の原発再稼働が現実的な解決方法では

2011年07月15日 11時28分25秒 | 日本政治
原発停止、電気代値上げ…製造業1・6兆負担増(読売新聞) - goo ニュース
 本日の日経新聞の一面には、電力不安などを理由に海外移転を検討している企業が4割にも上る、とする記事が掲載されていました。合理的に考えれば、停止中の原子炉の想起再稼働以外に、産業の空洞化と雇用の喪失を防止する方法は見当たりません。

 誰もが分かっていることでありながら、菅首相を始めとして、政治家の多くは、国民の多数が脱原発派であると信じ込んでいるためにか、再稼働に向けての責任ある行動を採ろうとはしません。しかしながら、産業の空洞化と雇用の喪失は、現実に目の前に迫っている危機です。政治レベルでの、理想の無責任な追求と現実の責任の回避は、日本経済と国民を苦しめ続け、このままでは、政治主導の名の下で、経済が潰されてしましかねません(それが、菅首相の真の狙いとも・・・)。当然に、その先には、生活不安があるのですから、国民の中には、原発再稼働による危機の回避を支持する”声なき声”があるはずです。マスコミは、九電問題でこの声を封じたいようですが・・・。

 政治がボイコットをしているうちに、経済への悪影響はさらに広がってゆきます。政治家が理想を弄び、自己に有利な方向に混乱を利用しようとしている間に、経済の状況は、刻一刻と悪化してゆきます。経済は、政治を待ってくれはしないのです。原発事故と同様に。 

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遠い将来のエネルギー技術は核融合では

2011年07月14日 17時34分25秒 | 日本政治
脱原発は首相の希望、内閣の目標でない…枝野氏(読売新聞) - goo ニュース
 昨日、またもや菅首相は、脱原発依存宣言を唐突に発表し、各方面に波紋と懸念を広げているようです。枝野官房長官は、首相の個人的な”遠い将来の希望”とフォローしていますが、エネルギーに関する未来技術の本命の一つは、核融合炉であったのではないかと思うのです。

 脱原発派の人々は、核融合炉や放射性廃棄物の処理技術について、どのように考えているのでしょうか。こうした技術の確立を待つまでもなく、実際には、より安全性の高い新世代の原子炉も既に開発されてきています。また、脱原発とはいっても、放射性物質の処理技術が未熟な段階では、安全な廃炉さえできないはずです。原子炉の安全性の向上と廃炉技術は密接な関係にありますので、脱原発が、未来技術に向けての研究の放棄や撤退を意味するとなりますと、人類のエネルギー問題の解決を遅らせるか、停止させることにもなりかねません(日本国が抜ければ、それだけ、研究の進展の速度が遅れる・・・)。日本国は、ITER(国際熱核融合炉)のプロジェクトにも参加しており、原子力の技術開発の担い手でもありました。原発の導入や推進を掲げている国が多数存在することを考慮すれば、原発事故を起こしたからこそ、安全技術の確立に貢献するという道もあります(世界大で見れば、原発はなくならない・・・)。

 安全な原子炉や核融合炉が完成した時点で、ちゃっかり原発路線に戻るという方法もあるかもしれませんが、これもまた、”フリーライダー”の謗りを免れそうありません。遠い将来を見通せば、核融合の可能性があるのですから、現時点で、脱原発を政治的に決定する必要はないと思うのです。

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地方自治体とソフトバンクの癒着―談合より悪質では

2011年07月13日 15時17分24秒 | 日本政治
ソフトバンクと自治体が自然エネ協議会 制度改正求める(朝日新聞) - goo ニュース
 公共事業に伴う業者との癒着や利益誘導は、長年、我が国の政治を蝕む腐敗の温床とされてきました。こともあろうか、本日のニュースによると、35の都道府県の地方自治体とソフトバンクが、自然エネ協議会を発足させたというのです。この協議会、談合より悪質なのではないでしょうか。

