昨夜、家に帰ると三男の通う大学から成績表が送られてきていた。さっそく開封して単位履修状況を見る。まあ3回生になるということはわかったが、もう一人の息子の成績表が届いていないことに気付き、2階に上がってテレビを観ている次男に確認してみた。まだ届いていなかったが、今年は履修はうまくいったと言っているので彼も3回生になるのだろうということにした。
3回生ということはいわゆる「シューカツ」をする年になるわけだ。まあ、するかしないかは本人の自由だが、一応どうするのか聞いてみた。「さあ…わからん」。どうしようかなあ、という感じで、まだ明確なことは見えてはいないようだ。
さてそのシューカツだが、先日の「毎日新聞」は「就職内定率:今春卒業予定の大学生80.5% 低水準続く」と報じていたが、これは国公私立大62校の4770人を対象にした極わずかな調査だ。現実はもっと厳しいのではないか。それに就職しても20%~30%が短期間で辞めていくとも聞く。
ところで今、「地域労組おおさか青年部」のことを本にする作業をしている。劣悪な労働条件で働く20代~30代の若者たちに「正しくキレるユニオン」への参加を呼びかけている、とても元気のある大阪の一人加盟の労働組合だ。その組合の書記長の中嶌さんがいつも若者たちに問いかけていることがある。それは「もし、就職した企業がブラックだったらどーすんの?」ということ。残念ながら多くの人が採る道は「キレる=辞める」か、「耐える=ガマンする」のが現状だ。しかし中嶌さんたちはそこに「第3の選択肢=ユニオン」があると主張している。
因みに次男にアルバイト先がブラックだったらどうするか聞いてみた。すると、確かに中嶌さんが指摘するように、あきらめるか早く辞めて次に進むか、そのどっちかだという答えだった。おそらくこの答えは彼一人だけの答えではなく、多くの若者たちに共通する答えではないかと思うのだ。実は中嶌さん本人も若かりし頃は、「労働組合ってナニ?」という感じだったそうなのだから。
人気就職ランキングというのがある。日本を代表する会社がズラリと並んでいる。人気があるからといってランキングされている企業がブラックでないという保障はないのが今の日本経済だ。まあ、何かあると思っておいた方が良いように思う。
だから、そんな中でシューカツをする若者たち、あるいはアルバイトに向かう高校生たち、そして大学生たちにぜひとも中嶌さんたちの話を聞いて欲しいと思うのだ。別に労働組合に加入しろということではない。「まるで運試しのように」(中嶌さん)アルバイトや就職してみて、「ああ、運が悪かった、よかった」で済ますのはあまりにも人生、残念じゃないかと思う。そうならないために賢く生きる知識を身に付けないといけない。こういうことは就活本には書いてないのだから。
すでに中嶌さんは何カ所かの高校や大学でも話をしている。全国の高校や大学の先生方よ、教え子たちの将来のためにもぜひそんなことを考えてもらえたらうれしいですね。