蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

こそば亭  妙高市

2015-11-11 21:44:57 | 蕎麦
妙高在来を育て、干し、挽き、打つ店として、全国に名高い。


この日は少し迷いがあり、こちらにするかどうか決めかねていたのだが、ギリギリのところで信号を曲がり後は一目散。
出てくる蕎麦は圧倒的に旨い。




蕎麦の姿は、いつ見ても素晴らしい。
このお店の天ぷら、特に妙高で特別に育てている海老は飛び切りなのだが、あくまで動物の味を抜いたおろしも、蕎麦の味がわかりやすい。

夢中で食べているうちに、なぜかお店の中が閑散としてきた。これは、さらに居心地がよいのだが、


気がついてみれば、他にお客も無し。ギリギリ、最後のタイミングでこの日の蕎麦を食べることができた、という訳だ。
思い返すと、なんともラッキーな話である。

後楽園(2)  岡山

2015-11-10 22:36:44 | 古民家、庭園
後楽園の中の建物は戦災で大きな被害を受けたが、江戸時代の絵図を基にした復旧が行われているという。


延養亭は藩主がこの庭園を訪れた時の居間として使われた。




建物の前や脇の庭は、細かく作り込まれている。


廉池軒 18世紀後半にこの庭園の基礎的な作庭を仕上げた池田綱政が、最も好んだ亭である。


振り返れば、大運河のような波一つ立たない池の姿があった。




庭園内に設置された庭を楽しむための装置は遊び心に満ちている。
しかし、それらが全て公開されているわけではない。




かつては藩主が庭園をめぐる際の休息所として作られた流店。
緑の庭に建てられた亭の、柱の細さが格を現している。


広大な広がりのある芝生の中に建てられた休み所。
確かに、芝生からの照り返しは厳しく、夏場には休み所が必要になる。


これ程までに、水の流れの涼しさを洗練された形で演出した建物は、実に他に知らない。
この庭には曲水という、平安時代以来の要素がしっかりと加えられているとしても、それはこの庭が作庭された時代に生き生きとしていた技術ではなさそうである。

後楽園(1)  岡山

2015-11-09 21:59:20 | 古民家、庭園
非常によい状態で保存されている大名庭園の限られた一つである。




正門から、芝の庭に入れば実に広々とした風景が開ける。そのスケールの大きさは、只者ではない。
城の(岡山城の)前の中州を庭として整備すれば、大名の格としてこのスケールになるのだろう。


旭川を隔てても、この庭が岡山城の一部として作庭された意図は強く感じられる。




パンフレットには標高6メートルの築山とあったが、それが信じられないほどに存在感は大きい。








芝張りが見事な築山の唯心山へ登り景色を見渡せば、風景がガラッと変わってくるのを楽しめる。


規模の大きい庭園ではあるが、伝統によるのか曲水も作られている。

そば処 ひな乃  妙高市

2015-11-05 23:52:24 | 蕎麦
ショッピングセンターの中にある、和食ならなんでも出す感じの蕎麦屋さん。


相変わらず、お店の前には巨大ソフトクリームが鎮座する。


しかし、蕎麦は本気なのだ。
今回は鴨汁蕎麦。




蕎麦は地元の在来種を使う。それだけでも、すごい手間暇がかかっていることが分かる。
しかも、蕎麦の打ち方はピカイチ。中太に切られた、柔らかめの蕎麦が風味をきっちりと感じさせてくれる。


熱々の鴨脂の浮く汁にも負けない、蕎麦の強さがありがたかった。

せいざん  幸手市 埼玉県

2015-11-04 23:31:51 | 蕎麦
東武鉄道の幸手駅の周辺には、十割そばのお店が次々と出来ているようだ。
それでも「埼玉のうまい蕎麦64選」を信頼して、雨の中を何分も歩いた。


お店自体はちゃんとしているのだが、隠れ家風というか、お店の場所が非常に分かりにくい。


なにしろ、この先の細道を通らないとお店に行き着けない。


それでも、座敷に上がってしまえば、非常に落ち着く蕎麦屋さんである。


一番人気の天せいろを注文した。天婦羅はカリッと揚がり、それなりの量があり満足度は高い。
何より、蕎麦よりも一足先に出してくれる配慮が嬉しい。


蕎麦は十割。細打ちだが十分に香る。
お店が塩で食べることを推奨しているのも嬉しい。


何というか、蕎麦が生きている。


足守の町並み(2)  岡山

2015-11-03 22:34:17 | 古民家、庭園
足守の町は、古いものが割と多く残されているだけではなく、近代的な背の高い建物がほとんどない。それで、古い建物がより魅力的に見える。


足守藩の家老、杉原家の屋敷である。


式台式玄関が、そのまま残されている。
兜を連想させる屋根も、しっかりと残されている。


一方で、館を支える屋根は茅葺き。実に柔らかい屋根の線が武家の館とは、驚かされる。


北向きの奥座敷。京都の塔頭にも通じる庭園設備の洗練を感じさせる。
この窓に収まるように設計された植え込み、説得力がある。




庭にも、学ぶべき点は多い。


幕末の家らしく、蔵の鏝絵も技がひかる。


旧藤田千年治程。
醤油で財を成したようである。




見学可能な時間を外れてしまい、外側からのみ拝見したが、歴史の重みが選択する洗練は実にレベルがことが感じられた。