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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国家の統治力は国民の命運を決定する

2007年08月19日 20時07分12秒 | 国際政治
 今日、国家という言葉にアレルギーを持ち、その存在を疎ましく思う国民も少なくはありません。しかしながら、国家ほど、そこに住まう人々の運命に影響を与える存在もないのです。

 国家の統治力が劣ってしまいますと、第一に、国民の基本的な自由や権利が保障されなくなります。腐敗した統治機構を持つ国では、国民は、政府および隣人からの侵害に戦々恐々とせねばらなず、安心して生活を営むことさえができなくなります。第二に、外部の他者(大国や国際機関…)から管理されてしまう可能性が高くなります。国民に自己統治能力がないと判断されますと、これを理由に介入されたり、管理下に置かれてしまうこともあるのです。

 もし、自らの生活をより安全にしたいと思うならば、当たり前のことのようですが、自国の統治にこそ関心を寄せなければなりません。民主的な政治制度とは、国民にその機会を与えることができる、唯一の制度なのですから。

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