ミツマタ

　昨日は20度を超えたのに7日の東京は午後になっても10度ちょっととまた冬です。冷たい空気が勢力を伸ばしているそうで、多くの所で気温が上がらない曇り空のようです。今日が寒さの底と言ってたけど、明日もあまり変わらない天気みたいですね。ミツマタの花が咲いてます。あまりあちこちでお目にかかる花ではないですが、三つ又（みつまた）に分かれた枝先に黄色い花を咲かせるジンチョウゲ科の植物です。ヒマラヤ地方の原産で日本には江戸時代頃に渡来したと言われます。

　コウゾ、ミツマタなんて昔学校で習ったのは和紙の原料としてですね。コウゾから作る和紙は生産量が多く、半紙や障子紙などで使われていますが、ミツマタの樹皮から作られる繊維は長く丈夫なので紙幣、つまりお札に使われています。しわになりにくく高級で、虫の害にもなりにくいので1万円札、5千円札などのお札のほか証紙、賞状など重要な書類に使用されてます。紙幣に使われるようになったのは明治時代からで、2024年からお目見えする渋沢栄一の新1万円札もミツマタが使われます。

　ただ、国内の生産は減少しており、国立印刷局に納入される約１０２㌧のうち国産は６トン（２０１９年度）に過ぎないといいます。ほとんどを海外に依存しているのが現状だそうです。キャッシュレス化が進む近年ですが、世界で最も偽造されにくい日本の紙幣の印刷技術は絶えないようにしてほしいし、ワタシは現金派です（笑）。