 そもそも、民間の一企業の社長が、こうした公的な機関の事務局長におさまること自体が非常識としか言いようがありません。もし、この協議会の要求どおりに再生エネ法が制定され、高額買い取り制度の下で大規模太陽が建設されることになれば、ソフトバンクが一手に事業を引き受けることになるのでしょうか。もしそうなれば、独占禁止法に違反する可能性さえあります。また、たとえ、全ての事業者に自然エネ市場が開かれたとしても、再生エネ法は、電力料金へのコスト転嫁により、産業の空洞化と国民生活の圧迫を招きますので、この35都道府県と知事とソフトバンクは、目先の利益に釣られた罪深い人々ということになります。誰も、地方自治体に、再生エネ法を後押しし、ソフトバンクと組んで発電事業を行ってほしいなどと、頼んではいません。ソフトバンクは、携帯電話事業でもサービスの評判が良いわけではなく、強引な手法を繰り返してきたため、不快感をもつ国民も少なくなく、しかも、韓国や北朝鮮との繋がりもありますので、国民の多くが警戒感を抱いております。

 白昼堂々と、国民の負担を無視して、談合より悪質な利益誘導のための会合を開いているのですから、呆れてしまいます。政府への失望から、地方への国民の期待も高まっていますが、ここでもまた、国民は、裏切りにあいそうです。

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原発再稼働問題―本音の議論をしよう

2011年07月12日 15時27分09秒 | 日本政治
国民も納得いく形…原発統一見解、首相が自賛(読売新聞) - goo ニュース
 菅首相も、脱原発派の人々も、まるで”脱原発は正義だ。たとえ日本が滅びようとも”と叫んでいるように聞こえます。もっとも、菅首相の台詞は、”脱原発は正義だ”ではなく、”首相の座は俺のものだ”なのですが・・・。

 ここ数日の間、九州電力の”やらせメール”がマスコミで大きく取り上げられていましたが、こうした問題が起きるのも、どこかに本音を正面切って言い出せない空気が醸しだされているからとも言えます。電力関係者にとっては、原発の存続は死活問題なのですから、正々堂々と、電力関係者の意見として表明すればよかったのです。一般人の意見のみが聞くべき参考意見なのではなく、利害関係者の立場や見解こそ耳を傾けるべきです。さらに言えば、深刻な電力不足と電力料金の値上がりには、内心困り果て、本音では、早期の原発再稼働を望んでいる企業も一般国民も少なくないはずです。原発の稼働停止によって影響を受ける、全ての人々の意見を公平に扱い、リスクを最少に押さえ、皆が納得するように上手に調整し、有効な対策を立てるのが、政治の仕事とも言えます。

 本音を抑え込んで、独善的な政策を強行しますと、国が滅ぶこともあります。劣化ヒトラーの如き菅首相と、運命をともにしたい国民は、誰もいないのではないでしょうか。
 
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原発停止―これからが地獄

2011年07月11日 15時34分51秒 | 日本政治
「中小企業、海外移転動き強化」 バンコク日本人商議所(朝日新聞) - goo ニュース
 本日、原発再稼働に関する政府の統一見解が発表されました。二段階でテストを実施するとは言うものの、実施時期については何らの情報もなく、何時、電力不足が解消されるのか、全く見当もつきません。

 原発反対の世論も強く、原発反対派の人々は、来春までに全原発が稼働停止となって構わないのでしょうが、国民にとっては、これからが地獄となるのではないかと思うのです。現時点では、かろうじて節電で対応していますが、今後、他の稼働中の原子炉も定期点検の時期を迎えますと、運転が停止されてゆきます。電力不足が解消されるどころか、冬場にかけてさらに電力供給が減少してゆくのです。再稼働の時期が明言されれば、企業も対応策を打てますが、見通しがまったく立たない状況では、海外に製造拠点を移す企業が増えることは必至です。実際に、中小企業でも、海外移転の検討件数が上昇しているそうです。代替エネルギーも用意できない段階での原発停止は、政府による海外移転促進策のようなものです(普通の政府は、自国の雇用維持と企業誘致政策を行う・・・)。

