マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ナニー・マクフィーの魔法のステッキ

2010-10-16 09:18:12 | 映画ーDVD

ーナニー・マクフィーの魔法のステッキーNANNY MCPHEE

2005年 アメリカ/イギリス/フランス

カーク・ジョーンズ監督 エマ・トンプソン脚本(ナニー・マクフィー)クリスティァナ・ブランド原作 コリン・ファース(セドリック・ブラウン)ケリー・マクドナルド(エヴァンジェリン)アンジェラ・ランズベリー(アデレード)セリア・イムリー(クイックリー夫人)デレク・ジャコビ(ホィーン氏)イメルダ・スタウントン(ブラザウィック夫人)トーマス・サングスター(サイモン)ホリー・ギブス(クリッシー)

 

【解説】

イギリスの児童書「ふしぎなマチルダばあや」を、『ウェイクアップ! ネッド』の新鋭、カーク・ジョーンズ監督が手がけた魅力的で上質なファンタジー映画。主人公のナニー・マクフィーをユーモアたっぷりに演じるのは、本作で脚本も担当する『いつか晴れた日に』の才媛エマ・トンプソン。共演は『秘密のかけら』のコリン・ファース。笑いとロマンス、そして教訓ありの夢見る楽しさを思い出させてくれる秀作。

 

【あらすじ】

妻を亡くしたブラウン氏(コリン・ファース)には長男のサイモン(トーマス・サングスター)を筆頭に7人の子供がいた。やんちゃな彼らは17人目にもなる子守りも追い出すことに成功。新しくやって来たナニー・マクフィー(エマ・トンプソン)も追い出そうとするが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

子供向けのファンタジー映画ですが、大人が見ても十分に面白いですよ。

子供たちもかわいいし、コリン・ファースはこういう真面目ぶった役が面白くてぴったりです。

コリン・ファース(セドリック・ブラウン)と7番目の子供のアビー

 

いたずらしていない時はこんなにかわいい

 

エマ・トンプソンも自身の脚本とあって、メイクにも力が入り、とても凝っています。

 

懐かしい映画「メアリー・ポピンズ」も思い出して、とても嬉しい気持ちになるけど、この7人の子供たちは、さらに一筋縄ではいかないいたずらっ子たちです。

すごい仕掛けを次々に繰り出して、大人たちを苦しめます。

そこに登場する、魔女のような風体のナニー・マクフィー。

自分で決めた課題を次々にクリアして、子供たちを躾けていきます。

 

こんな凄腕の乳母が欲しい家庭もあるのでは?

 

でも、やはり子供たちに必要なのは愛情なのですよね。

親が変われば子供たちも変わる。

みんなとても頭のいいいい子たちなのですから。

 

薦めてくれたNAKAちゃん、ありがとう。

未見の方は、ぜひ見てくださいね。

 

 

長男のサイモン役のトーマス・サングスター。「ラブアクチュアリー」ではとてもかわいかったけど、ここではしっかりものの長男でした。

 


ナイト&デイ

2010-10-07 09:23:56 | 映画ー劇場鑑賞

ーナイト&デイーKNIGHT AND DAY

2010年 アメリカ

ジェームズ・マンゴールド監督 トム・クルーズ(ロイ・ミラー)キャメロン・ディアス(ジューン)ピーター・サースガード(フィッツジェラルド)ポール・ダノ(サイモン)マギー・グレイス(エイプリル)ジョルディ・モリャ(アントニオ)

 

【解説】

いい男との出会いを夢見る平凡な女性がミステリアスな男と偶然の出会いを果たすも、その男がスパイだったために大騒動に巻き込まれるというラブストーリーをベースにしたアクション。『バニラ・スカイ』で共演したトム・クルーズとキャメロン・ディアスが再び顔を合わせ、命懸けのアドベンチャーに挑むハメになる男女をコミカルに演じる。監督は、『ニューヨークの恋人』のジェームズ・マンゴールド。アイルランドやスペインなどを舞台に繰り広げられる大迫力のアクションが見ものだ。

 

【あらすじ】

ジューン(キャメロン・ディアス)はある日、えたいの知れない男(トム・クルーズ)と思いがけない出会いを果たすが、その男はジューンが夢に見た理想の男性どころか、重要任務を負ったスパイだった。予想外の裏切りや暗殺者による執拗(しつよう)な攻撃が日増しに強くなる中、ジューンは男に対して疑念を抱き始める。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この映画「ナイト&デイ」のナイトはnightではなく、Knightなの、気がつきましたか?

