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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

仙石氏にみる言論統制志向

2010年06月17日 19時39分36秒 | 日本政治
自民の国会質問は「名誉棄損モノ」 仙谷官房長官が批判(朝日新聞) - goo ニュース
 議会において最も尊重されるべきは、言論の自由あり、討議の自由です。しかしながら、国会での政治家の発言がしばしば批判の対象となり、”舌禍事件”に発展することは、残念なことです。

 本日も、仙石官房長官は、野党側の「政治とカネ」の追求に業を煮やしたらしく、「名誉毀損モノ」という表現で、野党側議員の発言を非難したようです。しかも、訴訟を示唆する、ということは、すなわち、恐怖で発言を封じようとする行為に他ならず、仙石氏の言論に対する姿勢が伺えます。そもそも、名誉毀損罪は、公人については、事実であれば罰せられない、とする特別な規定がありますし(第230条の2)、言論の自由との兼ね合いからも名誉毀損罪が成立し難いという現状があります。国会という場に、「名誉毀損罪」を持ち込む仙石氏のセンスには、危うさを感ぜざるを得ないのです。

 とはいうものの、仙石氏のこの発言が、国民から好意的には受け止められず、むしろ、氏のイメージをダウンさせたことは、皮肉な結果であったかもしれません。言論の自由は、それ自身によって守られたことになるのですから。

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