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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

勝利亭 (4) @名古屋市西区・那古野 (※閉店)

2019年05月03日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

堀川に架かる五条橋の西詰、円頓寺商店街の入口の老舗洋食店「勝利亭」。創業は明治42年(1909)で、店名の由来が”日露戦争の勝利”からという110年もの歴史のある店だが、風の噂(ある店で食事をしている時に近くに座った人の話が聞こえてきた)で近々店を閉めるという話を聞いた。最近は不定休みたくなっていて、店の前に行っても開いていないことが多く、営業することが多い火曜か金曜を狙っても外れることもあり、随分と足が遠のいていた。この日も営業しているかどうかダメモトで訪問。店の外に並びがあるところを見ると今日はやるようだ(ヨカッタ…)。これを逃したらもう来ることは出来ないかも、と並びに加わる。最近は表のカレンダーに営業日を載せているようで、見てみると4月中の営業日はたったの11日のみ(夜営業もほとんど無し)。

並んでいると、自分の前に並んでいた女性の場所に知人女性が「遅くなってごめーん。」としれっと合流。幼児と老人以外の待ち合わせは人数が揃ってから並び直すのが大人のマナーだと思うが、行列のある店ではよくこれをやられる。こういうのも自分が店の前で並ぶのが嫌いな理由だ。特にここのように調理にとても時間が掛かると分かっている店では1人、2人でも大幅に提供時間が遅れるし、合流される人数が多いと座ることさえ出来ない場合さえある…。並び損。

閑話休題。定刻に店が開き順に着席していく。テーブルは埋まり、1人なのでカウンターかと思いきや、小上がりに上がってくれとのこと。革靴を脱がなきゃいけないので嫌だナ…。もちろんすぐに相席になるが、自分の前に並んでいた人達の調理が全部終わってから自分の番だと思うとゲンナリ…。実際すぐに満席になり、給仕の女性が後から入ってきた客に「1時間以上あとになりますが…。」と案内していた。仕事があれば完全にアウト(幸いこの日仕事はなし)。注文は以前から食べてみたかった「チキンシチュー」と「ハイボール」に。他の客はやっぱり「オムライス」の人が多い。

もうこの店も見納めかァとしみじみ店内を見渡す。カウンター奥の飴色に時を重ねたバックバー(棚)の所は、よく見ると脇に階段があって2階に上がることが出来るようになっている。給仕の女性と他の客の話をそれとなしに聞いているとこの建物は賃貸だとのこと。意外。決して凝った装飾がしてある店ではないが、さすがにこのまま居抜きで使われることは無いだろうう。先客には自分が何度も訪問している飲食店の主人夫婦の姿も見えた(笑)。待って…待って…、45分くらい待っただろうか、先に「ハイボール」(食事と一緒に出してもらった)が、そしてやっと「チキンシチュー」が登場。「チキンシチュー」は”シチュー”とはいってもスープ物ではなく、鶏もも肉のソテーにたっぷりのデミグラスソースがかかっているもの。なので”ENDOJI・勝利亭”と銘の入った平皿に盛られている。ソースはコクと少し甘味があり角が無く、旨い。付け合わせは千切りキャベツ、トマト、キュウリ、そして同じソースを使ったスパゲッティー。これがなかなかイイ。狭い卓で胡坐をかいてナイフとフォークを使うのは苦行だが、しっかりと味わってハイボールも飲み干した。これで「ミヤビヤ」をメニューに載せる店がひとつ減ることになる。(勘定は¥1,500)

※残念ながら令和元年5月31日を以って閉店されました

以前の記事はこちら (1)(2)(3

 

レストラン 勝利亭

愛知県名古屋市西区那古野1-2-17

 

( 名古屋 なごや 円頓寺商店街 えんどうじ 五条橋 しょうりてい 洋食 老舗 レストラン オムライス カゴメケチャップ 100年食堂 ミヤビヤ ミヤベヤ 閉店 廃業 )

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喜晴屋 @名古屋市中村区・名駅 (※閉店)

