万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

マイナンバー・LINE提携リスクー日本国政府の売国か?

2017年06月16日 08時47分46秒 | 日本政治
 報じられるところによりますと、総務省は、内閣府との連携の下でマイナンバーのオンラインサービスである「マイナポータル」とLINEを組み合わせた行政サービスを開始するそうです。子育て支援の分野を手始めに今年の秋頃からのサービス開始を予定しているそうですが、この連携、幾つかの側面において、売国的ではないかと思うのです。

 第一に、LINEとの連携は、日本国民の個人情報を韓国に提供するに等しいことです。LINE社とは、韓国企業であるネイバーの子会社であり、韓国情報院に対する情報提供の義務を負っています。この現実は、LINEを介して収集されたユーザーの個人情報、並びに、ユーザーの登録情報は、全てネイバー、並びに、韓国政府が利用可能なデータとして蓄積されることを意味します。政府はこの事実を当然に知りながらマイナンバーの運営にLINEを利用したのですから、確信犯的な売国行為です。日本国民のマイナンバーが韓国側に漏れる事態ともなれば、リスク管理の甘さが問われることになりましょう(あるいは、韓国側が日本人のマイナンバーを秘密裏に不正利用する可能性も否定できない…。例えば、’成り済まし’)。

 第二に、LINEは一民間のSNS事業者に過ぎず、他にも競合する企業が存在しています。仮に、こうした行政サービスを実施するならば、中立・公平な公開競争入札制度を行った上で、事業者を選定すべきです。日本国政府が、恣意的にLINEを選定したとなりますと違法な随意契約となり、特定の企業への利益誘導となりましょう。LINE利用者数や使用回数が増加するほどに、広告料を主たる情報源とするLINEの収益もアップするのですから。

 第二の問題は、同連携の費用負担が不透明な点も問題です。今般の連携においては、日本国側にシステム開発に要する費用負担が生じているのではないでしょうか。仮に生じているとしますと、予算を要する事業として国会の承認が必要でしょう。LINEは、無料アプリであるために普及したのですが、仮にこの事業でも”無料”であるとしますと(LINE側の負担)、日本国の行政システムが、むしろ、LINE社の利益、並びに、韓国政府の情報収集のために体よく利用されていることとなります。ソフトバンクを含めて韓国系の企業には、政府や行政機関に取り入るという傾向が強く、LINEもまた”用日政策”の一環かもしれません。

 第三に、日本企業側の問題点として、近年、プラットフォーム事業における出遅れが指摘されております。このため、日本国政府は、日本企業によるSNS事業者の育成を目指すべき立場にあります。ところが、韓国系のLINE社を”日本国政府御用達”として認定するのでは、韓国の利益の為に公権力を行使しているとしか思えません。公共性の高い通信・情報事業の分野は、経済のみならず、社会全体にも影響を与えますので、如何なる国にあっても政府の監督の下に置かれております。韓国系のプラットフォームが日本国の国民生活においてコミュニケーション手段として根付くとなりますと、日本国内に韓国系の情報収集ネットワークが張り巡らされ、外国によって日本国民の日常までもが監視される状況となります。

 第四としては、今日、小学生でもアプリを自作できる時代にありながら、何故、総務省は、行政サービスの向上を実現するアプリを自ら開発しないのでしょうか。必ずしもLINEを介在させる必要性がないにも拘らず、敢えて提携を意図したとしますと、国民には説明できない思惑が潜んでいると疑われても致し方ありません。

 マイナンバーカードの交付率は10%を下回る状況にあるとの指摘もあり、この低い数値は、マイナンバー制度に対する日本国民の不信感の現れとも説明されています。しかしながら、LINEの方が遥かに情報漏洩や犯罪関連のリスクが高いにも拘わらず、メディアも左派系の人々も、マイナンバー導入時程には今般の提携を批判的には報じておりません。また、LINEの利用者は、公表では凡そ6800万人ともされていますが、この数字が正しければ、日本国民は、日本国政府よりも韓国系のLINEに信頼を置いていることとなります。なお、インドでは、マイナンバーの交付の際の写真を政府の役人がすり替え、別人を’成り済ま’させるという事件も発生しているそうですが、行政システムにLINEを介在させますと、こうしたリスクも高くなりましょう。

以上に述べた諸点を考慮しますと、「マイポータル」におけるLINEとの提携はリスクのみ高く、日本国、並びに、日本国民にとりましてメリットがあるとは思えません。国家と国民の安全のために情報管理に責任を負う日本国政府は、LINEとの提携は見直すべきと思うのです。

 
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コメント (16)
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