 脱原発運動を組織活動として請け負っている人々はともかくとして、一般の人々が、脱原発に賛成することには首を傾げてしまいます。これから失業の危機、電力料金の高騰、生活レベルの低下に苦しむのは、一般の人々なのですから。企業活動の低下と消費の停滞により税収が減少し、かつ、失業によって生活保護の受給者が増えれば、財政破綻にも直結します。日本という国が崩壊しても脱原発を、と唱える人々も、それに賛同する人々も、菅首相と同様に、あまりに無責任なのではないでしょうか。

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原発のストレステスト―世界一のスパコンの出番では

2011年07月10日 15時21分32秒 | 日本政治
原発ストレステスト「再稼働の条件」 細野原発相が明言(朝日新聞) - goo ニュース
 菅首相が、突然に言い出したストレステスト。こともあろうか、言い出した当の本人さえどのようなテストなのか、具体的な内容を国民に説明できないのですから、無責任この上ありません。

 ところで、このストレステスト、EUで行われているものは、原発の稼働中に行うものなそうです。おそらく、現場の原子炉で実験するものではなく、地震や津波などによる衝撃に対する原発の耐性を調べるための、コンピューター上のシミュレーション・テストなのではないかと思うのですが、もし、そうであるならば、今こそ、世界一を記録したスパコンを役立てるべきなのではないでしょうか。また、既に原子炉の設計段階でのデータがあるならば、新たに作成した安全基準に照らした再検討でも済むはずです。そもそも、稼働中に実施できるならば、わざわざ再稼働の条件する必要もなく、問題が見つかった場合に、対策を講じるか、あるいは、稼働を停止すればよいのです。

 玄海原発などについては、簡易検査の後にあらためてストレステストを実施するとの合意が、三閣僚の間ではできているそうですが、首相が再び、テロ的な”妨害行為”の挙に出る可能性もあります。電力供給は、産業と国民のライフラインでもあるのですから、ストレステストが、再稼働の障害になってはならないと思うのです。

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再生エネ法―海外の失敗にこそ学ぶべき

2011年07月09日 15時27分51秒 | 日本政治
再生エネ法案、14日審議入り 与野党が合意(朝日新聞) - goo ニュース
 自己に都合のよい法案を通したい時には、政治家やその取り巻きは、説得材料として、海外の事例が引かれるものです。再生エネ法案もこの例にもれず、推進派の人々は、ヨーロッパ諸国や中国での実施例を盛んに紹介しています。

 確かに、ドイツとスペインでは、太陽光発電の余剰電力を高値で買い取る制度を実施しましたし、中国では、国家を挙げて風力発電の増設に邁進しました。しかしながら、その結果は、どうなったでしょうか。ドイツとスペインでは、買い取り料金が高い間は、バブル状態となり、普及が飛躍的に進みましたが、電力会社が音を上げると共に、国民からは不満の声も上がったため、買い取り料金の引き下げに踏み切りました。その途端、バブルは弾け、在庫の山となったそうです。中国でも同様に、大量の風力発電設備が生産されましたが、ドイツやスペインとは逆に、政府が、安値でしか電力を買い取らなかったため、ここでも在庫の山ができたそうです。つまり、何れにしましても、こうした政策は、失敗していたのです。

 再生エネ法案が可決されれば、我が国でも同様の事態が発生することが予測されます。外国の事例は、むしろ、この法案を通すべきではないことを示しているのではないでしょうか。
  
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国民は菅首相の再稼働停止に納得しているのか

2011年07月08日 11時39分24秒 | 日本政治
原発ストレステスト 「もう めちゃくちゃ」与野党あきれ顔(産経新聞) - goo ニュース
 菅首相は、ストレステストの導入について、”このまま原発を再稼働させれば、国民が納得しない”と国民を”だし”に使って説明しているようです。しかしながら、実際のところは、どうなのでしょうか。

