マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

デス・プルーフ in グラインドハウス

2007-09-15 14:42:15 | 映画ー劇場鑑賞
ーデス・プルーフ in グラインドハウスー
2007年 アメリカ クエンティン・タランティーノ監督 カート・ラッセル 、ロザリオ・ドーソン 、ローズ・マッゴーワン 、シドニー・ターミア・ポワチエ 、ゾーイ・ベル 、マイケル・パークス 、メアリー・エリザベス・ウィンステッド 、ヴァネッサ・フェルリト 、ジョーダン・ラッド 、トレイシー・トムズ 、マーリー・シェルトン 、ニッキー・カット 、イーライ・ロス 、クエンティン・タランティーノ

【解説】
映画オタクとして知られるクエンティン・タランティーノ監督が、リスペクトする1970年代から80年代のB級ホラーにオマージュを捧げたエキセントリック・ムービー。グラインドハウスとは、低予算のB級映画ばかりを2、3本立てで上映する映画館の総称で、グラインドハウス映画特有の傷やブレ、リールのダブりもあえて再現した。カート・ラッセルふんする連続殺人鬼と、『キル・ビル』でユマ・サーマンのスタントを務めたゾーイ・ベルが繰り広げるカー・チェイスは迫力満点。

【あらすじ】
スゴ腕スタントマンのマイク(カート・ラッセル)は、愛車“デス・プルーフ”に乗り、美女をナンパしては死のドライブに誘っていた。ある日マイクは、テネシー州で豪快なスタントライドを楽しむ3人の女性たちに目をつける。いきなり車をぶつけ、しつこく追い回すマイクにキレたゾーイ(ゾーイ・ベル)たちは、決死の猛反撃に挑む。 (シネマトゥデイ)

【感想】
この映画は、まさにグラインドハウスでやっているように、フェィクの予告編も何本か作って、ロバート・ロドリゲス監督の「プラネット・テラー in グラインドハウス」と2本立てで上映する企画だったそうです。
実際にアメリカではこの形式で上映されているのですが、そのために本編をだいぶカットしたらしい。
そこで日本では、ディレクターズカット版で1本ずつ公開することになったということです。

で、この作品、やっぱりタランティーノだなあ。
期待を裏切りません。
面白い!!

わざとノイズやリールのひっかかりみたいなのを入れながら、それでもそれが気にならないくらい引き込まれていきます。

最初はバッドガールズたちの無駄話。
「パルプフィクション」や「レザボアドックス」を思い出させます。
でも、この子たちの会話実にくだらないのよね。
私、少しうとうとしてしまいました。
タランテイーノがバーのオーナーで出演しています。
「きゃ、広いおでこ!!」と思ってしまいました。




ところが、急に始まります。
デス・プルーフ仕様の車に乗った男が仕掛ける恐ろしいことが!!
それは見てのお楽しみです。
デス・プルーフって?
それも見ましょう。

後半もまた、ガーリートーク。
映画撮影のために集まったスタントウーマンのキム(トレイシー・トムズ)とメイク係のアバナシー(ロザリオ・ドーソン)、新進女優のリー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド )。
そこに、スタントマンのゾーイ(ゾーイ・ベル)が加わります。
でも、この人たちのおしゃべりは面白い。
一緒のお店に居合わせたら、耳がダンボになっちゃうでしょうね。

☆ここからはネタバレ!!
ゾーイの提案で映画「バニシングポイント」で使われた70年型ダッジ・チャレンジャーに試乗することに。
最初はゾーイとキムだけで乗るはずだったのが、アバナシーのたっての願いで、同乗させることになりました。
ゾーイはみんなには内緒で、アクロバティックなスタントを企てていたのです。

窓枠にベルトをつないで、キムが車をスタートさせると、ゾーイはベルトを持ってボンネットへ。
ありえないようなスリリングなスタントを楽しんでいます。
最初は驚いていたアバナシーも大喜びです。

