万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

人工CO2除去技術でアメリカは環境ビジネス大国になる?

2011年08月16日 15時46分09秒 | アメリカ
大気からCO2を除去、アメリカで研究(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト) - goo ニュース
 原発事故が発生して以来、温暖化ガスの排出量削減問題は影を顰め、半ば忘れらている感があります。しかも、CO2を温暖化の主因とみなす説にも疑問が投げかけられており、関心が薄らいでいるのですが、国際社会では、温暖化ガスの排出枠の取引は続いています。こうした中、アメリカでは、中短期的には実現は困難としながらも、大気から人工的にCO2を除去する技術の開発が進んでいるそうです。

 もし、こうした技術の開発に成功するとしますと、これまでの京都メカニズムは、根底から変化する可能性があります。何故ならば、高い率の削減義務を課されている国は、除去技術を保有する国、あるいは、民間企業に対して除去作業を委託するか、あるいは、除去装置を輸入すればよいからです。アメリカの場合、現在、京都議定書の参加しなかったため、温暖化ガスの削減義務がありませんが、今後、枠組みに参加したとしても、この装置を使って自国の排出量を削減すると共に、削減目標以上に除去した分を排出権として売却したり、除去装置を有力な輸出品としたり、あるいは、特許収入源とすることもできます。つまり、アメリカは、環境ビジネス大国となるかもしれないのです。

 一つの画期的な技術の出現によって、将来、地球温暖化をめぐる景色は一変する可能性があります。そうして、それは、問題そのものを完全に消してしまうかもしれないのです。

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2 コメント

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Unknown (UNKNOWN)
2011-08-17 06:02:14
 そういう技術が開発され火力発電所で使われれば、効果があるかな?
 でも、今すぐできることもある。例えば、アルミ缶を毎日一缶、リサイクルに出すだけで、年間、18.3KGの二酸化炭素を削減できる。5000万家庭で行えば、相当量、削減できる。日本の場合はアルミ缶のリサイクルは相当、進んでいると思うが、アメリカはポイ捨てか?
 日本の全所帯で、エアコン、テレビの使用時間を毎日一時間削減すれば、100万トンぐらいの二酸化炭素が削減できる。
 どちらかと言えば、生活スタイルが効果的な分野。節電、省エネ、リサイクルで大量の二酸化炭素排出を削減できる。
 アメリカは広大な国なので、自動車の使用は避けられないが、それでも、都市自体が自動車の使用を前提にしている。
 ま、アメリカ人が、少し、生活方法を変えるだけで、世界の二酸化炭素排出量は大幅に減る。
「食う量も、自動車に乗る時間も減らせ」そうすれば、二酸化炭素の排出量は減るし、財布にも優しい。まずはデブ退治から。
返信する
Unknown (kuranishi masako)
2011-08-17 08:32:57
 さまざまな方面からのアプローチがあってよいのです。
返信する

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