ネタバレでいうけど、トム・クルーズが演じている主人公のロイ・ミラーの本名がKnight。

スパイ映画の振りをしているけど、ロマコメなのよ。

 

先行上映に行ってきました。

 

☆ネタバレ

父から受け継いだ自動車修理工場を経営するジューン(キャメロン・ディアス)。

父の残した古い車を修理して、妹の結婚式にプレゼントするため、カンザス州から自動車部品を大量に買い込んで、ウィチタの飛行場にいた。

好青年のロイ・ミラー(トム・クルーズ)と2度ぶつかり、一目惚れ。

飛行機の中でもうきうき。

でも、ロイと関わったことで、ジューンの運命は大きく変わって行きます。

 

飛行機のトイレから出てきたら、乗客は全員死んでいるし、クルーまで。

ロイは、飛行機を不時着させ、爆破してしまう。

ジューンはクスリで眠らされ、目覚めたら自分の家にいて、ロイ手づくりの朝食が作ってあった。

 

ロイの予言した通り、CIAを名乗る男たちに拉致され、またもやロイに救われる。

ロイとジューンは運命共同体となり、天才科学者サイモン(ポール・ダノ)を探してオーストリアの鉄道へ。

 

CIAは執拗に追って来るし、武器商人のアントニオの一味も追って来る。

ジューンはロイを信じ切ることができるのか。

ロイは、サイモンとジューンを守り切ることができるのかー?

 

この結末は、映画館で見てね!!

絶対死なない、絶対ハッピーエンドのアクションたっぷりのラブコメです。

安心して楽しんでくださいね。

面白いよ。

 


ライフ・イズ・ミラクル

2010-10-07 09:18:23 | 映画ーDVD

ーライフ・イズ・ミラクルーLIFE IS A MIRACLE/HUNGRY HEART/LA VIE EST UN MIRACLE!

エミール・クストリッツァ監督 スラヴコ・スティマチ(ルカ)ナターシャ・ソラック(サバーハ)ヴク・コスティッチ(ミロシュ)ヴェスナ・トリヴァリッチ(ヤドランカ)ニコラ・コジョ(フィリポヴィッチ)アレクサンダル・ベルチェク(ヴェーリョ)ストリボール・クストリッツァ(アレクシチ)ミリャナ・カラノヴィッチ(ナダ)

 

【解説】

『パパは出張中!』『アンダーグラウンド』でカンヌ映画祭のパルムドールを2度受賞し、『黒猫・白猫』でヴェネチア映画祭銀獅子賞最優秀監督賞を獲得、『アリゾナ・ドリーム』でベルリン映画祭銀熊賞審査員特別賞に輝いたエミール・クストリッツァ監督作品。主演は『アンダーグラウンド』のスラヴコ・スティマチ。監督はデヤン・スパラヴァロ とともに音楽も手がけている。タイトル通りミラクルのラストは必見!

 

【あらすじ】

1992年のボスニア。セルビア人で鉄道技師のルカ(スラブコ・スティマチ)は、セルビアとの国境に近い片田舎の村に、オペラ歌手の妻ヤドランカ(ヴェスナ・トリヴァリッチ)と、プロのサッカー選手をめざす息子のミロシュ(ブク・コスティッチ)とともにやってくる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

エミール・クストリッツァ監督作品「ウエディングベルを鳴らせ」に感動して、この作品も見ました。

こちらの方が評価は高いようですが、私は「ウェディングベル~」の方が好きだな。

 

私が小学生の頃は、「ユーゴスラビア、首都はベオグラード」と習いました。

その国が今はスロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、マケドニアという国に分かれています。

 

このお話がセルビアとボスニアの国境の鉄道建設現場であり、時が1992年というボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が激化していく時代です。

ちょっと調べたくらいでは、なぜこの紛争が起きたかは私にはわかりません。

民族と宗教と歴史が深く関わっているからでしょう。

 

クストリッツァ監督自身もこの紛争で近親者を亡くされているようで、彼の作品のテーマにはどうしてもその傷跡が入ってくるようです。

でも、彼が世界に発信したいのは、自分の不幸事ではなく、人と人が争うことのばかばかしさ、不毛さ、愛することの大切さだと、ひしひしと伝わってくるところが、彼の作品のすごさだと思いました。

 

この作品も、とてもファンタジックで動物たちが人間と同様に、個性的で確立したキャラクターとして登場します。

クマや猫や犬、馬などなど…その中でも失恋して自殺願望のあるロバは、大活躍をしてくれました。

 