そこへ、前半に出てきた悪魔のような男スタントマン・マイク(カート・ラツセル)が彼女たちの車を追いかけてきて、猛烈なアタックを仕掛けます。
執拗に続く体当たりに耐えて、なんとか無事乗り切った女性たち。
今度は、反撃のために男を捜し始めました。

この後半がめちゃめちゃ面白い!!
CGはワイヤーを消すのに使っただけで、ほとんどが生身のアクションだそうです。
ゾーイ・ベルは「キルビル」でユマ・サーマンのスタントをやった人だそうで、彼女の華麗なスタントが堪能できます。

強面のマイクがやれちゃうところは、おかしいし、爽快です。
ちょっと彼女たちの言葉が汚いですが。

タランティーノ好きにはお薦め!!
(少数派かなあ?)

これで、「プラネット・テラー~」にもがぜん期待が膨らんできました!!
楽しみ!!

ところで、試乗なのにぽんこつ同然になっちゃった70年型ダッジ・チャレンジャーはどうするの?
ディーラーの元に残してきたリーは???
気になるなあ…

ショートバス

2007-09-15 14:32:15 | 映画ー劇場鑑賞
ーショートバスー
2006年 アメリカ ジョン・キャメロン・ミッチェル監督 ポール・ドーソン 、スックイン・リー 、リンジー・ビーミッシュ 、PJ・デボーイ 、ラファエル・バーカー 、ジェイ・ブラナン 、ピーター・スティクルス 、ジャスティン・ボンド

【解説】
ニューヨークを舞台に、人とのつながりや愛を求めてさまよう男女7人の姿を見つめたヒューマンドラマ。監督は前作『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』が大絶賛されたジョン・キャメロン・ミッチェル。2006年のカンヌ映画祭をはじめ、世界各国の映画祭で話題を呼んでいる。出演はラジオDJとしても活躍するカナダ出身のリー・スックインら。リアルで過激なセックスシーンと、その裏に込められた愛と希望のメッセージに注目だ。

【あらすじ】
恋愛カウンセラーでありながら、夫ロブ(ラファエル・バーカー)とのセックスでオーガズムを味わったことがないソフィア(リー・スックイン)。ある日、彼女はカウンセリングを受けに来たカップル、ジェイムズ(ポール・ドーソン)とジェイミー(PJ・デボーイ)の紹介で、ブルックリンにあるサロン“ショートバス”に足を踏み入れる。 (シネマトゥデイ)

【感想】
予告編だけでも十分に引いてしまう。
でも、あんまり世間の評判がいいので見に行くことにしました。

この日はレディースデイとあって大半が女性の観客で、少しほっとしました。
小さな劇場だけど、立ち見が出るほどの大盛況。

内容も少しは聞いていたので、かなり覚悟して見始めました。

ニューヨークで生活するいろんな人が出てきます。
みんなショートバスというサロンの常連たち。
ショートバスというのは、スクールバスなんだけど、小さなバスで、障害児とか天才児とか、手のかかる子供の送迎車だそうです。

そこへセックスカウンセラーのソフィアが足を踏み入れます。

とにかく、さまざまなセックスシーンのオンパレードなんだけど、嫌みも不快さもあまりありません。
恐いもの見たさの興味本位と言う感情もわいてこない。
むしろ、日本でだけかかっているらしいボカシの方がずっと卑猥だと感じました。

ジェームズの他人と関われない孤独感とか、自殺願望とか、SM女王のセヴェリンの自分の生きたい道と今の生活とのギャップからくる焦燥感とか、理解できる部分もあったし、ショートバスのオーナーの包容力も温かく感じたのですが、肝心のソフィアの満たされない思いが理解できなくて、もどかしく思いました。

彼女の悩みが不妊とかだったら、私にも理解できたんだろうなあ。
自分がもうすっかりおばさんだと思い知らされた感じです。

まあ、とにかく呆気にとられているうちに映画は終わりました。
観客の中には、声を上げてげらげら笑っている人が何人かいて、それがそれぞれ笑うツボが違っているところが面白かった。

