旧前田侯爵邸和館 目黒区駒場

戦前の貴族制度の中の豪邸は、多くの場合、和館と洋館が並び立つ形で建てられていた。その場合、庭の意匠をどうするかの判断が難しくなるが、旧古河邸のように洋館の目の前は西洋風バラ庭園。そこから離れれば、広大な日本庭園ということが多かったようだ。


旧前田侯爵邸もまさしくそのパターンで建築されたのだが、その頃の貴族といえども多くは江戸時代の殿様であり、和館での生活が身に親しんでいたようだ。それに対して前田侯爵は武官として英国駐在が長く、基本的な生活は洋館で、諸外国からの重要人物ののもてなしに和館を使った。




その結果なのか、床の間廻りは物々しく、盛大なショウを繰り広げる気配がある。
洋館は工事中で、見られなかったが、やはり東京に残る見応えある屋敷の一つである。