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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

在留1年永住権問題と中国国防動員法

2016年12月26日 13時54分53秒 | 国際政治
有能な在日外国人、在留1年で永住権 対象の3分の2は中国籍か 政府が規定緩和検討
 日本国政府は、外国人の高度人材を”呼び込む”ために、永住権の取得資格を短縮する方向で検討に入っているそうです。報道によれば、対象者の凡そ65%が中国籍の外国人なのですが、中国国防動員法を考えますと、この緩和措置には疑問があります。

 中国国防動員法については、制定当初から懸念の声が上がっておりました。何故ならば、動員の対象者は、”18歳から60歳の男性と18歳から55歳の女性”とされており、内外居住の区別がないからです。言い換えますと、日本在住の中国人も動員対象であり、有事ともなれば、中国政府の命令に従って行動することが義務付けられていることとなります。このため、仮に、将来、有事が日中間で発生するとなりますと、在日中国人は、日本国内で破壊活動を行う”便衣兵”ともなりかねないのです。

 こうしたリスクが潜む中国攻防動員法は、国際ルールに違反していると言わざるを得ません。国際ルールでは、領域主権が対人主権に優位するとされ、有事に伴い敵国人となった外国人は居住国の政府の指示に従います。敵国人とされた外国人が、国外退去や収容所での生活を余儀なくされるのも領域主権が優位するからです。ところが、中国は、このルールを無視して対人主権の優位、即ち、居住国政府の支持に反する敵対的な行動を自国民に義務付けているのです。戦時にあっては、極めて危険で巨大な”敵国人集団”が突如として出現するのですから、日本国内が混乱に見舞われ、国民の生命や身体も危険に晒されるのは火を見るよりも明らかです。

 将来的なリスクを考慮しますと、在留1年で永住権を付与する方針は、極めて危険な政策です。”有能な在日外国人”は、必ずしも友好的であるとは限らず、逆に、有能であるからこそリスクも高くなる可能性があります。いずれにいたしましても、人とは、経済では割り切れない存在ですので、外国人の居住に関する政策については、政治的、並びに、社会的なリスクをも考慮すべきです。戦後、日本国は、本国と結びついた北朝鮮等による工作活動に苦しんできましたし、昨今、諸外国でも、テロ等のリスクへの認識から移民政策の見直しが進んでおります。日本国は、こうした内外の失敗例にこそ学ぶべきではないでしょうか。

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コメント (4)
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