ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

『MASTERキートン』

2009-03-07 | マンガ
このマンガのファンは キートニアと言うらしい(→MASTERキートン復刊運動

(浦沢直樹、ビッグコミックス、小学館 全18巻)

1988年から1994年にかけて「ビッグコミックオリジナル」に連載された。

アニメにもなったらしい。



浦沢直樹氏は 『YAWARA!』や『MONSTER』、
『PLUTO』などで有名なマンガ家。

最近では『20世紀少年』で話題になっている。

連載マンガは 連載中に 1、2度 読み飛ばすと
ストーリーがつかめなくなってしまうものだが、
『MASTERキートン』は
この作者のマンガのワリには、一話完結型で 読みやすかった。













亭主の友人、○山さんという人にはお会いしたことがある。

最初は もう何年も前、たまたまお会いして
ほとんど言葉も交わさなかった。

2度目は、○山氏が 我が家に来てくださった。

その時、廊下の書棚にずらりと並んだマンガをご覧になって、
感心なさっていた。

ウソは良くないし、どうせバレバレだから、
子ども達でのはなく、親の趣味です、
(子ども達のマンガは、もちろん、廊下ではなくそれぞれの部屋にある)
とお話したら、感激なさった。

「○○さんが、マンガを読むんですか!」と。

それほど亭主と親しい間柄ではなかったらしい。。。

それから、○山さん、貴方の方こそ、
マンガをお読みになるタイプには見えませんから。。。






先日 亭主が出かけた時には
お会いすることが お互いにわかっていたらしい。

○山氏は なんと
この『MASTERキートン』全18巻を
小ぶりの段ボール箱に入れて わざわざ持って来て、
亭主に渡したのだという。

「読んでください」と。

そして、読み終わったら、返してほしいと(笑)。

そ・・・そんなに価値あるマンガなのか?(汗)













主人公の平賀・キートン・太一は 日英ハーフの、一応、考古学者。

大学で 考古学の非常勤講師の職を得たり 
クビになったり、の繰り返しをしている。

副業として ロイズの保険調査員をしていて忙しい。

且つ、とても危険!

冴えない風采だが
元・英国特殊空挺部隊のサバイバル教官で
素晴らしい能力を発揮する。

保険の調査で サバイバル能力や 考古学の知識などが
無理なく発揮されており、

事件そのものも ちょっといい話や しんみりする話に持っていくので
陰惨・悲惨な話も読みやすくなっている。







気の早いユリは もう芽が出ている。 まだ鳥に食べられていない。






彼は ロマンチストでもある。

(考古学者はみんなそうなのか?)

犬が死んでしまって泣きじゃくる少女に

「人類に文明をもたらしたものは何だと思う?」と問う。

「農耕と牧畜。」

と少女は答える。

教科書にあった答えだ。

キートンは

「ところがそうじゃないんだ。

 答えは犬さ。」(第15巻 p42)



犬は 家畜や畑の番をし、狩を手伝い、ソリを引いた。

犬がいるから、人類は 初めて
獣に襲われる心配もなく 安心して眠れるようになった。

5千年ほど昔、
人類が犬を飼うようになって初めて
我々は 文明を持つだけの余裕が生まれた。



なるほど、そうかも?(笑)

(参考になるかな?
 『MASTERキートン』の話って本当なの?













彼は ‘ドナウ=ヨーロッパ文明説(「西欧文明ドナウ起源論」)’
を信じている。

ドナウ河流域に眠る ヨーロッパ文明の源を発掘する夢を持っている。

(どうやら、その遺跡は ルーマニア近辺の村に眠っているらしい。)



その説の提唱者である、彼の考古学の恩師の言葉がいい。

繰り返し出てくる言葉で、

「人間は どんな所でも 学ぶことができる。

 知りたいという心さえあれは。」

というものだ。



いいなあ。

私も、興味・関心が ひとつ所に集中していれば
今からでも 論文のひとつも書けるようになれるだろうに。。。?

