国土交通省HPに全国の鉄道の駅の内、エレバーター、エスカレーターなどによる駅のバリアフリー化の状況が報告されています。
これによると、一日の利用者数が3,000人以上の駅では、全国の鉄道平均では81%(全駅:41%、以下同じ)です、JR:79%(30%)、大手私鉄:86%(69%)、地下鉄:82%(82%)になっています。 大手私鉄では、京王・小田急・東急・京浜急行・相模鉄道が全駅で100%バリアフリー化されています。 すべて関東です。
他の私鉄は、東武:59%、西武:88%、京成:77%、名鉄:68%、近鉄:44%、南海鉄道:52%、京阪:69%、阪急:85%、阪神:78%、西日本:36%であり、数字だけから判断すると、関東の私鉄の方が関西に比べてバリアフリー化が進んでいるようです。
地下鉄では、仙台・横浜・京都・大阪・福岡でいずれも、100%バリアフリー化されています。他は、東京メトロ:68%、東京都営:49%、札幌:93%、名古屋:85%、神戸:76%となっています。東京都営地下鉄のバリアフリー化の低さが目立ちます。理由が気になります。
首都東京の顔ともいえる存在のJR山の手線でも、バリアフリー化が全くされていない駅(例えば新大久保駅)があります。 しかも階段が長いので、新大久保駅を利用せざるを得ない時は、疲れてしまいます。 手すりが階段の片側だけしかないという問題もあります。 昇りの時は階段の左側に手すりがあるので、左側を昇りますが、階段の誘導表示では下りになっているために、大勢の人が下ってきますので迷惑をかけてしまいます。 なによりも、人も多いので階段で危険を感じることもあります。 逆に、下りの時は手すりは階段の右側になりますが、私は左半身マヒですので、右手で杖を使っているので、杖を持ちあげて手すりを使うことになり、不安定になります。 しかも、階段を後ろから下りて来る大勢の人に押されたりしますので、これもまた、危険を感じます。 バリアフリー化が出来ておれば、このような危険を感じずに済むのです。
また駅によっては、エスカレーターやエレバーターのある場所が、改札から遠く、非常に分かりずらかったり、不便なところにあったりします(例えば、JR山の手線の新宿駅など)。 駅の大幅な改修になりますので、バリアフリー化の工事に適切な場所が限られてしまうことも理由にあると思いますが、利用者から見ると、折角、エスカレーターを設置しても、そこにたどり着くのに遠回りしなければならない状況があることを、駅の関係者には理解していただきたいと思います。
私は、通勤に私鉄と地下鉄を利用していますが、幸いにも、バリアフリー化のおかげで、道路と駅、駅構内での移動がスムーズに出来ますが、地下道からビルへの移動は未だに階段を利用せざるをえません。 一旦出来上がったビル街、地下街では、新たにエスカレーターやエレバーターを作ることは、なかなか困難だろうと思います。 ビルからビルへの移動も階段を上ったり、下ったりの連続でひと苦労です。 今後も社会インフラの充実と共に、これら施設のバリアフリー化を進めていただきたいと思います。
欲を言えば、ホームでの「優先席」の位置を分かりやすく示して頂きたいと思います。JR山手線ではホームに優先席の位置が示してありますが、他の線路では、JR、私鉄、地下鉄を問わず、ホームに優先席の表示が無いように思われます。 各社の乗り入れが当たり前になって来ており、車両の形も各社で異なるので、なかなか困難であることは理解できます。 駅のホームドア設置でも各社乗り入れの問題が横たわっていると思いますが、 少しでも改善されるように望みます。
<国土交通省 HP(H24.10.11)>
◆鉄道 3千人以上の駅 全駅
JR6社 79% 30%
大手民鉄15社 86% 69%
地下鉄10社局 82% 82%
中小民鉄・路面電車等 74% 34%
全体 81% 41%
◆全旅客施設
段差の解消 81.1%(平成22年度末より約3.2%増加)
視覚障害者誘導用ブロック 92.9%(同 約0.8%増加)
障害者用トイレ 78.0%(同 約3.0%増加)
◆車 両 等
鉄軌道車両 52.8%(平成22年度末より約3.3%増加)
ノンステップバス 38.4%(同 約2.9%増加)
リフト付きバス 3.3% (同 約0.4%増加)
福祉タクシー 13,099台 (同 843台増加)
旅客船 20.6%(同 約2.6%増加)
航空機 86.1%(同 約4.7%増加)
※1日当たりの平均的な利用者数が3,000人以上の全ての旅客施設(鉄軌道駅、バスター
ミナル、旅客船ターミナル及び航空旅客ターミナル)
【バリアフリー化】
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo09_hh_000056.html
【駅のホームドア設置】
http://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk6_000022.html
【2012年10月22日 花熟里】