花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「 世界を騒がせ、東アジアの安全を脅かす“中華共産帝国” 」

2013年11月26日 15時41分56秒 | ちょっと気になること
強兵路線を突っ走る中国に関する国際的に注目度の高いニュースが続いています。 時系列的には、国際連合人権理事国への選出(11月12日)、スペイン全国管区裁判所による元共産党最高幹部5名への逮捕状を出したこと(11月19日)、東シナ海での防空識別権の一方的な拡張(11月23日)です。

第一に、日本など東アジアの政治にもっとも深刻な影響を及ぼす可能性のある防空識別圏設定についてです。 日本の領土・領空である尖閣諸島の上空を含む日中中間線東側の日本側空域に張り出して中国が新たに防空識別圏を設定しました。 日本へのあからさまな挑発であり、東南アジアにおけるアメリカの抑止力への挑戦です。 アメリカが直ちに抗議の声明を出しました。

『ヘーゲル国防長官は23日、深い懸念を表明する一方「中国の発表は米軍がこの地域でどのような軍事作戦をとるかに一切変更を与えない」とけん制。尖閣諸島には、米国による対日防衛義務を定めた日米安保条約第5条が適用されることを改めて強調した。アメリカ国防省は、防空識別圏内に入る航空機に、中国外務省か民用航空局への飛行計画の届け出などを義務づけ、中国側の警告に従わなければ「防御的措置」をとるとしている。日本の航空機が尖閣上空を飛行する際にも届け出を求めるとみられ、応じない場合は、中国軍機がスクランブルなどの対抗措置をとる可能性がある。」(朝日新聞:11月23日)』

シリア、アフガン、イラク対策などで手一杯のアメリカの弱腰を見透かして、中国は東アジア、東南アジア力を誇示しています。 今回の一見唐突に思われる防空識別圏拡張も、中国では練りに練った戦略だと思われ、現に中国外務省は、南シナ海、黄海でも同様の防衛識別圏設定の作業を進めていることを示唆しています。 既に台湾は民間航空機の飛行計画を中国に提出したと報じられており、日本の全日空、日航共に、中国の防衛識別圏を通過する航空機の飛行計画書を中国に提出しています。 まさに、中国の思惑通り着々と既成事実を積み重ねています。 尖閣諸島の中国の領土化を視野に、尖閣諸島の空域の管轄化を事実化しているのです。いずれ、沖縄諸島にも同様な仕掛けをしてくるのではないでしょうか。 中華帝国の再建をもくろむ習近平政権にとって、日本など赤子の手をひねるようなものでしかありません。 弱体化したとはいえ、中国と対抗しうるのはアメリカしかありません。日本はアメリカと手を携えて中国に対抗すべきです。沖縄の米軍の駐在がより一層重要な意味を持つようになります。辺野古はその手始めでしょうか。

「台湾交通部(交通省)当局者は25日、中国が23日に東シナ海上空に防空識別圏を設定したことを受け、台湾を出発後に同圏内を通過して日本や韓国などに向かう民間機の飛行計画を中国当局に通知し始めたことを明らかにした。 当局者によると、通知を始めたのは台湾の松山、桃園国際、高雄国際の各空港から出発する1日約100便の民間機の飛行計画。中国の発表を受け、23日夜から中国当局への通知を始めた。(産経新聞:11月25日)」

「中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む東シナ海上空に防空識別圏を設定したことに関し、全日本空輸と日本航空は25日、防空識別圏を通過する台湾便などの運航で、中国当局に飛行計画の提出を始めたことを明らかにした。ただ両社とも、これらの便の発着時刻などには変更はないとしている。 防空識別圏を通るのは主に台湾便や香港便で、天候などによってはバンコク便などの東南アジア路線も含まれる可能性があるという。一方、上海など中国本土への便は従来から飛行計画を中国当局に提出しているため対応に変更はない。全日空は24日、日航は23日から提出を始めている。(産経新聞:11月26日)」

日本政府は米国と密接に協力し毅然として従来どおり防空識別圏を運用することが必要ですが、反日の感情で政治・経済政策を捻じ曲げている韓国とも関係改善への絶好の環境にあります。まず、中国の防衛識別圏問題を議題に日本から韓国に外務大臣、防衛大臣の会談を提案し、安倍総理と朴槿恵大統領のトップ会談実現を目指すべきです。

<台湾>
『中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏に尖閣諸島が含まれたことについて、台湾の国防部(国防省に相当)の報道官は23日、「遺憾」の意を表明した。台湾の中央通信社が伝えた。 台湾は尖閣の領有権を主張しているが、防空識別圏は尖閣を含まない東経123度付近以西に設定しており、一部を除き日本との重複はない。(産経新聞:2013.11.24) 』

<韓国>
『韓国国防省は24日、中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏の一部が韓国の識別圏と重なっているとして遺憾の意を表明、「韓国の国益に影響を及ぼさないよう」中国と協議する方針を明らかにした。 国防省によると、中国は23日、韓国に防空識別圏の設定を通知した。聯合ニュースによると、中韓の識別圏が重なっているのは韓国南部、済州島西方の南北20キロ、東西115キロの範囲で、日中の重複部分よりは大幅に狭いという。 国防省は「中国の今回の措置が地域の緊張を高める要因となってはならず、韓国政府は域内の各国が互いに信頼を深められるよう努力する」としている。(産経新聞:2013.11.24 )』

