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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Original Album Series / Donny Hathaway

2020年02月14日 | ソウル・ファンク・R&B

Original Album Series / Donny Hathaway (2010)

最近は開き直って購入の加速度が増している簡易紙ジャケCD5枚組の「Original Album」シリーズ。今回購入したのはダニー・ハサウェイ(Donny Hathaway)。シカゴ出身だそう。今まで所有しているコンピ盤の収録曲でしか聴いたことが無く、オリジナル・アルバムは、アナログ、CD含めて1枚も持っていない。収録されている5枚は以下の通り。

・Everything Is Everything(1971)
・Donny Hathaway(1971)
・Live(1972)
・Extension Of A Man(1973)
・In Performance(1980)

70年代前半に大活躍し、その後鳴りを潜め(病気だったらしい)79年には亡くなってしまうので、実質最盛期の4枚全てが収録されていることになる。彼もスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)やカーティス・メイフィールド(Curtis Mayfield)と同様に”ニュー・ソウル”というジャンルで括られるのだろうが、どちらかというとファンキーな要素は少なめで、ゴスペル的な落ち着いた曲が多い。カヴァー曲を歌うことも多く、これらアルバムの中にも、Ray Charles、Nina Simone、Leon Russell、Billy Preston、George Clinton、Marvin Gaye、Carole King、John Lennon、Al Cooper、などの大道のアーティストのカヴァーが収録されている。

圧巻はやはりライヴ。3枚目と5枚目がライヴ作品だが、特に1972年の名盤「Live」でのソウルフルな歌唱には心震える。彼の映像は見たことがないが、エレピの演奏も彼自身だそうだ(これがまたカッコイイ)。バックの演奏もゴキゲンで、特に名手ウィリー・ウィークス(Willie Weeks)のベース・ラインは、彼がビッグ・アーティストから引く手あまたというのが納得の気持ち良さ。有名な(つまりベタな)カヴァー曲でも本家に勝るとも劣らない名演で完全に自分のものにしている。観客を自然に取り込む手腕も抜群。必聴。

amazonにて購入(¥1,382)

  • CD (2010/2/27)
  • Disc : 1
  • Format: Box Set, CD, Import
  • Label : Warner Music
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The Ultimate Collection / The Isley Brothers

2019年12月29日 | ソウル・ファンク・R&B

The Ultimate Collection / The Isley Brothers (2002)

ソウルの大御所、アイズレ―・ブラザーズ(The Isley Brothers)の3枚組ベスト盤。1950年代に結成され、様々なアーティストにカヴァーされた「Shout」、60年代にはビートルズ(The Beatles)のカヴァーで有名な「Twist And Shout」、中期にはモータウンに在籍し「This Old Heart Of Mine」、「It's Your Thing」などヒット曲を多くだしているし、70年代に入っても「That Lady」「Fight The Power」などのファンキーなヒットがある彼ら。ジミヘン(Jimi Hendrix)がバックバンドに一時在籍していた事でも知られている(自分はそれで知った)。それでも何となく自分には馴染みが薄く、曲を聴けば「あぁ、この曲か」と聞き覚えはあるものの、決定的なオリジナル・アルバムも知らないので、特に後年の活動はよく知らないまま。活動歴をおさらいしてみると離合集散も死別もあり、ややこしい。という訳でバンドを俯瞰するサンプラー的に使えるかもと購入してみた。

この3枚組は、それぞれテーマが、”SMOOTH SIDE” 、””GROOVE SIDE” (写真上)、”CLASSIC SIDE”に分かれている。1枚目は70年代後半から80年代のスウィートな曲が中心。何度か通して聴いてみたが、音こそ新しいものの、やっぱりこの辺りの曲は苦手…。2枚目は”グルーヴ”ということで、70年代のファンキーな曲が中心。これはいいなァ。ヒット曲も多く、時代の音はあるもののカッコイイ曲が多い。ジミを雇っていたこともあったぐらいだからかハードな音のギターが結構多くフィーチャーされている。のちのDJ達がサンプリングしそうな音が続々(詳しくないがきっと沢山サンプリングされたろう)。一番しっくりきたのは3枚目の主に50、60年代にヒットした曲群。大好きなザ・フー(The Who)が(主にライヴで)カヴァーしていてすでに馴染みがあったし、あぁ、この曲もアイズレーなのかと気付くものが何曲もあった。