ほんとセックスって、すごく個人的なものだし、普遍化するのも難しいので、反応する場所も違ってくるのだろうなと思いました。

それだけに、スクリーンに表現するのがすごく難しいテーマだと思うけど、この映画はとても真摯に作られていたと思いました。

でも私には、この映画のメッセージを読み取る力はありませんでした。

シッコ

2007-09-15 14:29:16 | 映画ー劇場鑑賞
ーシッコー
2007年 アメリカ マイケル・ムーア監督 

【解説】
『ボウリング・フォー・コロンバイン』がアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門に輝き、『華氏911』でカンヌ映画祭パルムドールを受賞したマイケル・ムーアの新作ドキュメンタリー。大いなる矛盾を抱えるアメリカの医療システムに、さまざまな観点からメスを入れていく。9.11同時多発テロ事件の際に活躍した消防隊員たちが治療を拒否され、今も衰弱性疾患に苦しんでいる事実を見つめるなど、ムーアらしい切り口にも注目だ。

【内容】
ドキュメンタリー監督マイケル・ムーアが、4700万人の無保険者だけではなく、保険料を支払っている数百人にもマイナスの影響を及ぼすアメリカの医療システムの実態を明らかにする。カナダ、イギリス、フランスを訪れ、国民全員が無料医療の恩恵を受ける国の事情を見つめながら、アメリカの混乱した医療制度を浮き彫りにしていく。 (シネマトゥデイ)

【感想】
オープニングのシーンがいきなりきついけど、それをクリアすれば、ムーア監督のうまい作りで、最後まで飽きることなく見れました。

オープニングの医療保険に入っていない人がテーマではなくて、保険に入っている人が良質な医療が受けれないというう、他人が聞いたらブラックユーモアみたいな話が続々と出てきます。
でも、患者さんたちは深刻です。
病気になってみないとわからないからくりだから。

まったく、自由の国アメリカ、民主主義の国アメリカで、こんな医療制度が行われているなんて、日本に生まれてよかったーという気になります。
でも待って、日本は保険の自由化、まさにアメリカの医療制度を目指しているですね。
日本の保険制度は国連の調査でもナンバ-1の評価を受けたらしいけど、あと10年ほどで破綻するとも言われています。

ただこの映画、いつものマイケル節よりトーンは低い感じがします。
当事者の保険業界や現場のお医者さんや製薬会社の声が入っていないからかなあ。
他の国と比べても、それぞれのお国事情や歴史が違うから、一概には言えないだろうと思いました。

ただ、アメリカ人が後進国と信じきっているキューバより自分たちの医療制度がひどいと知ったとき、彼らのプライドはずたずたになったでしょうね。

ケロッグ博士

2007-09-15 14:23:11 | 映画ーDVD
ーケロッグ博士ー
1994年 アメリカ アラン・パーカー監督 アンソニー・ホプキンス 、ブリジット・フォンダ 、マシュー・ブロデリック 、ジョン・キューザック 、ダナ・カーヴィ 、マイケル・ラーナー 、ジョン・ネヴィル 、ララ・フリン・ボイル 、トレイシー・リンド 、コルム・ミーニイ 、カムリン・マンハイム

【解説】
1907年。ミシガン州バトルクリークに、コーンフレークを考案したケロッグ博士の療養施設があった。菜食主義と禁欲生活こそ健康で長生きの秘訣だという博士の主張を信じる妻エレノアに連れられて、ウィルもここに入院するはめに。そこでは妻と寝ることも満足な食事を取ることさえできずに、元々信じていなかったウィルは、次第にいらいらを募らせていく……。実話に基づいた、奇妙な健康法に取り憑かれた人々を描くブラック・コメディ。

【感想】
アラン・パーカー作品というので、見たいのにレンタルがない!と焦っていたら、とっくにマシュー・プロデリックファンの友達がダビして送ってくれていたのでした。
ごめん。