2019年04月29日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

平日のある日、珍しく朝から名駅近くに居たので、遅めの朝食に広小路通から一本入った所にある「喜晴屋」を選んだ(創業は昭和20年だそう)。早朝から昼過ぎまで営業している店で、表には「定食630エン」と書いてある看板のみ。周囲はオフィスビルに囲まれているので、サラリーマン相手の朝・昼食屋として機能しているお店だろう。暖簾をくぐって中に入ると奥に長いカウンター席とテーブル席がある。この日は朝食には遅く、昼食には早いという半端な時間帯だったので先客はゼロ。女将さんと娘さん(?)は昼に向けて調理の真っ最中。カウンターに座って頭上のメニューを見上げる。といっても定食は「さしみ」「さば煮」「さば焼」「天ぷら」「冷奴」の5種類しかない。メインをこの中から選んで、後はカウンター上にずらりと並んだ惣菜から自由に取ることが出来るようだ。定食でお願いすると惣菜の小皿、味噌汁、そしてご飯が付く。惣菜は自分でも選べるし、すでに盛り合わせてある皿を取ってもよい。「さば煮」を選んで、惣菜を何にしようか迷っていると、女将さんが「焼いたばっかの鮭も食べる?」と言って下さったのでお任せする。

まずは焼鮭、茄子の煮物、筑前煮、ごぼうのきんぴらがのった小皿、そして大きめの飯碗にたくあんがのったご飯と味噌汁、後から電子レンジで温め直された「さば煮」が渡された。メインのさば煮はかなり濃いめの味付け。ご飯が進む。惣菜は地味ではあるが食材の種類も多く、賑やか。もちろん温かくはないが野菜が多いのが嬉しい。昼のサラリーマンにも人気だろう。同じ値段で定食に”冷奴”を選ぶ人居るのかな…と思っていたけれど、小皿がこれだけバラエティに富んでいると問題無しだ。これ、カウンターの上の惣菜を取りながら酒でも呑めたら最高だなァ…と思って店の奥を見やると、メニューには無いが冷蔵庫の中にはきっちりと瓶ビールが。がぜん呑み目当てで寄りたくなった。そんな機会があればいいけれど(←必死で探す)。(勘定は¥630)

※令和元年6月現在、閉店改装して焼肉屋に変わるようです

 

お食事 喜晴屋

愛知県名古屋市中村区名駅南1-15-20

 

( 名古屋 なごや 名駅 めいえき きはるや 定食 ランチ 朝食 朝定食 朝ごはん 昼飲み セルフ 定食屋 食堂 柳橋 )

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内山冷菓 @名古屋市中村区・中村公園

2018年09月12日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

久しぶりに中村区の稲葉地公園にある「アクテノン」(名古屋市演劇練習場)を眺めたり、大門辺りを自転車でウロウロしていた盛夏に、太閤通りで氷の提灯を見つけた。全然知らない店だったが表のどこを見ても店名が無い。自転車で一度通り過ぎたのだが、その時に古い製氷機が見えたので引き返して店に入ってみる。後から調べたら店の名前は「内山冷菓(うちやま)」だという。詳しくは分からないが創業も古いらしい。店内は奥に土間が続いていて、テーブル席と壁に向かったカウンター席が設けてあった。カウンター席に座り品書きを見るとかき氷やあんみつなどの甘味が載っていた。選んだのは「アイスモナカ」のバニラ。硬いの軟らかいのが選べるようになっているのは、詰めたてだと軟らかく、詰めて冷凍庫に入れてあるものが硬いもののようだ。自分が選んだのは軟らかいの。

すぐに器にのった「アイスモナカ」と水が運ばれた。”特大”という文字が浮き出た最中種はこんもりと盛り上がった形。かぶりつくとサクッとした最中種の下にとろっとした食感のアイス。昔ながらの製法で作られたというアイスはしっかりと甘く、口どけの良いサラッとした自分好みのタイプ。これは旨い。アイスはたっぷりと入っていたが、もうひとつお願いしようかなと思ったくらい気に入った。あまりメディアで見た記憶がないが、夏季限定の営業でかき氷も有名だそう。結局店に入っても店名はどこにも書いてなかったような…。また食べたいけれど再訪は来季しか無理かな。(勘定は¥130)

 


 

