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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

欲張りが生んだ”お米ロンダリング”

2008年09月25日 15時44分26秒 | 日本政治
汚染米を国産偽装、三笠フーズが「美少年酒造」に高値販売(読売新聞) - goo ニュース
 ウルグアイ・ランドの合意を受けて、日本国は、一定量のお米を外国から輸入する義務を負うことになりました(MA)。米価の内外価格差は、日米で2.7倍、日タイで8.5倍、日中で10.8倍と言います。汚染米事件に、こうも多くの事業者が関わったのも、この内外価格差にあるのではないでしょうか。

 内外価格差が大きいということは、ある業者が、仮に、相手方にばれずに”お米ロンダリング”に首尾よく成功すれば、それがそのまま”利ざや”になることを意味しています。国産と偽れば、高値でも誰も疑いませんし、むしろ、国内価格に近付けば近付くほど、表示された産地に対する信頼性が高まってしまうのです。ですから、欲張りでうそつきの事業者は、この心理を利用して、やすやすと相手方を騙し、工業用米を販売することで大金を手に入れたのです。

 お米の義務的輸入という制度が、欲張りな人々を惹きつけ、ついに、汚染米事件として発覚したとも言えましょう。食糧不足が心配される中で、制度自体の見直しも進めなくてはならないのですが、MAの流通過程をチェックできる仕組み作りが急務ではないか、と思うのです。

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