蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

天丼屋 七左ェ門  上越市

2013-12-07 22:52:09 | 日本料理
蕎麦に流派があるように、天麩羅にも衣の処理(薄めか、たっぷりか)での、そのお店の主張のようなものがある。
これは、侮れない。それを、それぞれにきっちりと認めて楽しむのが、それぞれのお店の特徴を味わうには最も適しているように思う。


しかし、世の中は広いもので更に専門化した天丼屋さんなる屋号を見つけてしまった。
このお店、海岸沿いにあるかと思えばさに有らず。しかし、日本海で上がったネタを輸送するのにかかる時間は、せいぜい30分だろう。
それでも、こちらの天丼はごくお安い値段で提供されている。コインの範囲であり、あまりのお値打ち感に恐縮してしまう。


ネタは驚くほど鮮度がよいのだが、あえて外側に衣の隔壁のようなものを作るのがこちらの流儀。
生で食すれば舌の上をするっと滑るような白身魚の食感、しかし白身魚は火を通せばほこっとした味わいは出てくるが活き活きとした食感は分からなくなる。
そこへこちらの揚げ衣が舌触り、喉触りを演出する。
結果として、身の味の凝縮した天麩羅の中身と、シャクシャク・ツルリの揚げ衣が出来上がる。


このお店、海の香りなど全くしない一面の平野の小さな集落の中にある。
みつけてから、車のスピードを落とすわずかの間が、立ち寄れるかの勝負である。