 ↓ 「名古屋市演劇練習館・アクテノン(旧・稲葉地配水塔)」(昭和12年・1937・建造)。いつ見ても存在感たっぷりのデザイン。”演劇練習館”っていう使われ方が気になるが…。

 

 

↓ ここいら辺りに来るとついついいつも写真を撮ってしまう洋館(建築詳細不明)。使い分けられた瓦の色や壁面の配色が大胆で素敵。

↓ 壁面がモザイクタイルで装飾された建物を覗いてみるとかなり昔ながらの雰囲気を残すアパートだった。「ひばり荘」(建築詳細不明)。この辺りはまだ古い普請のアパートが残っている。

 

 


 

 

内山冷菓 (うちやま)

愛知県名古屋市中村区太閤通7-23

 

( 名古屋 なごや 大門 おおもん 中村公園 なかむらこうえん 内山 うちやま かき氷 かきごおり アイス最中 モナカアイス 近代建築 豆タイル 給水塔 )

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黄金屋 @名古屋市中村区・黄金

2018年09月04日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

 

名古屋で昔からの居酒屋というと外す訳にはいかない黄金陸橋近くの「黄金屋」。創業は昭和28年(1953)だとか。名古屋駅から遠くないものの、近鉄沿線なので今まで立ち寄ったことが無かった。正直自分にとってはアクセスしづらい立地だが(←近鉄に乗ればいいだけ)、この日はわざわざ市バスに乗って近くまで行き、歩いて陸橋を渡って店へ向かった。線路沿いといっても周囲は住宅ばかりで、駅前といっても大して店はないような場所。店の壁面にはドーンと「CBCテレビ・名古屋テレビ・紹介の店」と大書きされている。東海テレビと中京テレビは来なかったに違いない(笑)。店に入るとコの字カウンターと小上がり席がある。店内の土間は広いので窮屈な感じは全くない。小上がりにはもう先客が座っており、次から次へと客が入ってくる。2階もあるようで多人数のグループが入っていく。こんな場所でもすごい人気だ。

まずは瓶ビール「キリンラガー」で、暑い中ここまでの道のりで汗をかいた体を癒す。「串カツ(みそ)」「とんやき」をお願いした。すぐにバットに入ったキャベツとソースが用意される。女将さんがその場で衣を付けた「串カツ」は細目で、どて煮の鍋にドボンと浸けて供される。やや甘めの味噌で熱々を口に放り込んだ。…ウメー。油をビールで洗い流し、次は「とんやき」。クニュっとした独特の歯応えが旨い。酷暑の中歩いてきたのと、熱中症を避けるために日中水分を採っていたためか、お腹が膨れてあまりビールが入っていかない。そこで酒をひやでお願いする。銘柄は願ったり叶ったりの「菊正宗・上撰」。最初女将かなと思っていた化粧と風格がばっちりな(笑)給仕の女性がコップにこぼして注いでくれた。黒板に「馬刺し」とあったのでお願いすると、主人が「今日はユッケだけどいい?」と訊いてきた。「もちろん。」ということで用意された「馬刺し」は刻まれてタレと黄身にまぶされ、胡麻とネギが振られている。甘いタレと共に口に含んでキクマサをグイッと。添えてあるキムチは要らないかな。他にも食べたいものは沢山あったが今日はこの辺りで。次はしっかりお腹を空かせて来るゾ。さ、歩いて銭湯行こうっと。(勘定は¥2,400程)

 


 

↓ 「黄金屋」から北上し大門まで2km程を歩いて行く。体にまとわりつく汗を流そうと「寿湯」(建築詳細不明)へ。東海地方ではペンキ絵は少なくモザイクタイル画が多いが、こちらのモザイクタイルの山脈も見事。広くて気持ちの良い銭湯だ。洗い場の真ん中にタイル浴槽があるのも東海地方らしい特徴かも。気持ちの良い風呂だったが脱衣所の貼紙を見てあ然。この8月30日を以って営業は終了との知らせが…。遅かったと言うべきか、間に合ったと言うべきか…。

 

 

 

↓ ひとっ風呂浴びて外に出るとこんな景色。このアーチ型の入口の風情ある建物は残るだろうか…。もっと何度も入っておくんだったなァ…。

 

