万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

財政・金融危機―格付け会社は罪深い?

2012年03月06日 15時31分21秒 | 国際経済
ギリシャ格付け、最低の「C」に…ムーディーズ(読売新聞) - goo ニュース
 まだまだ楽観が許されないギリシャの財政危機。今月3日には、格付け会社のムーディーズが、ギリシャ国債を最低の”C”に引き下げたそうです。

 ところで、債権の格付け会社は、意気揚々と格下げを発表しているのですが、財政・金融危機については、格付け会社にも若干の責任があるのではないかと思うのです。もし、格付け会社に充分や情報収集能力や各国の財政に関する分析能力が備わっていれば、ギリシャ政府の債務が拡大する前に、的確な格付けができたはずだからです。金融機関も、独自の調査能力はあるのでしょうが、専門機関による客観的な格付けもまた、国債購入に際して参考にしたはずです。つまり、危機が誰の目にも明らかになる前に、格付け会社が”C”に格付けをしておけば、今回の危機は、未然に防ぐことができたかもしれないのです。ギリシャ政府や財政の不健全な政府もまた、初期の段階で”C”と格付けされれば、国債発行額を抑えたことでしょう。

 危機が起きてから、リアル・タイムで格付けを下げるのでは、”時、既に遅し”となり、混乱を広げるばかりとになります。格付け会社は、常に先を予測して債権の評価を行うべきであり、政府や金融機関などに対して、”カナリア”の役割を果たすべきではないかと思うのです。

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コメント (3)
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