鉄道技師のルカ(スラブコ・スティマチ)はオペラ歌手で市長の妹でもある妻ヤドランカ(ヴェスナ・トリヴァリッチ)と、プロのサッカー選手をめざす息子のミロシュ(ブク・コスティッチ)とともに、ボスニアのセルビア国境に近い鉄道建設現場にやって来る。

 

ヤドランスカは退屈な田舎暮らしでノイローゼ気味。

でも、ルカは大きな鉄道模型を作りながら楽しい毎日でした。

 

そんなある日、ミロシュに徴兵とプロサッカーへの招聘という、明と暗の知らせが同時に届きました。

ミロシュの軍隊に入る出征パーティの夜、ヤドランスカはなにを血迷ったか、ハンガリー人の音楽家と駆け落ちをしてしまいました。

 

戦争は激化して行き、この村も砲撃を受けることになります。

そんなある日、ミロシュが捕虜になったという知らせが。

さらに、ミロシュと捕虜交換するためにと連れて来られたムスリムの女性サバーハとルカは、しばらく同居することになりました。

 

二人は恋に落ち、命をかけた逃避行に出ますが、サバーハは撃たれ、瀕死のところを軍隊に保護されました。

そして、捕虜交換でルカの手の届かないところに連れて行かれてしまいました。

 

幸いミロシュは無事戻り、ヤドランスカも戻ってきましたが、ルカの心は晴れません。

 

トロッコに乗ってトンネルをくぐり、自殺まで考えたのですが…。

 

失恋に勝る辛さはないと思うけど、素敵なルカには希望を持って生きてもらいたいと思いました。

 

 


インフォーマント!

2010-10-07 09:15:01 | 映画ーDVD

ーインフォーマント!THE INFORMANT!

2009年 アメリカ

スティーヴン・ソダーバーグ監督 マット・デイモン(マーク・ウィテカー)スコット・バクラ(ブライアン・シェパード捜査官)ジョエル・マクヘイル(ボブ・ハーンドン捜査官)メラニー・リンスキー(ジンジャー・ウィテカー)

 

【解説】

自社内の不正を内部告発した男の運命と、彼の供述に基づいて捜査するFBIの奔走を描くダーク・コメディー。『オーシャンズ』シリーズのスティーヴン・ソダーバーグ監督が、アメリカ経済史上最も地位が高い内部告発者の実話を映像化。告発することで自己を英雄視し、スパイ気取りで証拠を探す主人公を、マット・デイモンが熱演。見切り発車で捜査を始めた当局の混乱と、事実と空想が混在した証言を繰り返す男の深層心理に注目。

 

【あらすじ】

アメリカの大手穀物商社に勤めるマーク・ウィテカー(マット・デイモン)は将来を嘱望された優秀な社員だったが、会社が国際価格カルテルを結んでいると内部告発する。告発を受けたFBIは捜査を開始してマーク・ウィテカーに物証を迫るものの、重要証人である彼は供述を二転三転させ、立件自体が困難になっていく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

企業内部告発の本当にあったお話、というので、「インサイダー」のような社会派の映画かと思っていたら、ずいぶん印象は違いました。

 

まず、主人公のマーク・ウィテカーを演じるマット・デイモン。

つい先日、ボーン・シリーズを友達と一緒に見て、すごーく面白くてまだ余韻に浸っていたものですから、このマットには唖然。

 

でっぷり太って、まったくアクションなんて想像もできない体。

性格も変だし、考えていることも変。

髪型も変。

 

☆ネタバレ

マークは穀物から食品添加物を作る会社の重役。

技術畑から経営陣に入ってきた優秀な人材です。

妻と子供と平和な家庭があります。

 

ある日、会社の製品のリジンにウィルスが混入し、経営陣から責任を問われる。

マークは「日本の会社がスパイを使ってウィルスを混入させ、脅迫もしてきた」と上司に報告する。

脅迫されたお金を最小にして治めるという計画だったが、上層部はFBIに通報した。

 

マークは、FBIに協力する上に、会社の価格カルテルを内部告発。

ここから2年半に及ぶ情報提供者(THE INFORMANT!)としてのマークの生活が始まった。

 

FBI捜査官との個人的なつながりもでき、マークは007ならぬ、その倍優秀な0014とご満悦でした。

 

ところが、マークに出世の話が持ち上がり、内部告発にも消極的になるが、この告発が社長への道につながると信じ込んだマークは、とうとう決定的な証拠を提出することに成功した。