 国民の多くは、節電令のマイナス影響を直接受けていますし、工場の移転に伴う失業や、経済の縮小による所得の減少を心配している国民も少なくないはずです。熱中症の患者の増加は、毎日のように報じられていますし、人工透析機や人工呼吸器などを使っている方々からも、不安の声があるようです。原発の安全性を高めることは、即、取り組むべき重要な作業ですが、主たる懸念材料が地震ですので、全原子炉の稼働を停止状態にしてまで行うほど、緊急性があるとも思えないのです。ストレステストの内容が決まるまで間は、再稼働可能な原子炉は動かし、決定後は、時期をずらして順次に実施するといった工夫をすれば、全国的な電力不足を招くことなく、安全性の向上を図ることができます。実施前に再稼働させた原子炉は、次の定期検査の際にテストを実施すればよいのです。

 国民の多くが納得しないのは、菅首相の、マイナス影響を無視した、独断専行で”何でも止める”という傲慢な政治スタイルなのではないかと思うのです。菅首相にとってこうした失政は致命傷とならなくとも、産業や国民にとりましては、致命傷となるかもしれないのですから。

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原発ストレステストの実施―法的根拠なき菅首相の権力濫用

2011年07月07日 17時37分58秒 | 日本政治
佐賀県知事、枝野氏と会談 安全性評価発表に不信感(朝日新聞) - goo ニュース
 菅首相は、浜岡原発を停止させた際にも、影響を受ける経済界や国民に対して何らの説明もなく、突然に停止要請を発表しました。昨日もまた、菅首相は、何の前触れもなく”ストレステスト”の実施を持ち出して、玄海原発の再稼働を停止させてしまったのです。ストレステストの実施もまた、浜岡原発のケースと同様に法的根拠はありません。

 もし、首相が、本気で原発の再稼働には、ストレステストの実施が必要と考えていたとしたら、それは、福島原発の事故直後から準備すべきことでした。専門性の高い原発のことですから、ストレステストの内容を即座に纏めることは困難です。もちろん、首相が挙げたEUのテスト内容を借用することもできますが、地震や津波など、リスクの事情が違いますので、そのまま使うわけにもいきません。事故発生から4カ月余りが経過し、安全保安院や専門家の関与もなく、唐突に首相がストレステストを言いだしたことに、如何なる手段を使っても、つまり、権力を濫用しても、原発を再稼働させたくない、という菅首相の意固地なまでの妨害の意思を感じるのです。

 そうして、再び首相は、テロ的な手段を用いることにしたようです。電力不足を解消させる代替手段も、何も提示することなく、再稼働の流れを一存で止めたのですから。ストレステストには法的な根拠はありませんので、まずは、現行の法律に基づいて停止中の原発を再稼働させ、電力不足を緩和させつつ、ストレステストについては、改めて基準を作成し、国会で立法化してから実施すべきと思うのです。

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脱原発論は特殊相対性理論の平和利用を葬るのか

2011年07月06日 15時40分23秒 | 社会
伊東 乾の「常識の源流探訪」 「シュレーディンガーの猫」のリスク管理論 正しく怖がる放射能【12】(日経ビジネスオンライン) - goo ニュース
 アインシュタインと言えば、誰もが、相対性理論を思い浮かべるかもしれません。1905年に発表した特殊相対性理論で、氏は、かの有名なE=m×C²という式を明らかにしました。原発論もまた、この理論抜きにしては、語ることはできないと思うのです。