↓ かつて「中村遊郭」だった大門(おおもん)にはこんな路地がまだ健在。

 


 

 

名代 黄金屋

愛知県名古屋市中村区長戸井町4-77

 

( 名古屋 なごや 黄金 こがね こがねや 居酒屋 酒場 とん焼き 串かつ みそ串カツ 大衆酒場 近代建築 銭湯 ことぶき湯 閉店 豆タイル 遊郭 妓楼 大門 名楽園 )

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二ツ玉 @名古屋市西区・円頓寺

2018年01月31日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

円頓寺本町商店街にある麺類食堂「二ツ玉」へ。出典は忘れてしまったがかなり歴史のある店だと聞いた事がある。円頓寺界隈では色々な店で食事しているが、こちらの暖簾をくぐるのは初めて。商店街と南北の道路の交差点にあり建物は新しい。中に入るとテーブル席が4つ、小上がり席が2つとこじんまりとした佇まい。カレーやハヤシもある自分の好きな和洋食揃った店だがこの日はきしめんを食べようと思っていた。けれど品書きを見ていて気が変わり、和風のご飯物が食べたくなったので「志の田とじ丼」を注文。

東海地方の麺類食堂では当たり前にある「しのだ丼」だが、自分の知る限り他の地方では見ない独特なもの。これこそ”なごやめし”だと吹聴すべきだと思うのだが、地味過ぎてあまり取り上げられることのない不遇な食べ物(笑)。同様な丼物に「木の葉丼」があるがこれは関西地方かららしい。でも関西では当たり前に玉子でとじてあり、親子丼の鶏肉の代わりが蒲鉾と椎茸という感じだけれど、東海地方の「木の葉丼」はたいてい玉子とじではなく、味の染みた椎茸と赤い縁の蒲鉾(朱板)がメインになっているので、やはり関西の木の葉丼とは似て非なるものだ。ただこのままではこの2つの東海地方独特の丼物が平準化されて絶滅してしまう可能性もある。

という訳で「志の田」が「とじ」てあるのは名古屋では珍しく、わざわざ「志の田とじ丼」となっているので気になった次第。しばらくして運ばれた「志の田とじ丼」は、想像とは違って玉子とじでも色がかなり濃いもの。揚げ(しのだ)は”黒い”と言って差し支えないくらい色濃く染まっている。他には蒲鉾と長葱。つゆの味はやや甘め。この基本のつゆの色が濃いんだな。でも色ほど味は濃く感じず、揚げに沁みたつゆがご飯と合わさると旨い。添えられた味噌汁とたくあんを挟みつついただいた。後から知ったがこちらのうどんやきしめんのつゆは、濃い色の多い東海地方のつゆの中でもかなり濃い色をしているようでそちらも気になる。好きな洋食の前に、次はきしめんかうどんを食べてみたいナ。(勘定は¥650)

この後の記事はこちら (2

 


 

↓ 一部好事家から親しみを込めて”食べかけのトウモロコシ”と称される名駅太閤口の「チサンイン名古屋(チサンホテル)」(昭和48年・1973・建造)。土地が3角形に近かったから考えられたデザインだとか。中は10階まで続くらせん階段になっているらしい。一度深酒をした時にでも泊まってみたいナ(笑)。

 

 


 

めん処 二ツ玉

愛知県名古屋市西区那古野 2-13-20

 

( 名古屋 なごや ふたつたま 麺類食堂 大衆食堂 麺処 うどん きしめん 志乃田丼 篠田丼 志のだ丼 円頓寺商店街 えんどうじ商店街 円頓寺本町 チサンホテル あかいた )

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勝利亭 (3) @名古屋市西区・円頓寺 (※閉店)

2017年11月11日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

随分と久しぶりに五条橋西詰、円頓寺商店街の端にある明治42年(1909)創業の洋食の老舗「勝利亭」へ。ぶらぶらと近辺を歩きまわった日曜日の午後。昼飯という感じではなく歩き疲れたので、まだやっているかなと休憩がてら寄ってみた。店の中に入ると遅めの時間にも関わらずほぼ満席の盛況。逆読みで「ルービヒサア」と銘の入ったバックバー(棚)のあるカウンター席だけ空いていたので座らせてもらう。女将さんに「メンチカツ」を注文。「時間かかりますよ」と言われたが、座れる休憩場所確保の意味もあったのでもちろん問題無し。雑誌を何冊か取り出して時間を潰す。まだなかなか配膳されない客も居るようで後ろのテーブル席にはイライラしている年輩の客も。その間にもまだ次々と客が入ってきていて、女将さんは早々に「準備中」の札を掲げに表へ。

