ーディア・ドクターー
2009年 日本
監督・脚本・原作=西川美和 笑福亭鶴瓶(伊野治)瑛太(相馬啓介)余貴美子(大竹朱美)井川遥(鳥飼りつ子)松重豊(刑事)岩松了(-)笹野高史(村長)中村勘三郎[18代目](医師)香川照之(斎門正芳)八千草薫(鳥飼かづ子)
【解説】
『蛇イチゴ』『ゆれる』の西川美和監督が、へき地医療や高齢化など現代の世相に鋭く切り込む人間ドラマ。本作で映画初主演を務める笑福亭鶴瓶が無医村に赴任した医師を演じ、その医師の失踪(しっそう)をきっかけに浮かび上がる彼の人物像を軸にした心理劇が展開される。『アヒルと鴨のコインロッカー』の瑛太のほか、八千草薫、余貴美子など、若手やベテランともに実力のあるキャストが集結。人間の複雑な内面をえぐり出すことに定評のある西川監督のオリジナル脚本に期待したい。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
村でただ一人の医師、伊野(笑福亭鶴瓶)が失踪(しっそう)する。村人たちに全幅の信頼を寄せられていた伊野だったが、彼の背景を知るものは誰一人としていなかった。事件前、伊野は一人暮らしの未亡人、かづ子(八千草薫)を診療していた。かづ子は次第に伊野に心を開き始めていたが、そんな折に例の失踪(しっそう)事件が起き……。(シネマトゥデイ)
【感想】
「蛇イチゴ」「ゆれる」の西川美和監督。
写真で見ても、実にかわいい女性です。
この人が、脚本、演出、監督をつとめた「ディァ・ドクター」、主演の笑福亭鶴瓶さんのトークショー付きのプレミア先行上映会に行ってきました。
まず、上映会。
田園風景が広がる全国どこにでもあるような田舎。
夕暮れ時にバイクが走ってきて、脱ぎ捨てられた白衣を拾って着、さらに走って行く遠景。
夜になって大騒ぎの診療所。
この村にたった一人しかいない医師が失踪したー。
刑事が、村人や医師の周辺の人たちに医師の人となりを聞いて歩く。
答えは様々、いったいどんな人間なんだ?
4年前にこの無医村にやってきた伊野治(笑福亭鶴瓶)、看護婦の大竹さん(余貴美子)と絶妙のコンビで村の医療に尽くしていた。
どんな難題にも心安く答えてくれる気さくな先生。
そこへ1年間の研修で相馬啓介(瑛太)が、真っ赤なオープンカーでやってきた。
いきなり巻き込まれる村の医療現場。
若い相馬は、ここに医療の原点があると思うほどに、村人に慕われている伊野を尊敬するようなる。
しかし、伊野には秘密があった。
☆ネタバレ
まあ、予告編からもだいたい察しがつくように、伊野は無資格だったのです。
でも、鳥飼かづ子(八千草薫)と知り合い、彼女と嘘を共有することで、自らの身も危険にさらす結果となります。
このへんの、母と娘の葛藤や、伊野のトリックや理論武装など、どどっと見所が押し寄せます。
西川監督のお得意の心理劇です。
ほんと、西川監督って、天才ですね。
「ゆれる」のときもすごいと思ったけど、この作品はコメディみたいに見せながら、人の心の複雑さを見せていきます。
さらに、すごいですよ。
鶴瓶さんのトークショーでも、「作品は監督のものだから、監督のいうままに演技しました。この作品は西川監督のものです」と強調しておられました。
ラストの解釈は、鶴瓶さんは監督から手紙をもらって、深く理解しながら演じたそうです。
解釈は同じだったとか。
私は、伊野とかづ子さんは共犯意識さえ共有していたことを確認するようなラストだなあと思いましたが、皆さんの感想はいかがでしょうか?
「ゆれる」の時も友達といろいろ話し合って楽しかったけど、これもみんなで見て、お話ししたい映画でした。
この作品はモントリオール映画祭への出品が決まったそうです。
いい賞が頂けるのではないでしょうか。
2009年 日本
監督・脚本・原作=西川美和 笑福亭鶴瓶(伊野治)瑛太(相馬啓介)余貴美子(大竹朱美)井川遥(鳥飼りつ子)松重豊(刑事)岩松了(-)笹野高史(村長)中村勘三郎[18代目](医師)香川照之(斎門正芳)八千草薫(鳥飼かづ子)
【解説】
『蛇イチゴ』『ゆれる』の西川美和監督が、へき地医療や高齢化など現代の世相に鋭く切り込む人間ドラマ。本作で映画初主演を務める笑福亭鶴瓶が無医村に赴任した医師を演じ、その医師の失踪(しっそう)をきっかけに浮かび上がる彼の人物像を軸にした心理劇が展開される。『アヒルと鴨のコインロッカー』の瑛太のほか、八千草薫、余貴美子など、若手やベテランともに実力のあるキャストが集結。人間の複雑な内面をえぐり出すことに定評のある西川監督のオリジナル脚本に期待したい。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
村でただ一人の医師、伊野(笑福亭鶴瓶)が失踪(しっそう)する。村人たちに全幅の信頼を寄せられていた伊野だったが、彼の背景を知るものは誰一人としていなかった。事件前、伊野は一人暮らしの未亡人、かづ子(八千草薫)を診療していた。かづ子は次第に伊野に心を開き始めていたが、そんな折に例の失踪(しっそう)事件が起き……。(シネマトゥデイ)
【感想】
「蛇イチゴ」「ゆれる」の西川美和監督。
写真で見ても、実にかわいい女性です。
この人が、脚本、演出、監督をつとめた「ディァ・ドクター」、主演の笑福亭鶴瓶さんのトークショー付きのプレミア先行上映会に行ってきました。
まず、上映会。
田園風景が広がる全国どこにでもあるような田舎。
夕暮れ時にバイクが走ってきて、脱ぎ捨てられた白衣を拾って着、さらに走って行く遠景。
夜になって大騒ぎの診療所。
この村にたった一人しかいない医師が失踪したー。
刑事が、村人や医師の周辺の人たちに医師の人となりを聞いて歩く。
答えは様々、いったいどんな人間なんだ?