 

普通は、ここで終わり。

「悪が滅んで善が勝つ」というわけですが、この映画はここからが見所でした。

 

☆さらにネタバレ

実は、ウィルス混入もマークの自作自演、日本の企業の恐喝もウソ。

そのウソを隠すための内部告発だったのです。

そして、さらに暴かれるマークのリベートや横領など悪行の数々、ついに犯罪者として刑務所に入るハメになってしまいました。

 

悪銭身に付かず、ウソの上塗りは結局自滅の道という意外な結末でした。

 

最初からユルいコメディタッチでしたが、この結末では笑わないと仕方がないわーと思いました。

 


日本を愉しむ出雲 2日目

2010-10-04 11:56:35 | Weblog
日本を愉しむ出雲
2日目 「八雲立つ出雲八重垣」を見た!!

翌日は5時40分に起床して、お化粧もせずにバスに乗り込み、須我神社にお参りに行きました。




さらにバスに乗り、奥の宮へ。


参道の両側には和歌を刻んだ石碑が並んでいました。




参道の先には、写真のような「夫婦岩」と呼ばれる巨石がありました。

小さなほこらに手を合わせてお参り。

清々しい気分になりました。

宿へ帰るバスの車窓からは「八雲立つ出雲八重垣」そのままの風景を見ました。

これぞ神話の世界。

素晴らしい景色でした。




この景色が見られただけでも、出雲に来たかいがあったというものです。

やはり、早起きは三文の徳!!


朝食の後、大急ぎで出発したのですが、あいにく市民マラソン開催の影響で、道路は大渋滞。

再び「佐太神社」へ向かいましたが、予定は大幅に遅れました。


佐太神社境内


窓口では、昨日の舞い手の方がお札やお守りを売っていました。

「ご苦労様でした、感動しました」と声をかけさせていただきました。


正式参拝をしていただき、そのあと穏やかな口調で宮司さんがお話を聞かせてくださいました。

日頃無為徒食に走っている私でも、心が改まるようでした。


佐太神社の宮司さん、大変お世話になりました。


佐太神社を後にして、松江市内で買い物の予定ですが、ここも大混雑していました。

とりあえず、お土産を買う時間を取ってもらいましたが、昼食の予約もあり、大急ぎでした。


昼食は出雲大社近くのそば屋。

美味しいおそばでしたが、それも大慌てで食べて、県立古代出雲歴史博物館へ。

ボランティアガイドさんに大急ぎで案内してもらって、出雲大社に参拝。

出雲大社は遷宮中で、全容は見ることはできませんでした。


博物館のティールームでは、ジンジャエールをいただきました。

ここのジンジャエールは、出雲名物の生のショウガをおろして、発砲水で割って黒蜜をかけていただきました。

とても美味しかったです。


勝部さんオススメの本、「神々と歩く出雲神話」(藤岡大拙著NPO法人出雲学研究所)を買っていたら、バスに乗るのが最後になってしまったので、焦って走りました。

最後まで慌ただしい旅行でした。


それでも、古代日本と神話の国ー出雲のロマン旅行にはとても満足しました。

神代の時代の神様のこと、いにしえの面影を今も残す風景、現代人の生活にも息づく伝統など、肌で感じたものが多い旅でした。

「国譲り」の神話の話を読みながら、当時の権力者はどのようにして国家としての形を作っていったのかしらー?

などと古代の謎に一歩踏み込んだようで、さらに古代への憧れの気持ちが膨らみました。


勝部さん、次回の旅行は2泊にして、食べたり飲んだりもゆっくりできる企画にしてねー。

 


日本を愉しむ出雲 1日目夜

2010-10-04 11:48:50 | 旅行

ー日本を愉しむ出雲ー

1日目夜「佐陀神能」を愉しむ

 

この旅行の目玉、佐太神社の「佐陀神能」鑑賞です。

野外とは聞いていましたが、雨模様なのでテントぐらいあると思っていたのが、甘かった!!