ここのところしんどい作品が続いたので、思い切りバカバカしい作品をと思って選んだのですが、私の思いとは少し違っていました。

確かに、オープニングは面白かった。
ハハハと笑いながら行う健康体操は、音楽も耳になじむし、続ければ健康になれそうでした。

ケロッグ博士(アンソニー・ホプキンスー実在の、あのコーンフレークの発案者)が実際に作った施設から発想を得て作った映画らしいのですが、健康オタクとも言える博士の、独断と偏見に満ちた世界観のお話でした。

それに巻き込まれていく凡人のウィル(マシュー・ブロデリック)とその妻エレノア(ブリジット・フォンダ)。
コーンフレークで一山当てようとするジョン・キューザックなど、豪華キャストです。

でも、ギャグそのものがおかしいとは思えませんでした。
ちょっと汚いし…。
博士と養子のエピソードも、わかりにくかったなあ。
死人が出ても知らん顔だしなあ。
この手のブラックに弱い私です。


ブラックブック

2007-09-11 11:50:03 | 映画ーDVD
ーブラック・ブックー
2006年 ポール・ヴァーホーヴェン監督 カリス・ファン・ハウテン 、トム・ホフマン 、セバスチャン・コッホ 、デレク・デ・リント 、ハリナ・ライン 、ワルデマー・コブス 、ミヒル・ホイスマン 、ドルフ・デ・ヴリーズ 、ピーター・ブロック[俳優] 、ディアーナ・ドーベルマン 、クリスチャン・ベルケル

【解説】
第二次世界大戦ナチス・ドイツ占領下のオランダで、家族をナチスに殺された若く美しいユダヤ人歌手の復しゅうを描いたサスペンスドラマ。鬼才ポール・ヴァーホーヴェン監督が23年ぶりに故国オランダに戻り、過酷な運命に翻弄されながらも戦火の中で生き抜く女性の壮絶なドラマを撮り上げた。復しゅうと愛に揺れ動くヒロインには、オランダの新星カリス・ファン・ハウテン。オランダ映画史上最高の製作費をかけた壮大なスケールの映像は必見。

【あらすじ】
944年、ナチス・ドイツ占領下のオランダ。若く美しいユダヤ人歌手ラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は、オランダへ逃げようとするが、何者かの裏切りによって両親や弟をナチスに殺されてしまう。復しゅうのために名前をエリスと変えた彼女は、レジスタンスのスパイとしてドイツ将校ムンツェに美ぼうと美声を武器に近づくが……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
公開当時、映画好きの友達がすごく薦めてくれたのに、「私は戦争映画が嫌い」と言ってかたくなに映画館へ足を運ばなかった作品。
DVDになってやっと、鑑賞しました。

オープニングで、主人公が1956年にはイスラエルのキブツで無事に過ごしているということがわかり、少しはほっとしました。

でも、本編が始まると、やはり辛いシーンのオンパレード。
主人公(ラヘル、あるいはエリス=カリス・ファン・ハウテン)がものすごい美貌の持ち主で、氷のようなまなざしで耐えているのが救いでしょうか。

これでもかとエリスに襲いかかる危機。
ダイハードも真っ青のアクションシーン満載です。

エリスが汚物を浴びせられるシーンでは、なんのこれしきと思ってしまうくらいです。
見ている方もマヒしてしまいますね。
ああ、恐ろしい。

そして、さらに過酷な運命が待ち受け、それらをはねのけてエリスは生き延びるのです。

「戦場のピアニスト」「シンドラーのリスト」と並べて宣伝してあります。
私はいまだにこの両作品をまともに見れていないのですが、この作品は真正面に戦争の悲惨さを扱ったものではありません。
私のような戦争映画が苦手な人でも、面白く見られるように作ってありました。

