万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

本当は必要な国家

2007年08月07日 20時05分39秒 | 国際政治
 これまでのところ、国家への評価は、決して高いものではありませんでした。国家は国民を弾圧する、国家は戦争を起こす、国家は国民から搾取する、などなど。

 確かに、人類の歴史には、時代や地域を問わず、非難にあたいする国家は数多く存在してきましたし、現在でも存在しています。しかしながら、その一方で、国家が消滅しますと、外国の脅威から国民の安全を守り、そこに住む人々の生活水準の向上に努め、社会秩序を維持する役割を果たす存在もまた、時を同じくして消えてしまうのです。国家なくして、誰が、この役割を担うというのでしょうか?

 国家に対する悪いイメージから、ひたすらに国家を壊すことに熱中するよりも、国家自身をより良くするように努力を傾ける方が、はるかに建設的なことなのではないでしょうか。

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