心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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母の好きな紫陽花を

2018年05月13日 | 母のこと
母は紫陽花が好き。だからわたしも叔母も紫陽花をプレゼントすることが多い。叔母はずっと何年も紫陽花を送ってくれたそうだ。その送ってくれた鉢植えの紫陽花を庭に植え替えて、ずいぶん大きく育ててきた。
わたしが母の好みを知ったのは、ほんの14年ぐらい前のこと。それまでは母が紫陽花好きだなんて知る由もなかった。
というのも、実家にわたしが頻繁に顔を出すようになったのは、このアパートに住む14年ほど前から。それまでは事情があって疎遠になっていた。一人暮らし、それも療養の身となってからの話だ。

その頃は父もまだ健在(とも言えないが)で、二人共わたしの病後をいたく心配したようだ。そんな心配をかけてしまった娘がこのわたしだ。子どもというのは親の気持ちを慮るのはかなり遅い気がする。若い頃は子育てや仕事に夢中で、親が自分のことをどんなに心配しているか、なんて考えたこともなかった。そして親は何かあったら手助けしてもらう存在だとばかりに、幼い我が子たちの面倒を任せたり。1ヶ月ぐらい頼んだこともあったなあ。
なぜ頼んだのかはまだまだここでは語れない。が、その当時のことを振り返り、母がときどきあの頃の孫の様子を語る時がある。それは大変だったけど、楽しかったんだよ、という口調だ。

楽しかった、と言われると、なんだか重しが軽くなっていく。自分が都合の良い時だけ親を頼みにしてきたという気持ちがあるからだ。

そんな昔話はさておいて、母が紫陽花を好きだということを知ったわたしは、何度か変わった紫陽花をプレゼントしてきた。今回も買うつもりで入ったわけじゃないけど、ホームセンターの入り口付近に特別コーナーとして紫陽花の鉢が並んでいたのが目に入った。見事なピンクでまん丸のや、群青色のや、薄い紫のや、様々な紫陽花がここぞとばかりに並んでいた。
わたしはそれらを眺めながら、どれが母のお気に召す紫陽花だろうかと思案した。

母は派手なことを嫌う。かといって平凡なものも嫌だろう。
ということで、ど派手ピンクまん丸は退けた。群青のもいい色だなと思ったけど、はかなげな色の方が好きそうだ。
決定したのが冒頭の紫陽花。品種改良なので地植えは無理かもしれませんと言われたけど。仕方がないね。

持ち帰って早速「早いけど母の日のプレゼントだよ」と玄関に置いた。
ちょうど母と叔母が玄関先で庭仕事について話しているところだった。
「綺麗な色だね~」
母の顔がぱあっと輝いた。

数日前のそのときの母の顔を今思い出している。
今日は母の日。
これから先ずっとこうして母の笑顔が消えないでいてほしい・・・