ひとつは、エリスの生き延びる執念となった復讐への正当性。
もうひとつは、裏切り者の正体を暴くというサスペンス性。

公証人のスマールが「誰も信用してはいけない時代だ」とエリスに忠告するけれど、これがこの作品のテーマとなっています。

ブラックブックなど、数々の小道具をうまくちりばめ、観客に先を読ませません。
実際に、このブラックブックは実在しているということなので、驚きです。
エンタテインメント性の強い作品に仕上げてありました。

スタッフたちは、人の心の闇に焦点を当てて緻密に作り込んだのでしょう。

ラストシーンを1956年の10月に持ってきたのにも意味があるそうです。
公式HPによると、この年、第2次中東戦争が起こり、スエズ運河の利権を巡り、エジプト対イスラエル・イギリス・フランス連合軍の戦争となりますが、連合国が破れ、イスラエルはシナイ半島から撤退していく年だそうです。
エリスはラヘルという本来の名前を取り戻し、夫と子供たちと平和に暮らしているけれども、それは儚いものだということを暗示しているそうです。

すべてはその朝始まった

2007-09-11 11:34:21 | 映画ーTV
ーすべてはその朝始まったー
原題=DERAILED
2005年 アメリカ ミカエル・ハフストローム監督 クライヴ・オーウェン 、ジェニファー・アニストン 、ヴァンサン・カッセル 、メリッサ・ジョージ 、アディソン・ティムリン 、ジャンカルロ・エスポジート 、デヴィッド・モリッシー 、ジョージナ・チャップマン 、デニス・オヘア 、トム・コンティ 、RZA

【解説】
クライヴ・オーウェン、ジェニファー・アニストン、ヴァンサン・カッセルの豪華共演による全米スマッシュ・ヒット・サスペンス。互いに大切な家族がありながら、ふとしたはずみで不倫に奔ってしまった一組の男女が謎の男からの執拗な脅迫に追い詰められていくさまをスリリングに描く。ごく普通のビジネスマンのチャールズは美しい妻とかわいい娘と幸せな日々を送っていた。そんなある日、彼は通勤電車の中で偶然知り合った美しい女性ルシンダと恋に落ちてしまう。彼女にも愛する家庭がありながら、2人はついに一夜を共にしてしまうが…。

【感想】
これも邦題にだまされた。
こんな、甘い感じの内容ではありません。

脱線させるという意味の「DERAILED」ならよくわかります。

二人の出会いが電車の中だったことに意味があるものね。

でも途中で、ルシンダ(ジェニファー・アニストン)の正体がわかってしまった。
残念でした。
それでも全米ではヒットしただけのことはあり、最後まで見せてしまう力量は感じました。

日本未公開。
ジェニファーはあまり日本では受けないのかなあ?
この映画ではすごくきれいでした。

ヴァンサン・カッセルの悪役は良かったけど、ちょっとちっぽけでした。

不倫はあかん、美人局にはご用心。
男性には薬になる映画でしょうか?

パーフェクトストーム

2007-09-11 11:27:47 | 映画ーTV
ーパーフェクトストームー
2000年 アメリカ ウォルフガング・ペーターゼン監督 ジョージ・クルーニー 、マーク・ウォールバーグ 、ダイアン・レイン 、ジョン・C・ライリー 、ウィリアム・フィクトナー 、カレン・アレン 、ボブ・ガントン 、メアリー・エリザベス・マストラントニオ 、ジョン・ホークス 、ジョシュ・ホプキンス 、ラスティ・シュウィマー

【解説】
ジョージ・クルーニー主演の大スペクタクル巨編。1991年、ある漁師たちに降りかかった大嵐“グレイス”。彼らの運命を実話に沿って描いてゆく。ビル10階分に相当する巨大な波のうねり、暴風・豪雨に荒れ狂うハリケーンの映像は圧巻。監督は「U-ボート」のウオルフガング・ペーターゼン。東海岸の古い漁港グロースター。不漁続きで悩む漁師ビリーは、カジキマグロを追って大西洋の東側へ出航。しかしその帰路には、前代未聞の大嵐が待ち構えていた。(yahoo映画)

