ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

喜久屋本店 @名古屋市港区・築地口 (※閉店)

2018年08月01日 | 名古屋(港区・南区・緑区)

自分がチョイスをミスってかなり待たされた挙句、お腹も満足とまではいかなかった中華料理店に行った際に、どうにも気になった店があった。はす向かいにある年季の入った麺類食堂「喜久屋本店」。どうしようか迷って先の店に入ったのだが、普段なかなか来ない場所だし、ご飯物を何かお腹に入れてもいいかなと思い切ってこちらの暖簾もくぐってみた。土間が奥に続く古いタイプの店内には小上がり席が2つとテーブル席が4つ。先客はおらずひっそりと静まり返っていて、女将さんと思しき老齢の方が奥にいらっしゃる。壁に掛かった品書きに「そばきし」があったので、そばにきしめんのつゆなのか、きしめんにそばのつゆなのか気になって方針変更。麺続きだが注文してみた。

自分 「そばきし下さい。」

女将 「…。」

 …どうもお耳が遠くていらっしゃるようだ。

自分 「(大きい声で)そばきし下さいっ。」 と、ここで女将さんが自分に気づき、

女将 「いらっしゃいませ。」

自分 「そばきし下さいっ。」

女将 「…はぁ?」

自分 「そ・ば・き・し。」

女将 「…そばはないよ。」

自分 「…(えーっ?何じゃそりゃ…)。」

 仕方がないので、結局方針を元に戻してご飯物の中から「志の田丼」を選ぶ。

自分 「じゃ、志の田丼下さいっ。」

女将 「はぁ?」

自分 「し・の・だ・どん・下さいっ。」

女将 「味噌ラーメン?」

オイオーイッ、志村けんの”ひとみばあさん”のコントか(苦笑)(※脚色ありません)。結局席を立って品書きの下に行き、品書きを指差してやっと「志の田丼」を注文したのだった(しかも後から品書きを見たら「味噌ラーメン」なんて無いし・笑)。御御足(おみあし)も悪いようでゆっくりとゆっくりと調理場に消えていく女将さん。奥からは水の流れる音が聞こえてくるのみで調理らしき音は聞こえてこない。それでもマジックのように「志の田丼」が完成し、ゆっくりとゆっくりと運ばれた。

中部地方の麺類食堂では標準といっても過言ではなかった「志の田丼」も、麺類食堂の減少と共にだんだん品書きから消えていっている絶滅危惧メニュー。”しのだ”とあるように”揚げ”がメインの丼ぶりだ。こちらの「志の田丼」はつゆで煮込まれた揚げと、ピンク色の縁のカマボコ、それに長ネギというシンプルでいて標準的なもの。下のごはんがのぞいてしまうくらい具の盛りは少なめ。つゆは丼ぶりの下に溜まるほどたっぷり。味はなかなかで、濃いめの色をしたつゆも甘過ぎず、添えられたたくあんを挟みながら美味しくいただいた。そしてまた大声を出してお勘定してもらったのだった…。あぁ、面白かった。どうぞお元気で。(勘定は¥500)

 


 

↓ 中川運河と山崎川(堀川)を結ぶ運河に架けられた「名古屋港跳上橋(旧1・2号地間運河可動橋)」(昭和2年・1927・建造)。現在線路は廃線となり可動はしていないので開いたまま。

 

↓ 「港橋」(昭和11年・1936・建造、再建)。現在運河は埋め立てられて橋としての役目を終えて橋脚も無いが、親柱と欄干は整備され広場に残されている。

 

 


 

喜久屋本店

愛知県名古屋市港区名港1-19-13

 

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