松明 ~光明を指し示して~

暗闇を照らし赤々と燃える。が、自身が燃え上がっては長くはもたない。火を消すことなく新しい松明へと引き継がれねばならない。

組体操・・・なぜ極端に振れるのか

2016-03-02 08:50:21 | Weblog
     「並んで待つだけで美しい、教育ではこういうところを大事にしたい」


千葉県の流山市では、全ての市立小中学校での組み体操の全面廃止を決めた。全国で8,000件もの事故が起これば当然かもしれない。子どもの生命、安全を最優先するからこれも至極当たり前のことである。
 しかし、このように考えると全面廃止は組み体操に限ったことではないようである。跳び箱運動ではさらに事故が多いのではないかとも感じる。文科省ではこの4月に組み体操についてのお触れを出すらしい。

そもそも組み体操でなぜこんなに事故が多いのか、いくつか私の思っていることを列挙してみる。
1 子どもたちの基礎的な体力不足である。体重を支える筋肉等ができていないことや体幹が鍛えられていないこと。
2 ピラミッドであれば、下の馬になる人の両肩に、上に乗る人は両手をしっかり開き着手し、体の全体に力を入れ張りを持たせることなどの技術的なことができていないこと。
3 普段やられていない組み体操を運動会や体育祭が近づくと急に練習すること、つまり普段から組み体操をやる基礎的な練習がなされていないこと。
などであろう。

次に考えることは、何も5段とか10段などのピラミッドの組み体操でなければならないのかということがある。
 見る人を感動させるとか、子どもたちに達成感を持たせるからだというが、簡単な種目である扇、サボテン、ブリッジ、3段くらいのピラミッドやタワーでも美しくスマートにやれば、どんなにでも人を感動させることができるし、子どもたちに達成感を持たせることもできることである。私の勤務した小学校では、柔軟体操やマット系の回転運動だけでも素晴らしい演技になり、好評を得ることができたからである。
 
4月に出される文科省の通達では、組み体操は全面廃止というのでなく、どのようにしたら事故を防ぐことができるのか、どのような種目が相応しいのかどんな練習が必要なのかを提示してほしい。ただ危険だから廃止とうならば、他の運動やスポーツも同じことになる。
 子どもたちにも危険予知とうものも教えるのも大切であるからである。

文科省は事なかれ主義にならず、現場の意見なども聞きながら改善を図ってもらいたい。また、現場の先生方も工夫をしてもらいたい。

最近は、政治の世界でも教育の世界でも「やるか」「やめるか」の2者の選択しかないようである。じっくり考えることの大切さを忘れているように思われてしかたがない。



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