舞殿の周りに椅子が置かれていて、前の方の良い席を確保してもらっていましたが、客席は露天でした。

 

舞殿(翌日に撮影)

 

始まる前に、宮司さんの丁寧な説明を聞きました。

「佐陀神能」は9月24日と25日に行われる「御座替祭」に奉納される神楽です。

「御座替祭」は佐太神社の本殿三社末社すべての御神座のゴザを取り替える祭りです。

24日にはゴザを清め、神々をお招きする清めの舞い「七座神事」が行われ、25日には「式三番」「神能」が奉納されるのです。

 

この日はまず、「七座神事」から始まり、「式三番」に続き、「神能」の演目の中から「大社」「日本武」「八幡」「八重垣」が演じられました。

 

七座神事の一部

 

「神能」のいわれは、いつの時代か聞き漏らしましたが、佐太神社の宮司が都に上った折りに、猿楽能を見てこの神楽を考案したと言うことです。

「式三番」は能楽でも演じられる三番叟に似ていました。

 

 

後の演目は、出雲神話からの題材で、ユニークな仮面を付けてなかなか滑稽な舞いでした。

 

大社

 

大社

 

日本武(手前がヤマトタケル向こうが神、神がヤマトタケルに草薙の剣を与えるシーン)

 

日本武(ヤマトタケルが駿河の国で闘った東夷)

 

八重垣(スサノオ)

 

八重垣(ヤマタノオロチーヤマタノオロチは頭が8つ尾が8つ、目はホオヅキのように赤く…と表現されていますが、この神能のオロチは、お面に8対の目が描かれいるとてもユニークなものでした)

 

八重垣(スサノオにおろちが退治されるところ)

 

私は神楽には疎いのですが、それでも想像していたものとは全く違っていて、私の目にはとても新鮮で楽しいものに映りました。

 

途中雨が何度も激しく降り、気温もグンと下がって、見ている人は大変でした。

でも、演者たちは神事ということで動じることもなく、終始厳かに演じられていました。

宮司さんから「神事なので拍手もしてはいけない、一番最後にお願いします」といわれていたので、演者の皆さんの熱演に感動しても、客席は静かでした。

一部、地元の方と思われるヨッパライが絡んでいましたが、それもご愛嬌でした。

 

すごく面白い演目なのに、後継者不足なのでしょう、ほとんどの舞い手が出ずっぱりで、なかなかの重労働に思いました。

ひとり、イケメンが頑張っておられて、舞の方はまだぎこちない感じでしたが、彼のような志のある人が引き継いで欲しいと思いました。

 

演目自体がとても面白いので、神事である事を忘れそうでした。

「八重垣」のヤマタノオロチにはげらげらと笑ってしまいました。

この「神能」について勝部さんがもうすぐ本を出されるということなので、楽しみです。

 

バスで宿に戻ったのは、午前0時に近かったと思いますが、宿の好意で1時までお風呂を開けてくださいました。

お陰で、冷たくなった体を温めてよく眠ることができました。

 

 


 


日本を愉しむ出雲 1日目

2010-10-04 10:40:55 | 旅行

ー日本を愉しむ出雲ー

強行スケジュールの旅行始まる

 

日本中の夏の熱気が入れ替わった9月の終わりに、出雲へバス旅行に行きました。

主催は「日本文化研究所なら」(紹介記事http://www.nara-np.co.jp/20100203104614.html)です。

 

ここで募集されているスペイン旅行は終わっています。

 

主催の勝部月子さんは私の大学の先輩で、帝塚山大学講師です。

 

勝部さんの親しい友人つながりで、彼女の故郷島根を案内していただきました。

神話の国出雲の旅は、ロマンをかき立てます。

 

旅行日程を見ると、1日目の23時まで佐太神社の神事を見せていただき、翌朝は6時から須我神社と奥の宮の参拝が組まれていました。

ひゃあ、いつ寝るの?と驚きましたが、それどころではない強行軍でした。

グルメがつきもののいつもの旅ではなく、とてもアカデミックな(私らしくない)いたって高尚な旅となりました。

 

出発は奈良が7時大阪が8時の予定ですが、むしろ15分ほど早く出発できました。

でも、最初の昼食場所である松江市島根町小波の民宿「なかよし」に着いたのは13時を回っていました。

 

ここの民宿のお魚料理はとても美味しかったです。

次回は、「冬の日本海の荒波をただ眺めるだけの旅」を企画してくれるそうです。

「なかよし」さんではカニも名物だそうですので、とても楽しみです。

 

昼食の後は「加賀の潜戸(かかのくけど)」を遊覧船で訪ねる予定でしたが、波が荒くて船が出ないということで、遊覧船乗り場でDVDを見せていただきました。

詳しいことはHPで。http://asokoi.shimanecho.jp/shisetsu/kukedokanko/index.html

 

このあたりは、岩が波に寝食されて洞窟になっていたりトンネルのようになっていたりするのですが、特に「加賀の潜戸」と呼ばれるところは、佐太神社の祭神・猿田毘古大神(サルタヒコノオオカミ)がお生まれになったところと伝えられています。