オークションにて購入(¥717)

  • CD (2003/8/5)
  • Disc : 3
  • Format: Import
  • Label : Sbme Import
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Original Album Series / The Meters

2019年12月17日 | ソウル・ファンク・R&B

Original Album Series / The Meters (2014)

ニューオリンズ・ファンクの雄、ミーターズの「Original Album Series」簡易紙ジャケ5枚組。Josie Recordsから出ていた初期の名盤3枚以降のReprise Recordsに移籍してから発売された5枚をセットにしてある(このシリーズの購入に拍車がかかってしまった…)。その内容はこちら。

  1. Cabbage Alley (1972)
  2. Rejuvenation (1974)
  3. Fire on the Bayou (1975)
  4. Trick Bag (1976)
  5. New Directions (1977)

プロデューサーはもちろんアラン・トゥーサン(Allen Toussaint)。自分はミーターズが好きだといってもインスト中心の初期のアルバム数枚とライヴ盤、ライノから出ていた2枚組アンソロジー止まりだったので、この辺りのオリジナル・アルバムをしっかり聴くのは初めて。「Struttin'」のレヴューの時にも書いたが、”セカンド・ライン”と呼ばれるニューオーリンズ特有のタメの効いたリズムは70年代に入っても健在で、そのファンキーなグルーヴは、絶対に打ち込みのリズムボックスからは生まれないだろう有機的なサウンド。気持ちイー。特に1、2枚目辺りのアルバムは快感。カッティング・ギター、ベース・ライン、ドラムスのハイハット、スネア、どの音もいちいちカッコイイ。2枚目はレッチリ(Red Hot Chili Peppers)のアンソニー(Anthony Kiedis)とフリー(Flea)のバイブルだったんだろう。年末の大掃除のBGMにもぴったりだ(笑)。

それぞれのアルバムにヒット・チューンが収録されているが、それでも年を追って聴いていくと音楽界の潮流もあるのか、だんだんフュージョンっぽい曲が増えていっているのが興味深い。正直それらにはそそられず、やっぱりグッとくるのは「タカタタッタ」といつもの”ミーターズ節”(シンコペーション)のあるグルーヴィーな曲ばかり。皮肉な事に5枚目の「New Directions」と名付けられたアルバムを最後にバンドは解散し、アート(Art Neville)とシリル(Cyril Neville)はネヴィル・ブラザース(The Neville Brothers)を結成。まさに”新しい方向”に進むことになる。

オークションにて購入(¥1,505)

  • CD  (2014/1/14)
  • Disc : 5
  • Format: CD, Import
  • Label : Warner Bros.
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The Best Of Herbie Hancock : The Hits! / Harbie Hancock

2019年12月11日 | ソウル・ファンク・R&B

The Best Of Harbie Hancock : The Hits!   / Herbie Hancock (2010)

ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)のベスト盤。といっても写真から分かるようにブルー・ノート期ではなく、マイルスとの仕事を経てエレクトリック・ジャズ・ファンク~フュージョンに傾倒していた70年代から80年代のベスト選曲。テーマからジャケからまるでライノ(Rhino)の仕事のようだがコロンビア・レガシー・レーベルからの発売。この時期のオリジナル・アルバムは「Head Hunters」ぐらいしか持っていないので意外と新鮮。ジャズ・ファンクは好きなのでこの時期のアルバムはもっと掘り下げても良さそうなもんだが、何故だか続かず今に至っている。

前述のアルバム収録の01、02ではブルー・ノート時代の名曲を換骨奪胎。これはこれでカッコイイが、3曲目以降(いきなり70年代後半に飛ぶ)のヴォーカル入りの曲になると何だかしっくりとこない。時代だったのだろうが、いかにもなファンク・ポップ・チューンで、これがハービー・ハンコックである必要が無いというか…。「The Hits!」というくらいだから当時ヒットしたのかな。

MTV世代ど真ん中の自分には何と言っても最終曲「Rockit」の印象が強い。その頃はジャズ・ファンクやフュージョンなんて意識して聴いていなかったけれど、DJのスクラッチ演奏を含むヒップホップを取り入れた楽曲は衝撃的だった。PVも革新的(当時)でインストにしては異例の大ヒットだったんじゃないかな(今の人もテレビ番組のジングルで聴いたことがあるだろう)。自分が特に印象に残っているのはこのPV以降に開催されたグラミー賞のテレビ番組。今では考えられないが、当時は洋楽の祭典がゴールデン・タイムに地上波放送されたりしたのだ。そこでライヴ演奏したのがハービー・ハンコック。PVを再現したセットにブレイクダンサーが紛れていて、それらが突然踊り出した時には大興奮。この演出には度胆を抜かれた(いま観ると「へー」という程度だが、当時の衝撃たるや…)。

