ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

火石

2007-06-08 | なんとなく民俗学?
これは、化石。

断面に シダ植物らしき黒ずんだカタチが・・・見える?

私の手の 人差し指の方に。







これは 亭主がもらってきたもの。

この春 目出度く任期満了して
止めてしまった「請け負い仕事・その2」では
月に1、2度の 近場への出張があった。

近くても 行ったことのない場所というのは多いもの。

その 今まで行ったことのなかった 近場には
化石がゴロゴロしているという河があり、

案内してくれた人によると
やってきた人は皆
ハンマーで 拾った石を叩き割る。

そうすると いろいろな形の植物(まれに動物?)の化石が
石の割れた断面に張り付いているのだという。

ちょっと 細い線で囲ってみたけど、
見える?

左下。

シダよ。










これは いつもご覧いただいている 我が家の表の 私の草花のスペース。

咲いているのは 3年くらい前の こぼれ種のアリッサム、
うっすらオレンジ色だったのが もっと薄くなっている。

うまい具合に 石の間からこぼれるように咲いてくれている。



この石は 一抱えもある、大きな石。

でも 私でも持てる。

この石を 「火石(かせき)」と 当地では呼んでいる。

私はずっと 「化石」かと思っていた。





これは 火山の爆発によって噴出した 
溶岩流というか火砕流というか、
それが冷え固まったもの。

だから 水には沈むけれど 軽いのだ。

川原に行くと 小さいものがいっぱいある。

最近は 川原に遊びに行くこともなくなってしまったが
子どもを連れて行って
水に浮く軽石をみつけたこともある。





火石のいいところは、
成型したものではないから 形が自然であること、

しかも軽いから 扱いがいいこと。

私でも 持ち上げることができる。

いや、もちろん、
こんなふうに 表に石を並べてくれたのは 
土建屋さんだけど。




これが、昔噴火したという、浅間山。


2005年1月4日に使った画像。

浅間山は この写真の撮影前後に 1、2度 噴火して
噴煙を上げていたので
ああ、あれが浅間山なんだ!(やっぱり!)と 
やっとわかった(苦笑)。

天明の大噴火では 溶岩流が発生した、とのことなので(→参考
(鬼押出しを形成した大噴火らしい)
この火石は その時のものだろうと聞いた。



それ以降 当地の人は どうしたか?というと

川原で火石をひろっては
庭石にしてきたらしい(笑)。

素人でも持ち上げて運べるし
奇岩怪石? いろいろな大きさ・形に冷え固まった溶岩を比べては
いいと思うものを拾って 庭を飾ったそうだ。



それから これは 土建屋の社長に聞いた話。

家を建てる時には
柱の下の基礎の部分には 穴を掘って
小さめの火石を敷き詰めた。

火石は 表面がざらざらして 滑りにくいので
これによって 土台をしっかり支えることができたという。

昔の人の智恵ですね、と 社長は言っていた。



噴火したのが昔だったから、

そして 噴火が度々あったから、

そしてそれから長いこと
川原には火石が無尽蔵かと思われるほどあったから、

火石を用いた仕事が(ある程度)発達したものと思われる。

何物も無駄にはしない人の知恵に、脱帽。



ちなみに、今でも川原にいけば 
小さいけれど 火石を拾うことができる。

特に 雨の後だと、
火石は水分を含んで黒々としているので
容易に見分けることができる。