しっかりと1時間程も時間がかかって、やっと「メンチカツ」登場。ここで「ハイボール」を追加。この日は電車だったのでメンチカツでハイボール(ビールだとお腹が膨れてこの後歩けないので)をやろうと最初から画策していたのだった。ボリュームあるメンチカツがどっぷりと中濃ソースにくぐらせてあり、付け合わせは千切りキャベツにキュウリ、ポテトフライ。メンチカツにナイフを入れ、まだカリッとしている薄い衣ごと熱々を頬張り、冷たいハイボールで口中を冷やす。…至福。しっかりと肉が詰まっている。次第に衣がしっとりとしてきて、それはそれでまた旨い。辛子をちょこっと付けたりして食べ進んだ。つけ合わせのポテトはいまひとつだったが、この店が開発に関わった(※)という「カゴメケチャップ」をたっぷり付けて残らず平らげる。次はハヤシライスか、カレーライスか、あと気になる「フライエッグス」(目玉焼きのこと?)を頼んでみよう。(勘定は¥1,450)

※この店の元は中区栄にあった同名の店で、実はそこの暖簾分けなのだとか(知らなかった!)。正確にはケチャップの開発に関わったのはそこの主人で、現在のこの店の3代目の先祖ではないのだそう(出典はこちら)。

※残念ながら令和元年5月31日を以って閉店されました

 

以前の記事はこちら (1)(2

この後の記事はこちら (4

 


 

↓ 那古野1丁目の古い商店跡が改装されて居酒屋「新鮮倶味 名駅店」になっていた(建築詳細不明・)。

↓ 四間道から桜通を超えて南へ。歩いていて目が留まった建物。入口がシンメトリーなので、と裏に廻ると…やっぱり元銭湯の建物(建築詳細不明)。煙突は切断されているが煉瓦の腰壁が残っていた。にしても表だけタイル貼りの昭和ビル風という面白い建物。

 

 

↓ たぶんもう神様はいらっしゃらないだろう屋根神様の痕跡(写真下左・)と、今まで知らなかった屋根神様(写真下右・◇)を発見。でもこちらの神様も、もうお留守かも…。

 

 


 

 

レストラン 勝利亭

愛知県名古屋市西区那古野1-2-17

 

( 名古屋 なごや 円頓寺商店街 えんどうじ 五条橋 しょうりてい 洋食 老舗 レストラン ミンチカツ ウイスキー 屋根神さま やねがみ しけみち 四間道 銭湯 )

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宮鍵 @名古屋市中村区・納屋橋 (2)

2017年11月04日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

久しぶりに明治32(1899)年創業の鶏・鰻料理の老舗「宮鍵」へ。すでに昼の部は売切御免の札のかかった、いつも大行列の近くの鰻屋「イチビキ」を横目に、納屋橋の袂に建つ昭和34年建築だという年季の入った店の暖簾をくぐる。何人もの板の姿が見える調理場を横に見て奥に入ると給仕の女性が忙しそうに動き回っていた。どうも上階に多人数の客が入っているようだ。女将の居る帳場横の一番手前のテーブル席が開いていたので座らせてもらう。見上げると壁に掛かった額には「王貞治」氏のサイン色紙が。自分の年齢だと巨人ファンでなくとも氏のサインだと分かるのだ(笑)。それにしても「決断」と書かれたサイン色紙の日付を見ると今年の元旦(笑)。なぜ元旦にこの店に? それはさておき、この日は数少ない昼から呑める日だったので、お酒をぬる燗でお願いし「焼鳥」を塩で注文した。

