万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

米軍の危機管理は大丈夫?―ワクチン接種の義務化問題

2021年08月11日 13時16分50秒 | アメリカ

 報道によりますと、アメリカでは、軍の将兵に対してワクチン接種が義務付けられるそうです。米軍のみならず、アメリカでは、連邦政府並びに地方自治体の公務員に対するワクチン接種を義務化する動きが広がっていますが、危機管理の側面からしますと米軍におけるワクチン接種の義務化には安全保障上のリスクが伴うように思えます。

 

 親中派と見られていたバイデン大統領は、就任直後からその態度を豹変させ、今では、対中強硬派の急先鋒の役割を担っています。米中対立は激しさを増す中、新型コロナウイルスの起源についても武漢ウイルス研究所流出説が信憑性を増しており、それが自然界の由来であれ、遺伝子操作の成果であれ、同ウイルスが生物兵器用に研究されてきた可能性も高まっています。言い換えますと、今日、新型コロナウイルス禍は、安全保障上の問題領域としても認識されるに至っているのです。

 

 仮に、新型コロナウイルスが生物兵器として性質を有しているとすれば、先ずもって、「コロナウイルス」という風邪の原因ともなるウイルスが選ばれた意味を考えてみる必要がありそうです。「コロナウイルス」は一本鎖のRNAウイルスですので、変異しやすいという特徴があります。今もって風邪に対するワクチンが存在していないように、そもそも、ワクチン開発が極めて難しい類のウイルスであると言えましょう。つまり、中国は、生物兵器の開発に際して、攻撃相手国が防御手段となるワクチンを開発するのが困難となるウイルスを敢えて選んでいるのです(因みに、同じくRNAウイルスの一種であるピコルナウイルス科に属し、風邪の原因ともなるライノウイルスは、100種類以上の株が存在するために、ワクチンの開発は絶望的とされている…)。

 

 もちろん、今般の遺伝子ワクチンの技術は、生物兵器による攻撃を想定して開発されたとされており、遺伝子の塩基配列を組み替えるだけで、様々なウイルスに対応できる迅速性と大量生産性を最大のメリットとしています。このため、変異が早い「コロナウイルス」への対応も想定はされていたのでしょうが、今般、デルタ株の出現はワクチン効果の低減を示しており、第3回目の接種も検討されています。つまり、現状のレベルでは、ワクチン接種は、「コロナウイルス」に対して十分な対応性を有していないようなのです。

 

 ワクチン効果に対する疑問に加えて、ワクチンの接種リスクは無視できないレベルにあります。接種時における副反応は若年層ほど強く、米軍の将兵の多くがこの層に属していることを考慮しますと、他の職業よりもリスクが高いことを意味します。しかも、CDCやイスラエル保健局によって既にワクチン接種との関係が認められている心筋炎や心膜炎を防ぐには、接種後の激しい運動の制限が奨励されているようですので、同副反応による直接的な健康被害のみならず、米軍全体の戦力にも影響を与えかねません。また、ADEといった中長期的な有害事象が発生した場合には、米軍が総崩れとなるシナリオもあり得ないことではないのです。ワクチン接種の義務化は、米軍にあって一人残らずワクチン・リスクが及ぶことを意味しますので、集団感染に負けずとも劣らない集団的な危険性が認められるのです(中国は、ワクチン生成抗体に反応性を有する毒物を散布する可能性も…)。さらに、ワクチン接種の拒否を理由とした将兵の退職の増加、並びに、志願者が激減する事態も想定され、米兵が数的に減少する可能性も指摘できるでしょう。

 

ワクチン・リスクが顕在化した場合、それによって高笑いするのは、孫氏の兵法に倣って’戦わずして勝つ’をモットーとしている中国、あるいは、その背後勢力ということになりましょう。自国が開発した新型コロナウイルスのパンデミック化によって、自ら手を下さなくとも’仮想敵国’が自滅してくれるのですから(相手国を追い込む高等戦術であるかもしない…)。日本国の自衛隊にあってもワクチン接種が進んでいるようですが、最悪の事態をも想定すべき危機管理の側面からしますと、接種の義務化は安全保障上の危機を招きかねないと思うのです。

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