 何故ならば、極めて単純で美しいとされるE=m×C²の式は、質量とエネルギーの等価性を表現しているからです。このことは、物質には膨大なエネルギーが潜在していることを示してもいます。アイシュタインいわく、”1グラムの質量とは、90兆ジュールのエネルギーの塊”ということになるそうなのです。このアインシュタインの理論が原子爆弾の生みの親となったことで、原子力のイメージは損なわれ、さらに、平和利用のはずの原子力発電もまた、相次ぐ事故で批判の矢面に立たされることになったのですが、原子力の技術が、膨大なエネルギーを生み出す可能性を秘めているという事実には変わりはありません。

 もちろん、人類が、未だに原子力を使いこなせていない現実はあります。しかしながら、脱原発の流れに押されて、原子力の可能性そのものをも葬ることが、果たして人類にとって適切な選択であるのか、疑問に思うのです。資源の枯渇した未来にあって、より安全に、より低コストで、かつ、良質の電気を、大量に供給するかもしれないのですから。

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中国は国内法では尖閣諸島を領有できない

2011年07月05日 15時47分49秒 | 日本政治
尖閣沖の日本漁船に中国抗議「日本の措置無効」(読売新聞) - goo ニュース

 本日、中国外務省は、八重山漁協所属の漁船10隻が、今月3日に尖閣諸島周辺海域に出航したことについて、尖閣諸島は自国の領土であり、日本側のとる如何なる措置も”違法で無効”であると主張したうえで、日本国政府に対して、日本漁船を関連海域から引き上げさせるよう要求した、と報じられています。

 中国側のいう”違法で無効”は、中国の”国内法”に基づけば、といことなのでしょうが、国際社会では、国際法に根拠がなければ、正当な領有権とは認められません。自国の国内法をもって、他国の領域に対して領有権を主張することはできないのです。つまり、国内法に基づいて、違法性”や”無効”という言葉を持ち出し抗議しても、日本国に対しては、何らの法的な効果も及びません。中国が、国際法においても尖閣諸島が自国の領土であると言い張りたいならば、それを証明する義務は、中国側にあります。もし、尖閣諸島の日本国の領有に異議を申し立てるならば、中国政府は、日本国政府に対して、国際司法裁判所への付託合意を提案するしかありません(ゆめゆめ、武力行使は慎むべき)。

 中国が、国際社会の一員となるか、あるいは、”無法者”のままであるかは、国内法ではなく、国際法による法の拘束を受け入れるか、否かにかかっているのではないかと思うのです。 

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消えた中国のレアアース・カード

2011年07月04日 15時48分58秒 | 国際政治
太平洋にレアアース大鉱床…中国の独占、風穴を(産経新聞) - goo ニュース
 本日、太平洋の海底でレアアースの大鉱床が発見されたとする記事が、新聞の一面を飾ることになりました。この発見、中国の戦略を根本的に覆す可能性があると思うのです。

 改革開放路線に舵を切った小平氏は、1992年に、既に「中東に石油あり、中国にレアアースあり」と述べたと伝わります。この言葉の通り、レアアースの輸出拡大で、中国は膨大な貿易黒字を計上してきましたし、最近、強化されている政府による輸出価格のコントロールは、先進国の企業に対して、レアアースを入手できる自国に製造拠点を誘導する、強力な技術移転促進の政策手段となっています。さらに、レアアース・カードは、経済面のみならず政治面においてもその威力を発揮してきました。昨年、尖閣沖で発生した中国漁船の衝突事件では、レアアースの禁輸で日本国政府に外交圧力をかけたことは、記憶に新しいところです。また、ステルス機といった最先端の兵器にもレアアースは使用されていますので、中国の独占状態は、兵器技術においても、中国がアメリカに対して優位に立つ踏み台とみなされていたのです。国際社会からの批難に耳を貸そうともせず、中国は、レアアース・カードを存分に切ってきたのです。

 中国の独占状態が確立したかに見えた矢先、海底鉱床の発見のニュースは、レアアースの独占を前提として戦略を立ててきた中国にショックを与えたはずです。エースのカードを失った中国は、以前のようには、高飛車な態度で国際社会に挑めなくなるのではないかと思うのです。