ここは、夏至のころに朝日が真正面から当たり、洞窟の中が黄金に輝くそうです。

 

猿田毘古大神の母キサカヒメが産屋を探していたところ、「加賀の潜戸」のあたりに金の矢を射通して、そこが金色に輝いたので「カカ」という地名になったそうです。

 

そして、もともと「加賀の潜戸」に祀られていたという「加賀神社」へ。

 

今は「加賀神社」ですが、昔は「潜戸大神宮」と言われた。

 

宮司さんが丁寧に迎えてくださり、お祓いをしてくださいました。

神殿は狭いけれど、その四方の壁には立派な絵馬が飾られていました。

 

絵馬の説明をしてくださる宮司さん

 

ほとんどが江戸時代、北前船の寄港地として栄えていた頃のもの。

加賀の裕福な人たちが、大阪の絵師に描かせて奉納したものでした。

最後は明治のものでしたが、素晴らしい青色で、今ではどうやってこの色を出したかわからないそうです。

 

 

次は八重垣神社。

資生堂の「TSUBAKI」のアイコンの元になった椿の木がありました。

 

神社の境内では結婚式が行われてしました。

 

 

素盞嗚尊(スサノオノミコト)と櫛稲田姫(クシイナダヒメ)が祀られていて、八重垣神社の名前の由来は、櫛稲田姫が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)に食べられる寸前に素盞嗚尊が助け、八岐大蛇を倒し、「八雲立つ出雲八重垣妻込みに八重垣造る其の八重垣を」と詠んでこの地で住んだという故事から来ています。

このことから、縁結びの神としても名高く、奥の院の鏡の池では、紙にコインを浮かべて良縁をお祈りする人がたくさんいました。

ちょうどこの日は結婚式も行われていました。

 

次に訪れたのが神魂神社(かもすじんじゃ)。

 

 

この神社は、古代出雲の中心地にあり、出雲の国造が天穂日命から数えて25代まで奉仕してきたと言われる神社です。

現在の出雲の造である出雲大社の宮司家が、国造の代替わりのときには身を清めるためにこもる神社だそうです。

 

ようやく宿に入り、立派な夕食。

 

 

なのに…あわただしくすませて、またバスに乗って出かけました。

 


オカンの嫁入り

2010-10-04 08:47:02 | 映画ー劇場鑑賞

ーオカンの嫁入りー

2010年 日本

監督=呉美保 キャスト=宮崎あおい(森井月子)大竹しのぶ(陽子(月子の母))桐谷健太(服部研二)絵沢萠子(上野サク)國村隼(村上章)林泰文(本橋信也)斎藤洋介(佐々木義男)春やすこ(島村幸)たくませいこ(和田真)友近(小谷聖子)綾田俊樹(猪瀬亮二)

 

【解説】

長年、母一人子一人で仲良く暮らしてきた母娘が、母親の突然の再婚宣言によって揺れ動くさまを、ユーモラスかつ温かく描いた人間ドラマ。第三回日本ラブストーリー大賞ニフティ/ココログ賞を受賞した人気小説「さくら色 オカンの嫁入り」を、『酒井家のしあわせ』の呉美保監督が映画化。母娘には大竹しのぶと宮崎あおいがふんし、親子の葛藤(かっとう)をリアルに体現する。ぶつかり合いながらも互いを思う母娘、そして彼らを見守る周囲の人々の姿が温かな感動を誘う。

 

【あらすじ】

陽子(大竹しのぶ)と娘の月子(宮崎あおい)は、ずっと母一人子一人で仲良く支え合って暮らしてきた。ある晩、酔っ払った陽子が若い金髪の男・研二(桐谷健太)を連れて帰ってきて、彼との結婚を宣言する。あまりに突然の事態に戸惑う月子は、母に裏切られたという思いから陽子にも研二にも素直に心を開けず、家を飛び出してしまうが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

大阪の離れのある民家が舞台で、母と娘の葛藤がテーマ、面白そうだなあと思って見に行きましたが…。

 

陽子(大竹しのぶ)と娘の月子(宮崎あおい)は、月子の父親が月子が生まれる前に亡くなってから、大家のサクちゃん(絵沢萠子)の離れを借りて母一人子一人で暮らしてきた。

そんなある日、陽子は研二(桐谷健太)を連れて来て、結婚すると宣言しました。この3人を中心に、サクちゃん(絵沢萠子)や陽子の勤務先の村上医師(國村隼)が絡んでお話は展開していきます。

 

サクちゃんは、まるで月子のおばあちゃんのようだし、村上先生も月子のお父さんのようです。

そして、サクちゃんの家によく遊びにきている主婦(春やすこ・友近)は、家族が夕食を食べ始めてもおしゃべりしてみかんを食べているのにはびっくりしました。

 

大阪人がいくら厚かましいといっても、食事の支度が始まったら帰るけどなあ。

 

☆ネタバレ

月子のストーカー被害のエピソードあたりから、物語のトーンが変わり、少しだれてきます。

そして、クライマックスの陽子の白無垢姿のシーンは、感動からはほど遠くなってしまいました。

 

母の不治の病があっての母娘の和解のようになってしまったのが残念でした。

 

登場人物がみんないい人過ぎるのも不自然な感じでした。

大阪は人情の町とはいえ、大家さんや村上医師の関係は家族以上で、あり得ない感じでした。

もう少しクールに描いた方が良かったんじゃないかなあ。



メッセージ そして、愛が残る

2010-10-03 10:26:48 | 映画ー劇場鑑賞

ーメッセージ そして、愛が残るーAFTERWARDS/ET APRES

2008年 ドイツ/フランス/カナダ 

ジル・ブルドス監督 ロマン・デュリス(ネイサン)ジョン・マルコヴィッチ(ケイ)エヴァンジェリン・リリー(クレア)

 

【解説】

「時空を超えて」などの小説で有名な、ギヨーム・ミュッソのベストセラー小説を映画化した人間ドラマ。息子の死をきっかけにばらばらになっていた家族が、人の死を予見できる能力を持つ医師との出会いによって再生するまでを追う。心を閉ざした主人公に『PARIS(パリ)』のロマン・デュリス。彼の妻に『ハート・ロッカー』のエヴァンジェリン・リリー、謎めいた医師を、ベテランのジョン・マルコヴィッチが熱演する。美しい映像と共に描かれる、悲しくも切ないクライマックスに涙する。

 

【あらすじ】

ニューヨークの法律事務所に勤めるネイサン(ロマン・デュリス)は、ある日突然幼い息子を亡くすという悲劇に見舞われる。彼はその事実に耐えられず、妻(エヴァンジェリン・リリー)や娘(サラ・ウェイスグラス)と離れて仕事に没頭していた。そんな彼のもとに、セントルイス病院の医局長ジョセフ(ジョン・マルコヴィッチ)が訪れる(シネマトゥデイ)

 

【感想】

最初は、何がなんだかわからなかった。

 

☆ネタバレ

小さな女の子と男の子が二人、湖のほとりの桟橋で遊んでいて、女の子が桟橋の板を踏み抜いて、湖に落ちそうになる。

男の子の力では引き上げられないので、大人を呼びに道路へ飛び出したとたんに、車にはねれてしまう。

 

男の子は、ネイサン(ロマン・デュリス)。

三途の川(たぶん)までいったところで戻されて、この世に帰ってきた。

男の子はフランス語しか話せないらしい。

医師が通訳を交えて英語でいろいろ質問していた。

 

ネイサンは成人して弁護士になり、ニューヨークで働いている。

非情な敏腕弁護士だが、家族と別れ孤独だった。

そこに、セントルイス病院の医局長ケイ(ジョン・マルコヴィッチ)が現れ、ネイサンに「自分は人の死がわかる」と伝える。

 

ネイサンは自分の死を予告されたと思い込み、ニューメキシコにいる妻と娘との絆を取り戻そうと家族の元へ。

ケイとともに。

 

ネイサンの妻クレア(エヴァンジェリン・リリー)は、昔湖に落ちた少女だった。

死線をさまようネイサンの元へ毎日お見舞いに行き、二人は親友となり、そして、恋人となり、結婚した。

娘が生まれ、息子も生まれ、幸せの絶頂に会った時、赤ちゃんの突然死で息子を亡くした。

ネイサンは弁護士らしく、死の原因を追求したかった。

クレアは拒否した。

二人の間には溝ができ、ネイサンはひとりニューヨークへ旅だったのだった。

 

そして、ケイは少年のネイサンに質問したあのときの医師だったのだ。

ケイはずっとネイサンを見守り続けていた。

彼が自分と同じ「メッセンジャー」であることを教えようとしていた。

 

メッセンジャーとは、人の死がわかり、人にそれを伝え、この世とのお別れをさせてあげる人のことのようでした。

とても難しく、辛い役目。

 

