万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

非民主的な千葉法相の公約外立法発言

2010年06月30日 15時34分23秒 | 日本政治
千葉法相 夫婦別姓など「公約外でも成立」(産経新聞) - goo ニュース
 民主党の党名には、”民主”という看板が掲げられています。しかしながら、マニフェストに記載のない法案でも、国会成立させても問題はないとする千葉法相の発言は、真っ向から民主主義を否定していると思うのです。

 民主主義とは、国民の意思を立法や政策決定に反映させることをよしとする価値です。もし、この価値を尊重するならば、立法に際しては、最大限国民の意向に沿うよう配慮するものです。完璧ではないにせよ、マニフェスト方式の選挙も、政治と国民とを近づける工夫の一つであり、少なくとも重要法案については、マニフェストに記載する必要があります。しかも、千葉法相が成立を目指す法案が、人権侵害救済機関設置法案や夫婦別姓法案など、国民の自由や権利、あるいは、家族関係に直接影響を与える法案なのですから、なおさらのことです。

 我が国は、民主主義を国是としており、法務大臣には、憲法尊重擁護義務もあります(憲法第99条)。国民と価値観を共有せず、非民主的な手法に疑問を持たない法相に、法秩序の維持を任せることに不安を感じる国民は、少なくないのではないかと思うのです。

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