【感想】
これ、実話?
でも、乗組員は全員亡くなっているよね。
ちょっと不思議です。

同じ漁港から出て、リンダ(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)の船は大漁で、ビリー(ジョージ・クルーニー)の船は成績不振というのがわからないなあ、という始まりでした。

でも、ビリーは一発逆転をかけて遠い漁場に出かけます。

ここは海の男たちの友情が描かれて熱いシーンです。
そして大漁。製氷機のトラブル。
男たちは嵐の中を港へ帰る決心をするのです。

ただ、このときの嵐はただの嵐ではありませんでした。
いろいろな気象状況が重なり、最悪のパーフェクトストーム。

男たちの経験もチームワークも、家族への思いも、恋人へのメッセージも、故郷への希望も全部粉々に砕いてしまいました。

もうひとつ、遭難したヨットを助けに沿岸警備隊が出動するサブストーリーがありましたが、こちらのほうもすごいのに、描き方が中途半端で残念でした。
こちらを主にしたのが「守護神」でしょうね。
人の命を救うことに、自分の命をかけるレスキューの人たち、その尊い精神に頭が下がります。

と、あまり本編に関係ないところで感動してしまいました。

なにしろ、全員死んでしまうのですから、悲しすぎました。

荒れ狂う海を描かせたらナンバーワンでしょうか?
ウォルフガング・ペーターゼン監督、かなりすごかったです。


あなたになら言える秘密のこと

2007-09-10 10:10:51 | 映画ーDVD
ーあなたになら言える秘密のことー
THE SECRET LIFE OF WORDS
2005年 スペイン イザベル・コイシェ監督 サラ・ポーリー 、ティム・ロビンス 、ハビエル・カマラ 、エディ・マーサン 、スティーヴン・マッキントッシュ 、ジュリー・クリスティ 、レオノール・ワトリング 、ダニエル・メイズ 、スヴァレ・アンケル・オウズダル 、ダニー・カニンガム 、ディーン・レノックス・ケリー 、エマニュエエル・イードーウ

【解説】
心に深い傷を負い、誰にも言えない秘密を抱えて生きる孤独な女性の再生のドラマ。『死ぬまでにしたい10のこと』で演技に開眼したサラ・ポーリーとイサベル・コイシェ監督が再び手を組み、ただ黙々と生きていた女性が少しずつ生きる喜びを思い出していくまでを丁寧につづる。ほとんどをベッドに寝たきり状態のキャラクターを演じた、オスカー俳優ティム・ロビンスによる迫真の演技は一見の価値あり。過酷な現実の中に見える一条の光に胸を揺さぶられる。

【あらすじ】
工場で働くハンナ(サラ・ポーリー)は、ある日、働き過ぎを理由に工場長から強引に1か月の休暇を言い渡される。小旅行に出かけた彼女は看護師を探していた男(エディー・マーサン)に声をかけ、2週間の油田掘削所での仕事を引き受ける。彼女の仕事は事故で火傷を負い、重傷の男(ティム・ロビンス)の世話をすることだった。 (シネマトゥデイ)

【感想】
サラ・ポーリーとイサベル・コイシェ監督の『死ぬまでにしたい10のこと』は見ました。
でも、あまり気に入った品ではなかったのです。
あまりに個人的なお話だなあ、という感想でした。

そして、似たような題名のこの作品。
また、個人的なことかなあ、と思っていたら、邦題にだまされた!!
まったくロマンティックなお話ではありません。
それどころか…

最初から重苦しい感じで始まります。
若い女性が手紙を読んでいるようなナレーションで始まるのですが、誰が誰に言っているのか、まったくわかりません。

工場で働く若い女性ハンナ(サラ・ボーリー)。
無表情で、耳が不自由、ストイックな感じ。

映画は重苦しい感じで進んでいきます。
緩慢な感じさえする。
でも、タイトルにもあるので、彼女の秘密ってなんだろうと考えながら見てしまいます。

ひょんなことから、海上の油田で、事故で火傷をしたジョゼフ(ティム・ロビンス)の看護を引き受けるハンナ。
ジョゼフにも秘密があるけど、それは不倫とか、そんな感じだろうなあと想像がつきます。