第二に、「スペイン全国管区裁判所による元共産党最高幹部5名に逮捕状を出した」ことです。 
去る11月19日に中国の“江沢民元国家主席、李鵬元総理、喬石元全人代常務委員長、陳奎元元チベット自治区党委員書記、彭珮雲元国家人口計画生育委員会主任”の5人の元政権幹部を、80、90年代のチベットでの拷問、民族絶滅(ジェノサイド)、テロを含む大量虐殺に関与したとして逮捕状を出しました。逮捕状の出ている5名がスペイン行くことは考えられません。同国と犯罪者引き渡し条約を締結する国々に入った場合には、スペインが引渡しを要求する可能性がありますが、いずれにしても、実際の逮捕は考えられません。 スペインでは、1909年にも、法輪功学習者に対する「ジェノサイド」と「拷問罪」の疑いで江沢民・元国家主席や、法輪功迫害機関である「610弁公室」のトップだった羅幹氏、商務部長だった薄熙来氏ら5人を起訴しています。 今回はチベット民族が対象であり影響が大きく、さらに、ウイグル族など中国の少数民族の人権問題を国際社会に改めて考えさせる契機になりそうです。

「スペインの全国管区裁判所は19日、1980~90年代、チベットでの「集団殺害」容疑で中国の江沢民元国家主席、李鵬元首相ら元政権幹部5人に逮捕状を出したと発表した。 スペイン当局による捜査は困難とみられるが、江氏らは訪欧した場合、渡航先で身柄を拘束される可能性がある。 江氏らに対しては2006年、スペイン国籍を持つ亡命チベット人や支援団体が、チベットで拷問や殺害など組織的な人道犯罪を行ったとして告発していた。 スペイン司法当局は、国家指導者らの人道犯罪が当事国で裁かれない場合、第三国の法廷が管轄権を持つとの立場を取る。スペインの全国管区裁判所は刑事告発した人権団体メンバーにスペイン国籍を持つ亡命チベット人がおり、中国当局が捜査していないことを理由に逮捕状を出した。1998年には、南米チリで独裁体制を敷いたピノチェト元大統領がロンドン滞在中、スペインの犯罪者引き渡し要請に基づいて英警察に逮捕された。(読売新聞:2013年11月20日)」  

第三に、中国が11月12日の国連総会で人権理事会(47カ国)の理事国に選出されたことです。
今回は、かねてから国際人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチが、国連が任命した専門家による人権侵害調査を拒否したと非難している“中国、ロシア、サウジアラビア”など14カ国が選出されたと報じられています。(産経新聞:2013年11月13日)
中国は国連人権理事会発足時に理事に選出されていますので、今回が2回目になりますが、国連における中国の重みがますます増すことはいうまでもありません。 豊富な資金力でアフリカやアジアなど途上国への経済援助を武器に影響力を行使し、加えて、安全保障理事会における拒否権、人権理事国入りなど、国際社会ではもはや米国でさえ黙ってしまうほど力を持ってきています。 中国はチベット族やウイグル族への弾圧を国内問題として外国の干渉を拒絶していますが、国際社会が歩調を合わせて、中国の少数も民族問題を取り上げるべきです。人権理事国・中国の横暴を許してはなりません。

「国連総会は12日、人権理事会(47カ国)の理事国改選選挙を行った。改選数14カ国のうち、中国やサウジ、キューバなど、「国内の人権状況が劣悪」と国際人権団体などから非難されている国々が相次いで当選した。アジア枠(4カ国)からは中国、サウジに加え、ベトナムとモルディブが当選した。中国とベトナムは一党独裁体制下で言論弾圧などの国内統制を強め、サウジも女性の人権侵害などをめぐって国際社会から批判されている。アジア枠には当初、ヨルダンが立候補を表明していたが、今月上旬に突如、出馬を撤回したため、4カ国に対する事実上の信任投票となった。東欧枠(2カ国)からはマケドニアのほか、同性愛者の権利侵害などが批判されているロシアが事実上の“無風選挙”で当選した。北米・西欧枠(2カ国)からは英国とフランスだけが立候補し、当選した。選挙戦となった中南米枠(2カ国)からは、ラウル・カストロ独裁体制下にあるキューバがメキシコとともにウルグアイを破って当選。アフリカ枠(4カ国)からは、過去の人権侵害について人権理の調査を拒絶したアルジェリアのほか、南アフリカ、モロッコ、ナミビア-が当選した。今回の選挙結果について、国際人権団体「UNウオッチ」(本部ジュネーブ)の幹部、ヒレル・ノイヤー氏は「今日は人権擁護にとって“暗黒”の日となった。(今選挙は)政治が人権を蹂躙(じゅうりん)して構わないというメッセージを発しただけでなく、人権擁護の楯となってきた国際機構に頼る世界中の(弾圧の)犠牲者を失望させることになった」と非難した。選出された14カ国は来年1月から3年の任期で就任する。(産経新聞:2013.11.13)」

(2013年11月26日 花熟里)



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