オークションにて購入(¥407)

  • CD  (2010/5/11)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Import
  • Label : Sony Jazz

 

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Love & Happiness : The Very Best Of / Al Green

2019年11月10日 | ソウル・ファンク・R&B

Love & Happiness : The Very Best Of / Al Green (2005)

アル・グリーン(Al Green)の2枚組ベスト盤。Music Club Deluxeは、英Demon Musicレーベルから出されている廉価で質のいいベスト選曲を2枚組で楽しめるお気に入りのシリーズ。このブログでも何度か紹介している。彼のオリジナル・アルバムはやっと最近1枚買っただけで全然詳しくないのだが、そのアルバムを気に入ったので他の曲も聴いてみたくなり購入。

そんな訳でこの選曲が妥当なものかどうか全然分からないが、2枚組というヴォリュームなので漏れも少ないだろう。彼のスウィートな歌いっぷりはどの曲でも前面に出ているが、自分が心に留めるのはやはりバックの演奏。ハウス・バンドの「The Hi Rhythm Section」は、ホッジズ・ブラザーズ(The Hodges Brothers)という3兄弟を中心に組まれたバンドだそうで、それぞれがオルガン、ベース、ギターを担当(ちなみにドラムスはMGズ<The M.G.'s>のアル・ジャクソン・Jr.<Al Jackson Jr.>が担当している曲も!)。どの曲でも派手な演奏ではなく、抑制された都会的な音が痺れるほどカッコイイ。自分の好きなハモンド・オルガンの音も1-7のように音数は少なくとも特徴的な音色。ここにまた抑え気味のラッパが加わる。このラッパ担当がメンフィス・ホーンズ(The Memphis Horns)。そう、あのスタックス・レーベルでも活躍した彼らだ。つまり60年代から続くメンフィスのソウルでは彼らの活躍が欠かせないのだ。この辺りの相関図はややこしくて自分でも把握しきれていないが、とりあえずはこの音楽に身を委ねるのみ。

オークションにて購入(¥527)

  • CD  (2006/2/28)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import
  • Label : Music Club Deluxe
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Let's Stay Together / Al Green

2019年08月09日 | ソウル・ファンク・R&B

Let's Stay Together / Al Green (1972)

1957年にメンフィスで設立された「Hi Records」。このブログでもアン・ピーブルス(Ann Peebles)を紹介したことがあったが、レーベルの雄と言えばやっぱりアル・グリーン(Al Green)。初めて聴いたのはティナ・ターナー(Tina Turner)が表題曲をカヴァーした83年頃。でもしっかりと彼を意識して聴いたのはキース・リチャーズ(Keith Richards)が初めてソロ・アルバム「Talk Is Cheap」を作った頃だから、もう30年以上も前か。キースのソロに収録された曲が明らかにアル・グリーンに影響されていると知って聴いてみた。すると歌い方からサウンドから「完コピか(笑)」と思わせるくらいの影響されっぷり。キースが出演したラジオ番組や雑誌の特集でもフェイヴァリットに挙げていたりしていた。自分は昔から好きなアーティストのルーツを探ったりするのが好きなので、当然アル・グリーンもと思ったのだが、何故かオリジナル・アルバム購入までには至らずコンピ盤止まり。やっと代表作を購入となった。

個人的にメローで甘い曲っていうのはあまり得意ではないが、表題曲からスウィートに歌い上げる彼のヴォーカルは甘いのにいやらしくなく、特徴的な歌い方(発声の仕方)も慣れてくるとクセになる。ハイ・サウンドらしい抑制されたラッパも効果的。何しろバックの演奏がいい(ハウスバンドらしい)。プロデューサーのウィリー・ミッチェル(Willie Mitchell)はその昔トランペットをやっていたらしいから、そういうのも影響しているだろうか。彼がプロデュースしたこの後の「I Can't Stand The Rain」(1974)もラッパが効いていて素晴らしい作品だが、どちらもティナがカヴァー(しかも逸品)しているんだな。

