万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

皇室支持の”善悪倒錯現象”ー辻本議員の”転向”の意味

2017年06月10日 15時41分27秒 | 日本政治
陛下、18年末にも退位=光格天皇以来200年ぶり―新元号、準備本格化
 日本国のマスメディアは、昨日の天皇退位特例法の成立に関しては、何故か祝賀ムード一色に染まっております。”象徴天皇”の継続を言祝ぐ言説が目立ちますが、かつて痛烈に”天皇制”を批判した民進党の辻本清美議員も、今般の法案を機に”転向”を表明しております。

 辻本議員は、昭和の時代に出版した書籍において、天皇や皇室に対して”生理的にいや”とか、「人生訓とか道徳を押し付けたがる。天皇とあの一族の気持ち悪さに直結している」として”悪の根源”とまで言い放っていました。しかしながら、昨今、同議員は、過去の見解を取消し、皇室支持の立場へと転じたのです。その理由としては、憲法尊重擁護義務や過去の考え方の一面性が挙げられております。

 憲法尊重擁護義務については、憲法第99条が改憲、即ち、国制改革の議論まで封じているとは考えられず、おそらく、第9条を含む護憲の立場と関連しているのでしょう。現皇室と護憲派とは、現体制の固定化という面において共闘関係にあるのかもしれません。そして、もう一つの理由である”一面性”については、その具体的な内容は詳しく報じられておらず、様々な憶測が飛び交っております。

 メディア等における好意的な解釈は、現皇室が国民から崇敬されており、国民多数の支持の下で”象徴天皇制”が根付いているから、というものです。しかしながら、別の理由があるようにも思えます。何故ならば、辻本議員は、近年、東宮家と親交を深めているとする情報があるからです。この情報の真偽は不明ですが、同議員の転向には東宮家との面会や交流があったことは想像に難くありません。そして、東宮家にまつわるマイナス情報を思い起こしますと、同議員の”転向”の理由がより明確に見えてくるように思えるのです。東宮家の姻戚である小和田家の出自は同議員と同様に北朝鮮系とする説がある事に加えて、小和田氏には、公金横領やスイスでの軟禁等、犯罪の影が常に付き纏っています。東宮家自身も、ヤフーオークション事件等を起こしたり、愛子さん替え玉疑惑が浮上するなど、必ずしも清廉潔白ではないのです。

 特例法の成立により、3年以内には東宮が天皇位に登極することとなりますが、ここで上述した「人生訓とか道徳を押し付けたがる…」という辻本議員の言葉が意味を持ってきます。即ち、天皇が国民の模範でもなく、不道徳で不品行な存在ならば、同議員には反対理由がなくなるのです。人生訓や道徳を”悪の根源”と断じる辻本議員の道徳観は善悪が倒錯しておりますが、来るべき”次期天皇”も同議員と同様に善悪が倒錯しているかもしれないのです。

 現皇室が犯罪に手を染め、腐敗しているとしますと、かつて辻本議員が天皇を批判した理由とは全く逆の立場において皇室に対して批判を行うのは、今度は良識と理性を備えた国民となりましょう。”悪”を崇敬することは、精神的な苦痛でしかないのですから。そして、仮に、天皇批判を行う健全な善悪の判断能力を備えた良心的な国民が、辻本氏のような輩から”逆賊”と呼ばれるようになるのならば、日本国の将来を憂いざるを得ないのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
コメント (18)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする