ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

大黒 @大阪市中央区・道頓堀

2015年08月04日 | 大阪府

大阪・道頓堀にある明治35年(1902)創業の老舗「大黒(だいこく)」。御堂筋を入ったところにあるこじんまりと落ち着いた風情の日本料理店。こちらの店を知ったのは某有名作家の本に名前が出てきたからで、とても手の届かないような店なんだろうと勝手に想像していたのだが、店先に鉢植えが並ぶ、いたって庶民的な店構え。店に入ると土間にテーブル席が2つほどあるだけの小さな店(奥に座敷でもあるのかな)。テーブルは年季が入った一枚板で、椅子の背には「大黒」と彫られていて、その佇まいは歴史を感じさせる。店の中のどれもが大切に扱われ、年を重ねているよう。調理場は格子で区切られている。大きめの急須でお茶が運ばれ、テーブル上の品書きに目を通す。店先の提灯に描かれているように、こちらは「かやく御飯」で有名な店。それ中心で、他の品は少ないのかなと思っていたが、魚の焼物、煮物をはじめとして、値付けの安い一品料理も数多く書かれていた。この後に予定が無かったら、お酒と一品料理をいただいて、締めにかやく御飯と行きたいところだが、グッと我慢して「かやく御飯(中)」と「はまぐりのすまし汁」を注文した。ところが残念ながら蛤が切れていたので、ご飯のみに。

しばらくして蓋付きの木の塗り茶碗に入った、かやく御飯が漬物と一緒に運ばれる。かやく御飯は細かい海苔がふられただけの、拍子抜けするほどシンプルな姿。うっすらと色付き、艶々としたご飯を口に入れると…旨い! ご飯の味は濃いわけではないが、しっかりと出汁の風味が感じられ、かといって薄くて物足りない感じもなく、素晴しい塩梅。中にはごく細かく刻んだ揚げと蒟蒻、牛蒡が見える程度だけれど、箸が止まらない。色々と具の入った混ぜご飯も美味しいけれど、この素朴なご飯がここまで美味しいとは…。量的には、まだどれだけでも食べられるが、満足。次はこちらを居酒屋使いして、締めにかやくご飯を頼んでみたいなァ。(勘定は¥500程)

 ↓ 「大阪松竹座」(大正12年・1923・建造/平成9年・1997・改築)。歌舞伎上演期間だったが、この日は休演日。建て直されたものだが、建築当初の意匠を上手に残している。

 

 ↓  翌日に敢行した大阪近代建築散歩。まずは中之島の「中央公会堂」(大正7年・1918・建造・重要文化財)。堂々たる風格。どこかと似てる…? そう、実施設計に東京駅と同じ辰野金吾が参加している。

 

 ↓ 隣に位置する「大阪府立中之島図書館(旧・大阪図書館)」(明治37年・1904・建造 重要文化財)。日曜だったので残念ながら入れず。

 

 ↓ 「水晶橋」(昭和4年・1929・建造)。歩行者専用の橋。元々は河川浄化目的の可動堰だったんだとか。

 

大黒 (だいこく)

大阪府大阪市中央区道頓堀2-2-7

( 道頓堀 だいこく かやくご飯 かやくごはん 炊き込みご飯 混ぜご飯 池波正太郎 むかしの味 )


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