ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

北極星 @大阪市中央区・心斎橋

2015年08月14日 | 大阪府

オムライス好きにとって、東の「煉瓦亭」、西の「北極星」はどうしても行かねばならない両巨頭。どちらもオムライス発祥の店を標榜するが、玉子がライスに混ざった状態の煉瓦亭に対して、こちら心斎橋にある北極星は、現在みんながイメージするオムライス(玉子でライスを包んだタイプ)を提供する。創業は大正11年(1922)。現在の本店は昭和25年に建てられたという数寄屋造り。過去には大きいビルだった時代もあるようだ。当初は「パンヤの食堂」という屋号だったんだとか。白い暖簾がかかる入口から中に入り、木札が鍵になったロッカーに靴を預けて店に上がる。案内されたのは入れ込みの座敷。中庭が見える風情たっぷりの造りで、素晴しい佇まい。座布団に腰を下ろし、メニューをひろげる。さすが人気店とあって座敷はたくさんの客で溢れていた。外国人観光客もたくさん。今回の大阪滞在ではどこに行っても、どんな店に入っても大勢の大陸の人達が闊歩していた。概ね問題は無いのだが、料理のみならず、店内の様子を撮ろうと、こちらにもカメラを向けて平気でシャッターを押すので気分が悪い(ま、最近は日本人でもこういう輩が居るのが情けないが…)。一応メニューを眺めたのだが、もちろん基本の「チキンオムライス」を、可愛らしいお揃いのベレー帽を被った給仕の女性に注文。

しばらくして運ばれたオムライスは、黒く丸い平皿にのせられて出てきた。綺麗な紡錘形で、玉子の色も美しく、脇には甘酢生姜が添えられている。かかっているのはケチャップではなくトマトソースで、量はやや多め。さっそくスプーンを手に持ち、食べ始める。トロっとした食感の玉子が下までしっかりチキンライスを包んでいて理想的な出来上がり。チキンライスはしっとりとしているが、口に運ぶとパラパラにほどける。旨い。さすが。トマトソースは独特の風味で、酸味はもちろん甘さもあり、玉子とよく合っている。甘酢生姜だけは慣れないからか何だか不思議な感じだったが、スプーンが止まらず、食べ終わるのが惜しい。次の予定がなかったらお代わりしてもいいくらい。伝票を持って立ち上り、帳場で勘定をしてもらうと、レジ脇に「関西限定・オムライス好きのケチャップ」なるものがあって、つい購入してしまった。(勘定は¥1,280+ケチャップ¥500)

購入したケチャップは、店で出たものと同じではないと思うが、オムライスにかかっていたトマトソースのような酸味と甘みが感じられるもので、朝食の玉子にかけて食べたりしている。もちろん製造はこの店ではなく、長野県の「ナガノトマト」という会社。北極星は総料理長が監修という形で関わったもののようです。

 

 

↓ 綺麗に改装された「Kross Kuno 1919(旧・久野産業株式会社)」(大正8年・1919・建造)と、どっしりとした重厚な雰囲気の「堺筋倶楽部(旧・川崎貯蓄銀行大阪支店)」(昭和6年・1931・建造)。

 

↓ 灯りがついた夕暮れの雰囲気が何とも言えず素晴しい「大阪農林会館(旧・三菱商事大阪支店)」(昭和5年・1930・建造)。

 

 

西洋御料理 北極星 心斎橋本店

大阪府大阪市中央区西心斎橋2-7-27

( 心斎橋 しんさいばし ほっきょくせい 元祖オムライス オムライス発祥の店 )


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