ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー / イエロー・マジック・オーケストラ

2016年04月30日 | テクノ・デジタル・ダンス

Solid State Survivor / Yellow Magic Orchestra (1979)

小学生の時にハマってから、はや40年近くか。それまで歌謡曲か、長姉・長兄の持っている欧米のハードロックやポップスのレコード盤止まりだった自分が、自分のお金を出してLPを収集するようになったのはRCサクセションとイエロー・マジック・オーケストラ(Yellow Magic Orchestra, YMO)あたりからだったと思う(実際に最初に買ったのはテレビドラマ「熱中時代」のサントラだったが・笑)。その頃の小学生なんかお金持っている訳はないから、お年玉なんかを掻き集めて思い切って購入したのだろう。YMOはこのアルバムの前にファーストがあったが、それを買ったのはずいぶんと後の話で、最初がコレだったはずだ。

もうその頃から雑誌「宝島」や「ビックリハウス」などのいわゆるサブ・カルチャー系の雑誌や、薄っぺらい頃の「ロッキング・オン」に目を通していたので、すぐに「ザ・ベストテン」を卒業し、少年はこっちの世界に足を踏み入れた。週刊漫画雑誌・少年チャンピオンの「マカロニほうれん荘」や、少年ジャンプの「すすめ!パイレーツ」には、それぞれの作者好みのハードロック・バンドやニューウェーヴ・バンドが多数登場していたので、そんなものとリンクして(歌謡曲でない)音楽の世界にどっぷりになっていくのだった。

中でも前述の2つのバンドは、親世代はもちろん、鼻タレの小学生にとっても衝撃で、外タレに負けない存在感があった。それらを聴いている自分は他の小学生と違うと思っていたし(同級生の嫁によると実際違っていたらしいが…笑)、聖子ちゃんやたのきんトリオなんか聴いていられないとイキがっていたはず。テクノ・ポップはすぐに巷でもブームとなり、NHKにヒカシューが出演したり、歌謡曲もそれっぽい曲が席巻した(実際にYMOのメンバーや周辺が関与していたなんて知ったのはずっと後)。YMOはオリエンタルな香りがたっぷりのポップな旋律、リズムをマシーンに同期させる生演奏、(当時は)無口なメンバーの奇抜なファッションと態度は何だかかっこよかったし、日本人離れしたセンスと「最先端」を感じさせてくれた。

アナログ・レコードで揃っていて、YMOのCDは編集盤やボックス・セットばかりだったが、安値で刺さっていたのでつい購入してしまった。これは悪名高きアルファ・レコードでなく、ソニーに移ってから発売されたもの。いま聴いてもかっこいいし、アルバム通して聴くのは久しぶりなので新鮮。”時代の音”だったテクノ・ポップの音を今聴いても古臭く感じないというのはすごい事だと思う。なんせ当時のシンセサイザーなんてステージの上でタンスが連なっているくらいデカく、コードの付いたプラグ端子が無数に刺さっているという代物なのだ。再結成の「テクノドン」や、ちょっと前にメンバーが再結成してロンドンかどっかでライヴ演奏した音を聴いた時のアレンジの方が何だか古臭く感じたくらい。こうして聴くと、ヒットした有名曲はもちろんだが、他のアルバム構成曲のセンスというかクオリティーが凄いことに気付く。

ブックオフにて購入(¥280) 

  • CD (2003/1/22)
  • Disc : 1
  • Label : ソニー・ミュージックハウス

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2 コメント

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マカロニほうれん荘 (ぷろべんざ)
2016-04-30 08:54:30
あれは革命的な漫画でした。キッスもパンクロックもブライアン・フェリーも、その存在をあの漫画で知りました。

>それらを聴いている自分は他の小学生と違うと思っていたし

そりゃあ、そんな小学生、全国レベルで探したって数名程度しかいなかったと思いますよ。(笑)
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Unknown (ハリー)
2016-04-30 10:52:45
ぷろべんざさん、こんにちは。

>あれは革命的な漫画でした

いやぁ、ホントですね。作者の絵が初期から急激に進化して、緻密濃密な漫画になり、
それがどんどん荒れていって最後はサインペンで殴り書きしたような絵になっていった
のも衝撃でした。

>そんな小学生

いやいや、自分の居たド田舎では変わっていましたが、結構いらっしゃるはずですよ。
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