ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

「じっと見る~~印象派から現代まで」

2007-06-23 | なんでもないこと
都内へ行く予定だった亭主の出張が
前の晩にキャンセルになった。

じゃあ、明日、あなた、家に居るんだ!

じゃあ、ワタシ、明日、遊びに行っちゃおうっかな~。

「どこへ?」

「ブリヂストン美術館(ブリジストンじゃないよ)。」

「何を見に?」

「マリー・ローランサン。」




地下鉄の恵比寿駅に この絵のポスターが貼ってあって、
いっつも気になってたんだ~。





亭主は無言で不服そう。

でも、無言ってことは、承服、ってことよね(爆)。

だって、ね。

上野のダ・ビンチだって見に行けなかったし、
それから・・・。



というわけで、木曜日、行ってきた。

ブリヂストン美術館(→コチラ)。

東京駅、八重洲中央口から 八重洲通りをまっすぐ、
昭和通方向へ 徒歩5分。

ブリヂストン本社にある。

迷子になれそうにない場所を
前夜 地図で確認(笑)。



実際、駅の外に出てみると 本社ビルなんて見えやしない。

いや、待てよ、確か ゆうべ見た地図に
「ヤンマービル」って、あったよな。

「ヤンボウ・マーボウの天気予報」の本社ビルかな?と思って見てたんだ。

間違いない、ヤンマーを真っ直ぐだ(笑)。




中央区 中央通りの交差点で 勇気を出して撮影(笑)






お目当て、マリー・ローランサンの絵の絵葉書。

小学生の頃
姉が読んでいた雑誌の表紙に使われていた。

小さい頃の私は
ある種 不気味さを感じていた。

その頃は
単純で明るい絵が好きだった。

でも 何故か 心魅かれていた。



同じように 小さい頃に見た本の挿絵で
東郷青児(→こんな感じ)の絵がある。

(東郷青児美術館にも行ったことがある。
 ゴッホの「ひまわり」は やはり素敵だった。
 あそこは 会社の名前、ビルの名前が変わったよね。)

不気味さを感じて 好きじゃないのに、
何故か 心魅かれた。

(特に、あまりに長すぎる手の小指!)

そして 今では どちらも大好き。



大好きなコローの絵もあり、


それから モネの「睡蓮」も2枚。

モネは 睡蓮を題材にした絵を いくつも描いている。

上野の西洋美術館にもある。

今まで 何枚も見てきた「睡蓮」に
光を感じさせない
(つまり 惹き込まれそうな魅力を感じさせない)
絵があるとは思わなかった。



これは、素敵な、素敵な、「睡蓮の池」。

朝焼けか。

夕焼けか。

美しい。



私がよく行っていた絵の展覧会は
絵がかけられた壁の手前に手すりがあって
人と絵とを隔てたいた。

この美術館では 
「これ以上絵に近づかないで欲しい」というラインは
床の材質の切り替えにあり、

木質の床の部分には 入り込まないように、と 札がある。

それでさえ ぐぐっと壁に近い。

彫刻や 壷や レリーフに 触ろうと思えば 触れてしまう。

ドキドキする!



一応、床の切り替え部分に立って
上半身をぐぐっと絵に近づけて 
顔がくっつきそうにして 詳細を見る。

少し下がってみる。

もう一度 近づいて見る。

今度は 部屋の後ろの方まで下がって 離れた所から見る。

近づいたり、離れたり。

空いているので こうして見ている人は 他にもいる。

だから その人とぶつからないようにしながら
絵に近づいたり離れたり。

中央の椅子に腰掛けて眺めたり。

存分に鑑賞した。

堪能した。





この絵はを書いたのは
ザオ・ウーキー(ZAO Wou-ki、1921~)と言う人。

知らない名前だったが
今回見ることができた3枚とも とてもステキだった。




ブリヂストン美術館は 去年
創設50周年を迎えたのだそうだ。

50年といえば、半世紀!

バブルの時代があったことは
ある意味では幸運なことだった。

そして こうして バブルがはじけた今でも
身近に見ることができるということは
とても幸運なことだ。



身近に絵を見て 興奮して
幸運にも興奮して

日本人による油絵黎明期の秀作や
エジプトの彫刻や
それはもう 山ほどの いろんな ステキなものを
まるで自分の書斎に持っている気分、

エライ人になった気分で
美術館を後にした。



美術品は 実際にその目で見るべきもの。

(時として 触ってみるもの、使ってみるもの。

 でも 美術館では いくら簡単に触れても触らないでね。)

「じっと見る~~印象派から現代まで」は
7月16日まで。

ゆとりのある方、是非どうぞ。

新丸ビルは 駅の反対側。

両方いかが?