ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

『青春と読書』

2004-09-08 | 読書
『青春と読書』という、集英社の PR 誌が あります。

PR 誌というのは、高橋三千綱氏によると、
「未来の読者に向けて、この本を推薦しますとアピールしているわけである。そこでは露骨に広告をうたれるわけではなく、エッセイふうに味付けをされている。だから定価九十円で売られている。」(『青春と読書』2004年9月号 p2)

この90円が もったいなくて、なかなか買えない。

出版社のPR 誌には
岩波書店の『図書』、創文社の『創文』、
東京大学出版会の『UP』、吉川弘文館の『本郷』、
講談社の『イン・ポケット』などなど 多数あり、
これが なかなか あなどれない。
学術論文として扱ってもらえるものあり、
連載をまとめて出版し、ベストセラーになるものあり、なのです。
私は以前 『イン・ポケット』を 定期購読していましたが、
読み応えたっぷりでした。

この『青春と読書』、行きつけの書店では、
カウンターの上、『これから出る本』のとなりあたりに 
平積みにされ、
「ご自由にお持ちください」状態になっているんです。

ある日、
手にとって パラパラとめくると、
『がんばらない』で有名になった
鎌田實氏の『あきらめない』が連載されていたので、
思いきって 
「これ、いただいていいんですか?」と聞くと、あっさり、店員が
「どーぞー」。
それ以来、
なるべくもらってきて、お風呂で読みます。

「本誌定期購読のご案内」なんてページが あるんだから、
カウンターに積んで、勝手に持って行っていいのか、
とも思うのですが、
結局、「あ、この本、面白そう。」と思った本は、
どこかの書店で出合うと 購入する事が多いので
(特に、文庫本)、
まんまと 出版社の罠に 引っかかっている私です。

最近では、
多田富雄・柳澤桂子両氏の往復書簡とか、
木田元氏の『新人生論ノート』、
あと 『救命センターからの手紙』の著者、
浜辺祐一氏の『救命センターからの手紙Ⅱ』などを
楽しみにしていました。


ところで昨日は、
早朝 治療のハシゴに出かけ、
早めの時間に 治療を終わらせて、
東京都現代美術館に行ってきました。
「花と緑の物語展」を見たかったのです。
地下鉄半蔵門線に乗った記憶も、
清澄白河駅で 降りた記憶もないので、
初めて行った美術館かもしれません。
駅も 美術館も とてもきれいでした。

途中 風の中で 雨が降ってきて、
入るのをためらいましたが、
行ってよかった。

展示の切り口も、上野公園専門の私には
とても新鮮だったし、
なにしろ 出展されている作品の ひとつひとつが
なかなかで、
私の大好きな コローの絵もあり、
帰りの時間を気にしつつ、
興奮して見てきました。

帰り道に お稲荷さんがありました。
一度 通り過ぎたのですが、
「子育て稲荷」と書いてあるので 気になって、
ちょっと後戻りして お参りして来ました。
「子」と呼ぶには ちょっと大きいけど、
ウチの高校生の ドラ息子、
生まれる前から おとなしく、
生まれた時から 手のかからない、
可愛い、いい子だったんですが、
ちかごろ、どうも・・・。
「素直な、よい子になりますように。」


そうして、夜。
疲れた体を
(何のために 治療に行ったか? 聞かないで。)
湯船に沈めて、
これも お気に入りの連載、
津本陽氏の 『月とよしきり』を読む。

平手造酒が 悪旗本を切るために、新助とともに 
日暮れに 外へ出て、
「霊巌寺と 本誓寺という 二つの寺にはさまれた道を
 西に折れ・・・・・・」(同p72)

おや?
お寺の名前に 見覚えが・・・。
すると、造酒が泊めてもらっていた親分については、
「深川一帯を縄張りとする大親分」と、書いてある。

あのお稲荷さんの入り口には、
「深川稲荷」と 提灯に書いてあった気がする。
では、霊巌寺、本誓寺というのは、
私が途中 前を通ってきた、あのお寺だあ!

ひとり、湯船の中、興奮してしまったので、
ぜひともここで ご報告したくて。

「お寺」、やっぱりちょっと、気になるんですね、私。