オークションにて購入(¥470)

  • CD  (1993/9/7)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Capitol
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Tower Of Power / Tower Of Power

2019年04月01日 | ソウル・ファンク・R&B

Tower Of Power / Tower Of Power (1973)

カリフォルニア州オークランド出身のファンク・バンド、タワー・オブ・パワー(Tower Of Power)の3枚目のアルバム。バンド名が冠してあるので、ずっとこの盤がファースト・アルバムだと思っていた。ベスト盤は所有しているが、オリジナル・アルバムを聴くのはこれが初めて。自分が彼らを知った曲「What Is Hip?」が収録されていて商業的にも成功したアルバム。彼らは74年に来日してかまやつひろしや、RCサクセションの「シングル・マン」のレコーディングに参加しているので、このアルバム発表後ということになる。どうしてそんなコラボが実現したのかは知らないが、一線級のバンドが日本のロックの歴史(まだまだ黎明期)に参加していた事実が興味深い。当時、清志郎とメンバーの間にどんなやりとりがあったのだろう(演奏に不満だったというのは本当だろうか…)。

何といってもリズム隊の跳ねるような独特のリズムと、ホーン・セクションの畳みかけるようなアレンジが最高。休むヒマ無しといった感じで次々とフレーズが襲ってくる。メンバーの詳しいことは全然知らないが、ホーン・セクションは全員白人だったっけ。ま、こういうのを聴くと黒も白も関係ないナと思う訳だが。ずっと昔にベスト盤を聴いて自分にとってもドンピシャな感じなのに、今までアルバムを集めなかったのが不思議でしょうがない。今は映像で探すことも出来るが、この頃の彼らのライヴでラッパやリズムの音圧を体験出来たら凄かったろうなァ…。

ブックオフにて購入(¥500)

  • CD  (1999/2/26)
  • Disc : 1
  • Format: CD,
  • Label : Warner Bros / Wea
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Peter Barakan Presents : My Favorite Atlantic Grooves / Various Artists

2019年03月28日 | ソウル・ファンク・R&B

Peter Barakan Presents : My Favorite Atlantic Grooves / Various Artists (2017)

オークションで見つけたピーター・バラカン(Peter Barakan)氏選曲によるアトランティック・レーベルのソウル・ミュージックのコンピレーション盤。データを探しても見つからないナと思ったらどうも非売品のようだ。確かにジャケ裏にも”NOT FOR SALE”と書いてある(その割には沢山出回っているみたいだけれど)。氏の選曲しているCDは他にもいくつかあって、自分もジャズ・ファンク等の編集盤を所有している。氏は若かりし頃、ロンドンで直接ビートルズ(The Beatles)らの全盛期、いわゆる”スウィンギング・ロンドン”を体験しているので、日本の他の音楽評論家とは説得力が違う。著作も何冊も読んだが、わりと好き嫌いがハッキリしていて、好みでない音楽は受け付けない頑固な面もあり、雑食で何でも聴く自分とはちょっと違うなァと思うこともしばしば。

それはさておきこの盤。アトランティックの有名アーティストとはいってもオーティスやアレサ(氏なら”アリーサ”と書くだろうか)のみならず、少しマイナー気味なアーティストも選曲してある。それでも曲を聴けば聴き覚えがある曲が大半で、この辺りの音楽をかじったことのある人なら知った曲ばかりかもしれない。12曲という(今となっては)短さが潔く、昨今のCD収録時間一杯の70分強のコンピレーションよりも濃密で楽しい。8~9割方の曲を既に所有していてもコンピ盤好きなのでつい手に入れてしまう(←どこに置くんだ、大量のCD…)。

01 5-10-15 Hours - Ruth Brown
02 Money Honey - Clyde McPhatter & The Drifters
03 Mo Jo Hannah - Little Esther Phillips
04 Mary Ann - Ray Charles
05 Teasin' You - Willie Tee
06 Mr. Pitiful - Otis Redding
07 You Don't Know Like I Know - Sam & Dave
08 Groovin' - Booker T. & The MG's
09 Play It Cool - Freddie King
10 Hey Jude - Wilson Pickett
11 Rock Steady - Aretha Franklin
12 Patty Cake - King Curtis

オークションにて購入(¥260) 

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The Very Best Of Sam & Dave / Sam & Dave

2018年12月18日 | ソウル・ファンク・R&B

The Very Best Of Sam & Dave / Sam & Dave (1995)