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太陽光発電の余剰買い取り制度を廃止しては

2011年07月03日 15時15分36秒 | その他
15%の真夏 太陽光発電、光と影(産経新聞) - goo ニュース
 菅首相が再生エネ法に意欲を示し、マスコミもまた太陽光発電の買い取り制度に対しては好意的な姿勢である中で、電力買い取り制度の廃止を訴えますと、袋叩きとなりそうですが、敢えて、ここで廃止論を提起してみたいと思います。

(1)不平等な機会
 太陽光発電買い取り制度は、”貧乏人がより貧乏になる制度”とも評されています。何故ならば、所得に余裕のある世帯や一戸建てを購入できる世帯しか発電設備を設置することはできず、全ての国民に対してオープンでも機会均等でもはないからです。

(2)不公平な負担
 この制度では、設置できない世帯だけが、電力料金の値上がりというコストを払うことになります。設置のための一時的な費用は、電力会社の買い取り制度で回収することができますので、長期的に見ますと、太陽光発電を設置した世帯のために、一般の世帯が太陽光設備の費用を負担するという構図となるのです。また、設置に際して地方自治体などから支給される補助金も、他の住民が納めた地方税から支出されています。

(3)選択肢なき負担
 コストを負わされる側には、割高の太陽光電力を拒否する権利も、他のより安い電力を購入する選択肢はありません。

(4)普及による産業の衰退
 それでは、借金をしてでも、可能な限り全ての世帯が太陽光発電を導入すればよい、と考えるかもしれません。しかしながら、不安定で割高な太陽光発電が普及すればするほど、自国の産業の衰退が衰退するというジレンマがあります。皆がこの制度を利用すると、皆が没落するのです。

 その他にも技術的な問題点などもあるのですが、こうした問題を解決するためには、まずは、太陽光発電の高値買い取り制度を廃止し、国民の間の不公平感を解消する必要があります。所得に余裕のある世帯が、太陽光発電を使って節電に協力しているとなれば、誰も不服はないはずです(尊敬されるかも・・・)。再生エネ法も含めて、コスト移転型、かつ、自己破滅的な制度は、止めるべきと思うのです。

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玄海原発再稼働問題―首相面会の条件化のリスク

2011年07月02日 15時40分28秒 | 日本政治
玄海原発再稼働「首相との面会が条件」と県知事(読売新聞) - goo ニュース
 玄海原発の再稼働問題をめぐり、古川佐賀県知事は、首相との面会を条件として示したと報じられています。県知事は、首相に責任を押し付けたいのでしょうが、この面会の条件化にはリスクがあると思うのです。

 玄海原発については、地元の承認をも得ており、再稼働は時間の問題となっておりました。大津波に襲われる確率は低く、玄海原発は、立地条件としては比較的安全な原発の一つでもあります。九州電力の玄海原発が早期に再稼働されれば、全国的な電力不足をわずかとも緩和することができますが(他の電力会社への融通再開も含めて)、首相の面会を条件として認めてしまいますと、再稼働の雲行きは怪しくなります。菅首相は、脱原発で総選挙に打って出るとも噂されておりますので、首相の面会拒否もあり得るからです。つまり、菅首相は、浜岡原発の”緊急停止”と同様に、今度は、玄海原発再稼働に対する拒否権を握ることになるのです。当然に、首相は、このカードを、最大限、自己保身のために使おうと目論むことでしょう。

 脱原発派にとっては、首相がこの拒否権を使うことに大賛成なのでしょうが、冷静に考えてみますと、原発の停止状態が続けば、震災被害に加えて、電力不足が産業や国民生活に打撃を与えます。このまま再稼働が認められなければ、来春までに全ての原子炉が停止するのですから、事態は深刻なのです。この点に鑑みれば、菅首相に拒否権というカードを与えたことは、新たなリスクを抱え込むことになるのではないかと危惧するのです。

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