ジョゼフは事故で視力を失っていて、ハンナに興味を抱き、質問攻めにするけど、ハンナは答えません。

油田にいる男たちも孤独な人たちです。
事故の後の身の振り方が決まるまで、みんなヒマをもて余しています。

ジョゼフはユーモアたっぷりに自分の秘密を告げ、これが最後の感動につながっていくのですが、このころから、ハンナとジョゼフの心が通いあっていきます。

とうとうハンナはジョゼフに辛い過去を打ち明けました。
これが…。

こんなことがこの世で起こるのかという、辛い体験。

この映画が、ずっと重苦しく続いてきたのは、この秘密のためか!!と思いました。
衝撃。

私はハンナとともに泣きました。

この作品のテーマは、ハンナのカウンセラーのインゲ(ジュリー・クリスティ)がいう「戦争のものいわぬ証人」の話です。

亡くなった人への罪悪感から、生き残ったことを恥じて、沈黙するしかない戦争被害者たち。
たくさんのハンナの存在です。

平和ボケしている私の脳細胞にガーンと来ました。

明日にでも、我が身に起こるかもしれない悲劇なのに。

人類が始まって以来、ずっと繰り返されている愚行なのに。

映画はハンナに訪れた幸せで終わりますが、観客の心に棘を残したようです。
見終わっても、心のどこかがちくちくしています。


ザ・コミットメンツ

2007-09-07 12:35:59 | 映画ーDVD
ーザ・コミットメンツー
1991年 イギリス アラン・パーカー監督
ロバート・アーキンズ 、マイケル・エイハーン 、アンジェリナ・ボール 、マリア・ドイル 、デイヴ・フィネガン 、ブロナー・ギャラガー 、フェリム・ゴームリー 、グレン・ハンサード 、アンドリュー・ストロング 、ケネス・マクラスキー 、ジョニー・マーフィ 、ディック・マッセイ 、コルム・ミーニイ

【解説】
ロディ・ドイルの原作を基に、アイルランドの首都、ダブリンを舞台に、素人のソウル・バンド“ザ・コミットメンツ”に集まった若者たちの青春像を描いた音楽ドラマ。友人と共に本格的なソウル・バンドの結成を夢見たジミーは、新聞に広告を載せ仲間を集う。しかし、集まってきたのは期待外れの奴ばかりで……。「フェーム」「エビータ」のA・パーカー監督作。

【感想】
ブログに遊びに来てくれるTonyTanyさんご紹介の映画。
めちゃめちゃ気に入りました。
Tonyさん、ありがとう!

ダブリンの町、フリーマーケットを歩く青年ジミー。
一目で、彼が主役ってわかる。
おしゃれでかっこいい、ぴしっと決まっている。
でも、貧しそう。
それもそのはず、彼は失業歴が長い。
恋人もいない。
まだ実家で暮らしている。

そして彼は思い立った!
バンドを作るぞ!!

さっそく知り合いのバンドマンに会う。
ベースとギター、キーボードはクビだ。

自宅でオーディションを開始したけど、ろくな若者が来ない。
彼のコンセプトは「労働者階級の音楽、ダブリンでソウル」。

彼の一本釣りでメンバーが揃ってきた。
ギター・ベース・ヴォーカル、ドラム・ピアノ、サックス、トランペット、女性ヴォーカルが3人。
マネージャーのジミーと用心棒を入れると、総勢12人の大所帯が出来上がった。

特にトランペットのジョーイは、B.B.キングやスティービーワンダー、サム・クックやオーティス・レディングとも共演したという経験豊かなおっさん。
また、彼が女の子にもてもてなのね。

