ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

末廣軒 @大阪市中央区・日本橋

2015年09月24日 | 大阪府

大阪は日本橋(「にほんばし」でなく、「にっぽんばし」)の黒門市場を歩いてみる。ここを歩くのは15年ぶり位になる。こちらも大阪の他の場所と同じく外国人旅行者が大挙して押し寄せていて、通りは買い喰いをする人達で溢れている。買い喰いを想定している飲食物だけならまだしも、スーパーで買ったパックや刺身類まで通りで広げているから、カオス。これでは日本人客の足が遠のくのでは…。こちらでの目的地は創業が明治30年(1897)という「末廣軒」。煉瓦色の壁をしたこじんまりとした建物だ。暖簾をくぐって店に入ると、間口は狭く、クロスが掛かったテーブル席のみの小さな店。左側が厨房になっている。席に座って品書きを眺める。基本的に洋食メニューはどれも全部好きなので迷う、迷う。その中から選んだのは「ハイシライス」(=ハヤシライス)。さっそく主人と息子さん(かな?)による調理が始まった。

店の中にはなぜか旧日本軍や自衛隊関係の書籍がたくさん置いてある。たまたま置いてあった某料理雑誌を手に取ると、まさにこの店がカツサンドの特集記事に掲載されていた。その記事によるとこの店の2代目が連合艦隊司令長官・山本五十六の料理人だったんだとか(未確認)。それでミリタリー関係の本が多いのかな。それにしても、もうハイシライスを注文してしまったが、特集記事のカツサンドに心惹かれるなァ…。

しばらくしてハイシライスが運ばれた。楕円形の白い器に盛られたハイシライスには卵黄が落とされている。デミグラスソースはやや甘めの濃いめ。深みがあって旨い。調理の音からも想像していたが、ソースの中にはその場で炒めた玉ねぎも入っており、食感も楽しめる。つけ合わせは別の容器にらっきょうと福神漬が入れられている。少しかために炊かれたライスとデミの相性も良く、途中で卵黄を崩してまろやかさを増したソースと一緒に口に入れると至福の時。旨かった。この店の暖簾には「ビフテキの」と入れられている。後から入ってきた家族連れが頼んだステーキのコースがちょっと羨ましかった。あれもこれもと色々未練を残しつつ退散。(勘定は¥800)

大阪近代建築散歩その8 (その1その2その3その4その5その6その7)。

 ↓ 交差点に建つ、ものすごい存在感の「生駒ビルヂング(生駒時計店)」(昭和5年・1930・建造)。丸窓や、窓から見下ろす鷹の像など見どころがいっぱい。屋上には時計塔も。※登録有形文化財

 

 

 

 ↓ 日本綿業倶楽部の「綿業会館」(昭和6年・1931・建造)※重要文化財。外観はシックで 大人しいが、内部の意匠は凝っているらしい。一度見てみたいな(内部見学は月に一度のみ)。

 

 ↓ 吊り庇のデザインがかっこいい「清水猛商店」(大正13年・1923・建造)。家具と室内装飾の店で、こう見えて実は木造3階建てなのだそうだ。

 ↓「岸本瓦町邸」(昭和6年・1931・建造)。登録有形文化財に指定されているが、補修され、外観が綺麗な事もあって建物の前に立っても実感が湧かず。中がすごいんだとか。

 

末廣軒

大阪府大阪市中央区日本橋1-22-29

( 日本橋 黒門市場 すえひろけん 末広軒 ハヤシライス カツサンド ビフテキ 山本五十六 )

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