ソウル・ミュージックを語る上では欠かすことの出来ないサム&デイヴ(Sam & Dave)のベスト盤。ライノ(Rhino)から1995年に発売されたもの。当時はこういうコンピレーションを作らせたらライノの右に出るレーベルは無かった。当初からCDへのリマスタリングは名手ビル・イングロット(Bill Inglot)が担当し、その後ブームになった通称”ドンシャリ”(低音と高音を作為的に効かせたリマスタリング)に陥ることもなく、自然に聴ける最良の音だった。あれからライノは会社として巨大化してしまったので、この頃ほど面白いレコード会社ではなくなってしまったが…。

それはさておき、サム&デイヴ。STAX(スタックス)レーベルを代表するデュオで、ヒット曲も多数。テレビ番組のジングルなどで使われることも多いので聴いたことがある人も多いだろう。自分は最初に1980年の音楽コメディ映画「The Blues Brothers」でジョン・ベルーシ(John Belushi)とダン・エイクロイド(Dan Aykroyd)がカヴァーしたのを聴いて初めて知ったと思う。カヴァーも良かったが、もちろんオリジナルは文句なしにゴキゲンだ。その後はコンピ盤に収録されたヒット曲を単発で聴くことがほとんどでオリジナル・アルバムは1枚も持っていない。久々にまとめて聴いたこのアルバムでは1枚物として過不足ないちょうどいいサイズ。もちろん演奏はスタックスのハウスバンド、ブッカーT&MGズ(Booker T & MG's)、それにホーンはマーキーズ(Mar-Keys)の連中だもの、最高に決まっている。日本人の自分でも思い当たる曲が多数なので、欧米人にとっては誰もが口ずさめる曲ばかりなんじゃないかな。伸びのあるヴォーカルと、低音高音を歌い分けたコンビネーションで、スイートなラヴ・ソングもノリノリ。

ブックオフにて購入(¥500)

  • CD (1995/2/28)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Rhino
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Encouraging Words / Billy Preston

2018年07月25日 | ソウル・ファンク・R&B

Encouraging Words / Billy Preston (1970)

アップル・レコードから発売されたビリー・プレストン(Billy Preston)の5枚目のアルバム。早くから天才キーボーディストとして名を馳せていたビリーがビートルズ(The Beatles)の連中とつるんで、特にジョージ・ハリスン(George Harrison)との蜜月の中で製作されたアルバム。ジョージがプロデュース、ギター、バッキング・ヴォーカルの他にムーグ・シンセサイザーまで演奏している。このアルバムの録音が終わってから録音が開始されたというジョージのソロ・アルバム「All Things Must Pass」とは表裏一体といったところ。なので参加アーティストもクラプトン(Eric Clapton)を含むデレク・アンド・ドミノスの連中(Carl Radle, Jim Gordon)、デラニー・ブラムレット(Delaney Bramlett)、ボビー・キーズ(Bobby Keys)とジム・プライス(Jim Price)のラッパ隊、クラウス・ヴーアマン(Klaus Voormann)、リンゴ(Ringo Starr)と多くが重なっている。アルバムでの基本の演奏はテンプス(The Temptations)のバンドが担当したのだとか。

冒頭からビリーのご機嫌なオルガンの音色が飛び出し、ノリに乗っている躍動感が感じられる。取り巻き連中は当時のロックの先鋭ばかりだが、アルバムとしての構成は古き佳きソウル・アルバムといった感じでゴスペル・フィーリングに溢れ、特にロック寄りという訳ではない。逆にロックの精鋭がこういうソウルフルな世界に瞠目してすり寄っていった結果、”フレンズ”(Delaney & Bonnie and Friendsの)となったんだろうなァ。もちろんジョージの名曲「My Sweet Lord」(ビリーの方が先に出たらしい)、「All Things (Must) Pass」も演っているが、こちらも正調ゴスペル・ヴァージョンといった感じ。ビリーはビートルズに関わった後、アップルを離れてA&Mに移籍し、その後はストーンズ(The Rolling Stones)のツアーに参加して大フィーチャーされる(ミックとの恋仲を疑われたことも・笑)。ロックの2大巨頭に深く関わった非凡な才能の持ち主。80年代以降はパッとしなかったのが残念(2006年没)。

オークションにて購入(¥555)

  • CD (2003/12/1)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : EMI Import
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