花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「福島第一原発の放射性廃棄物処分場問題に思う」

2012年10月16日 16時25分03秒 | ちょっと気になること
福島第一原発事故で、放射性セシウムによる汚染状態が、8.000bq/kgを超える廃棄物(焼却灰、上下水汚泥、廃稲わら、他)は、「指定廃棄物」として、排出された都道府県内の廃棄物処理施設で処理し、国の責任において最終処分することになっています。 最近、国は栃木県矢板市と茨城県高萩市内にある国有地をこれら廃棄物の最終処分場候補地として発表しました。案の定、両市・両県共に政府に白紙撤回を申し入れしています。

<指定廃棄物の状況:毎日新聞:9月28日付より>
(8月3日)
 岩手県: 315  T,
★宮城県: 591 T
 福島県:31.993 T (旧警戒区域と旧計画的避難区域を除く)
 新潟県: 798 T
★群馬県: 724 T
★栃木県:4.445T(国は最終処分場候補地として矢板市内の国有地を提示)
★茨城県:1.709 T (国は最終処分場候補地として高萩市内の国有地を提示)
★千葉県:1.018 Tt
 東京都: 982 T
合計 :42.575 T
(★は最終処分場新設予定地)

放射性物質で汚染された土などは、福島県の場合は、県内の12か所(双葉町が2か所、大熊町が9か所、楢葉町が1か所)の中間貯蔵施設で貯蔵から30年以内に取り出して、福島県外の最終処分場に持っていくことが、閣議決定(2012年7月)されており、中間貯蔵施設は、2015年1月から使用開始を目指しています。

福島県では、中間貯蔵施設までで、最終処分場は県外に作ると政府が約束しています。県外の候補地として、TV等で、鹿児島県大隅半島の『南大隅町内の国有地』が出ましたが、こちらも、地元からは反発が出て、その後、マスコミ等では全くあつかわれなくなっています。単に、マスコミが報道しなくなっただけでなのでしょうか。

さて、中間貯蔵施設が使用されるまでは、放射性物質汚染土壌を「仮り置場」に一時保管することになっていますが、この「仮り置場」さえも確保できる目途がたった自治体はごく限られています。 このままでは、放射性物質汚染土壌は取敢えずの措置としての「仮り置場」が実質的に(中間)貯蔵所になってしまいそうです。 

千葉県では、太陽電池のメガソーラー建設を積極的に進めています。 今までに利用されてこなかった広い土地に太陽電池パネルが敷き詰められるのですが、パネルの下の空間は利用されることはありません。 「仮り置場」を“住民の生活圏内“から、”メガソーラーのパネルの下“に移動し、タイミングを見て「中間貯蔵所」や「最終処分場」に移すのです。 他にも仮り置き場として利用出来そうな土地はまだまだありそうです。 生活圏内にある「仮り置場」の移動に知恵を絞らなければなりません。

「最終処分場」について、環境省は「埋め立て終了後の最終処分場周辺の住民の追加被曝線量は、健康に対する影響を無視できるレベルの年0.01ミリシーベルト以下に出来る」としていますが、最終処分場候補地の首長、住民は納得していません。
 一般のゴミ焼却場でさえも住民の「迷惑施設絶対反対」というエゴ丸出しの反対運動で建設が出来ずにいます。 ましてや、放射能拒否を刷り込まれた悲しい我が日本国民です。 放射性物質に汚染された土壌などの「仮り置場」、「中間貯蔵施設」、「最終処分場」といった“迷惑施設”等には、とんでもないと言って、こぞって絶対反対の声を上げます。 これを説得するとしても、時間ばかりが過ぎてゆき、理解を得るのは多分不可能だと思います。 

政府は福島県に対して、「最終処分場は県外に建設する」と安易に約束していますが、この方針は誤っていたので、「福島原発事故由来の放射性物質で汚染された土壌等については、福島県以外の他県分も含めて、福島第一原子力発電所の隣接地に中間貯蔵し、廃炉作業が終了次第、敷地内に最終処分する」と変更することを福島県に丁寧に説明しなおすべきです。 正に、政治家の真骨頂が問われる時です。 (なお、本ブログの9月1日付け「除染による放射性物質汚染土壌の貯蔵施設に思う」では、福島県内で発生する汚染土壌の貯蔵場所について記載)
原子力発電所敷地内は、今後長期にわたって膨大な廃炉作業が行われ、多くの作業者が入りますので、廃炉作業終了までは発電所敷地内の利用は無理です。  いずれ、福島第一・第ニ原子力発電所では海岸線の護岸工事や防潮堤の工事なども着手されるでしょうから、発電所の隣接敷地に保管されている土壌もこれらの工事ですべきと思います。


【2012年10月16日 花熟里】



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