すぐに店の銘が入った徳利と猪口で酒が運ばれる。銘柄はどこか分からないが、昔ながらの本醸造のどっしりとした味。しばらくして運ばれた「焼鳥」はもも肉が5切れ程。甘酢生姜とレモンの輪切りが添えてある。シンプルに肉の旨味が味わえて旨い。一味の代わりに好きな山椒粉を振ったりしてゆっくりと堪能。自分の席からはあわただしい給仕の女性の動きぐらいしか見えないのが残念だが、普段なかなか取れないこういう時間が嬉しい。徳利を空にした後には「親子丼」を追加。程無くして運ばれた「親子丼」はこちら特有の、ひき肉が玉子でとじてある独特なもの。つゆは淡い味付けでふんわりとした口当たり。一杯呑んだ後にはこたえられない旨さの”締め”だ。たくあんと牛蒡漬け、それに吸物を間に挟んできれいにいただいた。そういえばこちらの鰻を頂いたことないナ。次は食べてみようかな。(勘定は¥2,000程)

以前の記事はこちら (1

この後の記事はこちら (3

 


 

 ↓ 「サイアムガーデン(旧・株式會社加藤商會)」(昭和6年・1931・建造)。タイ領事館などを経て、現在はタイ料理レストランとギャラリーになっている。※国登録有形文化財

 

 

↑ 柳の下に「納屋橋」の風格ある親柱(親柱のみ大正2年・1913・建造)、その向こうに「旧・加藤商会」のビル。

 


 

 

かしわ・うなぎ料理 宮鍵

愛知県名古屋市中村区名駅南1-2-13

 

( 名古屋 なごや 納屋橋 なやばし 名駅 めいえき みやかぎ かしわ 鳥料理 鰻 うなぎ 池波正太郎 近代建築 加藤商会 タイ領事館 シャム領事館 )

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おかきや @名古屋市西区・栄生

2017年06月24日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

名古屋城の西、東海道(熱田)と中山道(垂井)を結んだ美濃路沿いのあられの店「おかきや」へ。創業は調べても分からなかったが、この脇街道沿いなら古いに違いない。この辺りの美濃路は車がすれ違うのがやっとの細い道。それでも期待したほど古い建物は残っておらず、店の前までたどり着く。素っ気無いというか、大きな看板がある訳でもないので店と気付かず通り過ぎてしまいそう。後から調べて分かったが、建物は明治15年頃(1882)のもので、名古屋市の登録地域建造物資産にも指定されている。駐車場が近くに見当たらないので家人を助手席に残したまま、1人で店へ。店内はガラスショーケースがあるだけの質素な造りだが、新しく綺麗にされている。奥から主人が現れた。どのあられにしようかと迷っていたら、後から入ってきたおばちゃんに「ねぇ、お供えだけど饅頭よりいいよね?」と賛同を求められる(笑)。ここで主人を前にして「いや、饅頭の方が…」って言う訳ないと思うんだけど…(苦笑)。

少量づつ梱包されたあられの中から「千枚」というシンプルなおかきを選んでいくつか包んでもらった。自分はあられを食べる時に食感の違う海苔を邪魔に感じることが多いので、海苔のついていないシンプルなものを選ぶことが多い(気がする)。帰って封を開けたあられは、艶良く焼き上げられていて、何も付いていない素のまま。まず香りがいい。全て昔からのやり方で手焼きされているのだそう。口に入れてみるとかなり硬めの食感で、キリッとした醤油味。旨いっ。やや辛口で、ザクザクとした歯応えが堪らない。正直あられでそんなに差が出るものとは思っていなかったので驚いた。口に含める大きさもいい。もうちょっと何種類か買って帰れば良かった。次は「すっぴん」「たがね」「梅柿」あたりを買ってみよう。(勘定は¥320/個)

 

 

 


 

↓ 近くにある「マコロン製菓(株)」(昭和8年・1933・建造)。創業は大正13年で、地元向けの菓子を製造している。屋根には立派な「屋根神様」も。こちらも名古屋市の登録地域建造物資産に指定されている。

 

 

↓ 同じく西区の菊井にある「しゃしゃんぼ」(昭和23年・1948・建造)。古民家を飲食店に改造してある。こちらも同じく名古屋市の登録地域建造物資産に指定。

 


 

手焼き おかきや

愛知県名古屋市西区名西1-20-45

 