実は、死はネイサンではなく、愛する誰かに訪れるという悲劇の幕切れでした。

 

テーマは「死」なので暗いですが、前半はサスペンスタッチで進行するので、引き込まれます。

後半は、イメージフィルムのような美しい映像で、うっとりしました。

カメラがアジアを代表するカメラマン、リー・ピンピンと聞いて、納得でした。

 

「死」を象徴する植物として月下美人の花が出てきます。

誰にでも平等に訪れるとはいえ、身近な人の死や愛する人の死は受け入れがたいものです。

でも、その覚悟も必要だと言うことでしょうか。

 

 

 

 


ミックマック

2010-10-02 09:41:36 | 映画ー劇場鑑賞

ーミックマックーMICMACS A TIRE-LARIGOT/MICMACS

2009年 フランス

ジャン=ピエール・ジュネ監督 ダニー・ブーン(バジル)アンドレ・デュソリエ(ド・フヌイ)オマール・シー(レミントン(言語オタク))ドミニク・ピノン(フラカス(人間大砲))ジュリー・フェリエ(ラ・モーム・カウチュ(軟体女))ニコラ・マリエ(フランソワ・マルコーニ)ヨランド・モロー(タンブイユ(料理番))ジャン=ピエール・マリエール(プラカール(ギロチン男))ミシェル・クレマデ(プチ・ピエール(発明家))マリー=ジュリー・ボー(カルキュレット(計算機))

 

【解説】

頭に銃弾を受け仕事も家も失った男が、個性的な仲間たちと共に、自分の人生をブチ壊した者たちに仕返しを謀るコメディームービー。『デリカテッセン』『アメリ』などのヒット作を手掛けたジャン=ピエール・ジュネ監督が脚本も兼ね、主演をフランスを代表するコメディアン、ダニー・ブーンが務める。人生を清算しようとする男のドラマをユーモラスかつファンタジックなストーリーで紡ぎ出す名匠の演出が光る。

 

【あらすじ】

発砲事件で頭に銃弾が残ってしまったバジルは、ガラクタ修理屋のプラカールと出会い、ユニークな仲間たちと共にガラクタ集めを手伝うことに。新たな人生を得たバジルだったが、ある日、頭のピストルの弾を作っている会社と父の命を奪った地雷製造会社を発見。人生をメチャクチャにした死の商人に仕返しをしようと企む。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

主人公のバジル(ダニー・ブーン)のほんわかした表情がとてもステキです。

でも彼は、とても過酷な運命を乗り越えてきたのです。

 

☆ネタバレ

バジルの父親は地雷撤去の仕事をしていて、誤って爆死しました。

お母さんは精神を患って入院し、バジルは孤児院に預けられましたが、脱走しました。

 

30年後、レンタルビデオ屋で働いていたバジルは、店の前の銃撃戦に巻き込まれて頭に被弾しました。

すぐに病院に運ばれ、手術するときに、医者が「弾を取り出して植物人間になるか、そのまま残して寿命は天に任せるか」で悩み、コイントスの結果、手術は取りやめということになりました。

 

退院してみると、アパートは片付けられて、荷物は盗まれて、仕事もなくしていました。

路上生活者となって、ロボットダンスなどして日銭を稼ぐ毎日でした。

 

そんなある日、プラカール'ジャン=ピエール・マリエール)という長い間刑務所暮らしをして、死刑になり損なって釈放された男に声をかけられ、はみ出しものたちが暮らす隠れ家に案内されました。

料理番(ヨランド・モロー)が仲間に入れることを承認して、他のみんなも賛成したので、バジルはここの家族になりました。

仕事は廃品回収です。

大人のおもちゃ箱のようです。

 

ある日、バジルは自分の父親が死んだ地雷を作っている会社と、頭の中の銃弾を作っている会社が向かい同士にあり、ライバル関係にあることを知ります。

しかも、社長同士の仲が悪い。

 

そこで、バジルは仲間たちと一緒に、この二つの会社の社長をぎゃふんと言わせる大作戦を始めるのでした。

 

みどころは、一風変わった仲間たちがユーモアいっぱいにバジルに協力して活躍するところです。

しかも、かなり大掛かり。

痛快です。

 

夢も希望も失っていたバジルが、生きる目的をみつけ、その壮大な計画に向かって突き進んでいく様が、とても面白い作品です。

 

そして、最後には幸せが…。

 

笑えて、少し心がほっこりする作品でした。