そういう性格じゃないから、論文は無理だが、
いろんな、雑多なことに、
これからも、いつも興味を持っていたい。






このマンガは 少なくとも、○山氏や 
‘『MASRWEキートン』復活運動’に署名している人たちにとっては、
大事な本のようだから、
大事に読んで お返ししなくては。。。

(その割には、食べ物のカスが、
 チョイチョイと はさまってたけどね。)




6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『MASTERキートン』 (scops)
2009-03-07 23:28:44
私も「ビッグコミックオリジナル」の中でも好きなマンガでした。もうそんなに前になりますか・・・。
漫画家も相当勉強しないといけないですねえ。
『MONSTER』も大作でしたね。
返信する
今となっては かなり古いマンガですね (ジョルジュ)
2009-03-08 10:48:23
『MONSTER』も『PRUTO』も 途中が抜けて 「???」になってしまったマンガです。
毎回購読してればもっと楽しめるのに。。。

考古学や歴史学って、ちょっとした知識があると 
日常を 時として すごくエキサイティングに楽しむことができるツールだと思いませんか?
少なくとも、私は読んでいて とても楽しめました。
ケルトとかゲールとか ヨーロッパの民族の歴史も 興味深いです。
でも 専門書は たとえ新書でも読む気はしないですよね?!
マンガは、良いです!(笑)
返信する
同じオリジナルで連載のあった (scops)
2009-03-08 22:32:09
「イリヤッド」というアトランティスの探索とそれに関わる暗殺教団との攻防を描いた魚戸おさむ・画の歴史物もおもしろかったです。
調べてみると、やはり作者がいるんですね。この「イリヤッド」と浦沢直樹氏の「PLUTO]や「20世紀少年」も長崎尚志氏という同じ人の作品でした。

『MASTERキートン』の作者の菅伸吉という人も、勝鹿北星・きむらはじめなどいろんなペンネームを使って、「ゴルゴ13」「なんか妖かい!?」などの作品を残しています。

長崎氏も東周斎雅楽やリチャード・ウーなどたくさんのペンネームで作品を出しています。ペンネームを変えるっていうことは作風も変えるのでしょうから、その創作の才能はすごいですねえ。

作者と漫画家とのお互いの表現力がせめぎあって、ひとつになってこそおもしろい作品が生まれるのでしょうから、今度大作を読むときは、そんなことも気にしながら読もうかなどと思っています。
返信する
ああ、それ!イリヤッド!(笑) (ジョルジュ)
2009-03-09 23:27:59
それも好きでした(笑)。
でも やっぱり キチンと続けては読めませんでした。

実は 亭主は B○○K ○FFで立ち読みをするのが不得意で、それでたくさん買って来てくれるんです(苦笑)。
店頭で これはどうかな?と 手に取る時の指標のひとつに、原作者が別に居る、というのがあるんですって。
原作がシッカリしていれば 多少、絵が気に入らなくても、絶対に面白い!

『MASTERキートン』に関しては 勝鹿北星氏の原作はあまり使われていない、という主張があるらしいので 記事の中には入れませんでした。
原作と作画とが 見事に融和した作品は やはり思い入れも深く強くなって 感動も大きいように思います。
マンガと言えども 深い感動は起きますよね。
返信する
キートニアですw (ステイゴ)
2009-03-16 20:49:57
ご無沙汰です。

確かに私はキートニアです。
今一生懸命、古本で集めてますよ。
昔は潤沢にあったのですが。。。

アニメもみてみてください、声優さんがしっくりきます。

浦沢さんの漫画はとても魅力的で、読み続けていきたいと
思っています。
一部では、話が長いとかいわれてますがw
返信する
キートニア出現! (ジョルジュ)
2009-03-16 22:22:44
ステイゴさん、お久しぶりです。キートニアでらっしゃいましたか!
確かに アニメでもよさそうな 落ち着いた感じのマンガです。
古本でも なかなか手に入らなくなっているのに 再販?復刊? されなくて マニアには羨ましい借り物かもしれませんね。

浦沢氏のマンガは 男の子も女の子もオジサン・オバサン、あるいは年寄りも 顔がいいです! すごくいいです!
出来たら全巻揃えてから 読み始めたいものです(笑)。
返信する

コメントを投稿