彼を精神的な支柱にして、なんとかバンドは滑り出した。
その名も「ザ・コミットメンツ」。

町のあちこちで、ライブする。
でも、みんな貧しくていらいらしている。
バンド内ではしょっちゅう喧嘩。
いつも、ヴォーカルのデコがトラブルメーカー。
口が汚くて、空気が読めない。
でも彼、歌はソウルフルでいいのよね。

町にウィルソン・ピケットがやってきた。
ジョーイが友達だと言う。
「じゃあ、俺たちのライブに連れてきて」
「オーケーだってさ」

みんなははりきって演奏を始めた。
「来ないんじゃないの?」
「俺を疑うのか?」とジョーイ。

その日の演奏は素晴らしかった。
お客さんもノリノリ、インディーズ契約を持ち込むレコード会社も現れた。

アンコールが終わっても、ウィルソン・ピケットは来ない。

楽屋ではとうとう喧嘩が始まった。
路上でもドラマーとデコが流血騒ぎ。
さすがのジミーもお手上げ、バンドは解散ー。

夢は破れてしまった。
ウィルソン・ピケットも実は来るつもりだった。遅くなったけど。

そんなわけで、みんなばらばら。
でも、若いって素晴らしい。
それぞれ自分らしい道を歩んでいる。

ハッピーエンドじゃないんだけど、いい終わり方です。

ここに登場する若者たちは、すべてダブリンの若きミュージシャンだそうです。
監督のアラン・パーカーは100組くらいのバンドのオーディションをしたそう。
演技は始めての人たちばかりというから、驚きです。
特に、ヴォーカルのデコ役のアンドリュー・ストロングは16歳で、ソウルフルな歌声!!
すごくよかった!!

みんな生き生きしているし、町の様子も活気に満ちています。
作品の隅々まで監督の温かいまなざしが感じられて、とてもいい作品でした。

ルイーズに訪れた恋は…

2007-09-07 12:28:27 | 映画ーDVD
ールイーズに訪れた恋は…ー
2004年 アメリカ ディラン・キッド監督 
ローラ・リニー 、トファー・グレイス 、ガブリエル・バーン 、マーシャ・ゲイ・ハーデン 、ポール・ラッド 、ロイス・スミス

【解説】
39歳のバツイチ女性と、彼女の過去の恋人にそっくりな15歳年下の青年の恋を描いた大人のラブストーリー。ヒロインを演じるのは『愛についてのキンゼイ・レポート』のローラ・リニー。彼女と恋に落ちる青年を『スパイダーマン3』への出演も話題のトファー・グレイスが演じる。監督はベネチア映画祭で新人監督賞を受賞した経験を持つディラン・キッド。恋に揺れる中年女性の心情を繊細かつリアルに演じきったローラ・リニーに注目。

【あらすじ】
コロンビア大学芸術学部で入学選考部部長として働く39歳のルイーズ(ローラ・リニー)は、ある日、1通の入学願書に目を留めた。志願者の名前が初恋の男性と同じ名前であることに衝撃を受け、その志願者に会いたくなったルイーズは特別に面接をセッティングし、その青年スコット(トファー・グレイス)に会うが……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
これははっきりいって、面白くありませんでした。
まず、ルイーズ(ローラ・リニー)が名門コロンビア大学芸術学部入学選考部部長の職権を乱用して、面接に来たF・スコットを自宅に連れ込んでことにおよぶなんて、昼メロも真っ青の滑り出しでした。

別れた夫(ガブリエル・バーン)も同じ大学の教授だけど、今も心残りはあるものの、セックスレスの夫婦関係が原因で別れたという設定。
しかも、何年かたった今「実は僕はセックス依存症だったんだ」と唐突に打ち明ける。
ちょっと意味が分からないなあ。

親友がマーシャ・ゲイ・ハーディングだけど、彼女にしては深みの足りない友達だと思いました。

唯一の収穫はトファー・グレイス。
彼を見ていたら、中年女性が妄想を抱いても仕方がない気はしました。
美しい!!