4年前にこの無医村にやってきた伊野治(笑福亭鶴瓶)、看護婦の大竹さん(余貴美子)と絶妙のコンビで村の医療に尽くしていた。
どんな難題にも心安く答えてくれる気さくな先生。
そこへ1年間の研修で相馬啓介(瑛太)が、真っ赤なオープンカーでやってきた。
いきなり巻き込まれる村の医療現場。
若い相馬は、ここに医療の原点があると思うほどに、村人に慕われている伊野を尊敬するようなる。
しかし、伊野には秘密があった。
☆ネタバレ
まあ、予告編からもだいたい察しがつくように、伊野は無資格だったのです。
でも、鳥飼かづ子(八千草薫)と知り合い、彼女と嘘を共有することで、自らの身も危険にさらす結果となります。
このへんの、母と娘の葛藤や、伊野のトリックや理論武装など、どどっと見所が押し寄せます。
西川監督のお得意の心理劇です。
ほんと、西川監督って、天才ですね。
「ゆれる」のときもすごいと思ったけど、この作品はコメディみたいに見せながら、人の心の複雑さを見せていきます。
さらに、すごいですよ。
鶴瓶さんのトークショーでも、「作品は監督のものだから、監督のいうままに演技しました。この作品は西川監督のものです」と強調しておられました。
ラストの解釈は、鶴瓶さんは監督から手紙をもらって、深く理解しながら演じたそうです。
解釈は同じだったとか。
私は、伊野とかづ子さんは共犯意識さえ共有していたことを確認するようなラストだなあと思いましたが、皆さんの感想はいかがでしょうか?
「ゆれる」の時も友達といろいろ話し合って楽しかったけど、これもみんなで見て、お話ししたい映画でした。
この作品はモントリオール映画祭への出品が決まったそうです。
いい賞が頂けるのではないでしょうか。
本当いろんな事を考えさせられる映画で 上手く作ってあると・・・
りつ子さんの「伊野先生なら母をどんな風に死なせたか?!」という言葉 涙が出ました。
今の医療を考えさせられる投げかけだと・・
鶴瓶さんって 「NHKの家族に乾杯」くらいしか知らなかったのですが 落語家だけでなく 役者としてもなかなか味があり上手いんですね?!(でも顔は苦!笑!)
昔、学園祭で生の鶴瓶さんを見たことがあります。
アフロヘアーにつなぎのジーンズ、ずいぶん太っていて、毒舌でした。
あれから比べたら、本当に丸くなられたなあと、トークを聞きながら思い返していました。
演技も、ここのところぐっとよくなった感じがします。
「私は貝になりたい」もよかったです。
あちこちにあり深刻な問題なんでしょうねー
次男の友人も、数年後には国家資格を取って医師になる人が多いですが、
24時間営業の娯楽施設や数分でいけるコンビニなど
都会生活に慣れた若者がどれくらい地方に行くんだろう・・・
そんな村にとったら、本当に大切な安心感のあるお医者さんだったんでしょうねー
看護婦の大竹さん(余貴美子)のフォローがあったからこそ、
なんとか無資格でもやってこれたと思いますが、
「伊野先生なら母をどんな風に死なせたか?!」という言葉に象徴されるように、殺風景で消毒液の匂いのする病室で
死を待つのが良いのか、薬で痛みをコントロールしながら
住み慣れた家で、できる範囲の畑仕事など日常の生活をしながら死んでいくのが良いのか・・・
現代は圧倒的に前者が多いけれど、やっぱり後者の方が
たとえ数か月寿命が短くなったとしても幸せなんじゃないかなあと
感じます。
その為には、まわりで支えてくれる医師や家族が必要ですけどね。
余貴美子、テレビでも映画でも大活躍ですが、役の幅が広くて味があって大好きです。
笑福亭鶴瓶、吉永小百合と共演した『おとうと』が良かったです。
鶴瓶さんもよかったです。
大好きな作品です。
「おとうと」は、すごく期待して見に行ったんだけど、あんまり気に入りませんでした。
残念でした。