( 名古屋 なごや おかきや 手焼きおかきや 手焼おかきや 煎餅 せんべい あられ おかき 手焼 近代建築 美濃街道 登録地域建造物資産 宮宿 名古屋宿 )

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廣寿司本店 @名古屋市中村区・名駅 (※閉店)

2017年05月29日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

最近は姿を見ることが少なくなってしまったかつての名古屋名物「切り寿司」。いわゆる押し寿司なのだが、古い店に僅かに残っているものの、作っている店を見ることは稀だ。そんな少ない店のひとつ、創業明治38年(1905)という「廣寿司本店」へ。店は迷宮と揶揄される名古屋駅地下街のひとう「メイチカ」にある。戦前にはたくさんの店舗があったらしいが戦火で消失し、昭和28年に柳橋に店を出したのだとか。現在はここともう1軒(名駅のうまいもん通り)かな。人通りの多い地下街だけれど、ここは少し外れた場所。店はこじんまりとして小さいテーブルが10卓程並んでいる。調理人は白衣にネクタイ、給仕の女性は2名ほど。外れた時間だったので先客はおらず、のんびりとした雰囲気だった。「切寿司」の4カン、それに菊正宗の「かん酒」を注文した。

先にかん酒が運ばれる。枝豆付き。キクマサの180ml瓶で燗をつけ、はかまを付けて猪口と一緒に出された。枝豆をつまみながら一杯やっていると「切寿司」が運ばれた。穴子と角麩が押されていて、たっぷりと”つめ”が塗られている。どの店で食べても甘いが、この店のつめは中でもかなり甘い(ように思う)。つめがかなり濃いため、穴子と角麩の区別がつかないほど。独特の酸味もあって他ではあまり味わえない味だろう。自分は興味があって切り寿司を食べ歩いているが、もう食べたことのある人の方が少ないかも。”絶滅危惧メシ”をいただきながらのんびり一杯やるのもオツなものだ。こちらさば寿司も名物らしいので、次は両方入った「名物セット」をいただいてみよう。(勘定は¥1,200程)

この後の記事はこちら (2

 

廣寿司本店 メイチカ店

愛知県名古屋市中村区名駅3-14-15

※メイチカ閉鎖により令和5年3月末を以って閉店しました

 

( 名古屋駅 名駅 めいえき メイチカ 名古屋地下街 名駅前メイチカ店 ひろずし ひろずしほんてん 広寿司 切り寿司 きりずし 名古屋名物 鯖寿司 )

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いせや @名古屋市中村区・中村公園

2017年05月22日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

中村屋」と同様に中村公園内にある休憩所「いせや」。こちらも創業は大正時代だそう。店の手前には少々の菓子類が並んでいるが、奥はもちろん食事処。「中村屋」ほど混んでいないのは競輪場の勝負がひと段落したのだろうか(笑)。とはいいつつもこちらもテレビはまだそちらの中継のよう。テーブル席と小上がり席、というか座敷があるが、どの卓の上にも鉛筆が置いてあるのはさすが(笑)。店内に掛かっている丈の短い暖簾にはひょうたんの絵があり、中に「いせや」と銘が入っている。店に残っている人たちはビールで上機嫌だが、こちとらバイクがあるので酒は呑めない。味噌の焼けるいい匂いにつられて「木の芽でんがく」を注文した。

給仕の女性は3人程。壁に貼られた品書きを眺めていたが、こんな店にも「台湾~」っていう品があるのが面白いというか、節操が無いというか(苦笑)。そのうちにじっくりと焼きを入れられた田楽が置かれた。田楽は定番の塗りの木箱に5本入れられていて、最初から山椒が振られている。熱々を頬張った。焦げた味噌の香りと味が口いっぱいに。旨い。これをビールか酒抜きでいただくのはもう、罪なんじゃないのか…。(勘定は¥560)

この後の記事はこちら (2

 

休憩所 いせや

愛知県名古屋市中村区中村町字公園内3

 

( 中村公園 なかむらこうえん 豊国神社 伊勢屋 茶屋 茶店 中村屋 でんがく 味噌田楽 豆腐田楽 とうふ田楽 駄菓子 駄菓子屋 名古屋競輪 )

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