マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

オフサイド・ガールズ

2007-09-21 20:36:13 | 映画ー劇場鑑賞
ーオフサイド・ガールズー
2003年 イラン ジャファル・パナヒ監督 シマ・モバラク・シャヒ 、サファル・サマンダール 、シャイヤステ・イラニ 、イダ・サデギ 、ゴルナズ・ファルマニ 、マフナズ・ザビヒ 、ナザニン・セディクジャザデ

【解説】
女性が男性のスポーツを公共の場で観戦することが禁じられたイランを舞台に、サッカーのイラン代表がワールドカップに出場できるか否かが決まる大事な試合を見に行こうとする少女たちの奮闘を描いたハートフル・ドラマ。監督は『チャドルと生きる』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞に輝いた名匠ジャファル・パナヒ。イランの女性問題というシリアスな題材を盛り込みながら、ユーモア満載の心温まるドラマに仕上がっている。

【あらすじ】
首都テヘランのスタジアムで、ドイツ・ワールドカップ出場をかけたイラン対バーレーンのサッカーの試合が行われることに。国中の男たちが熱狂する中、スタジアムに向かう1台のバスの片隅に、ひとりの少女が男装した状態でひっそりと座っていた。少女は何とかスタジアムに到着するが、入場ゲートで兵士に捕まってしまい……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
大阪梅田のOS名画座が、今日で閉館されるというので、ポイントを使ってみました。

イランでは女性がサッカー場へ入ることが禁止されている、というテロップから映画は始まります。

何で?

逮捕された女性が、捕まえた兵士に聞きます。
「日本人の女性は入っていたよ。私たちはなぜダメなの?」
「汚い言葉が飛び交っているからだよ。日本人にはわからないじゃないか」
「言葉が問題なの?聞かないようにするわ」
「それだけじゃないよ。んー男と女が一緒に座ることがいけない」
「映画館は一緒に座れるよ」
「ウソだ」
「本当よ。私は行ったもの」
「男の格好をして?」
「違うよ。普通のかっこうして」
「んー、父親とか兄弟と行ったんだろ?」
「違うよ。なんで映画館は良くて、サッカー場はだめなの?父親や兄弟と来ればいいの?」
「君の父親や兄弟であっても、他人にとってはただの男だ」
まったく、わけのわからない会話です。

ここに出てくる兵士たちは、優しいとはいえないけど、節度をもって女性に対していました。
連行するときも、腕をつかんだり乱暴なことはしませんでした。
トイレに行きたいと言い出した女性を、男性トイレですごくかばってあげていました。
「落書き読むなよ」とか、恥じている部分もありました。
つまり、サッカー場に出入りさせないのは、男の優しさからなのでしょうか?

捕まった女の子たちは、ただ、サッカーが見たいだけです。
「犯罪じゃないよ」と女の子たちは言います。
私もそう思った、逮捕なんかしないで、追い返せば済むのじゃないか?
彼女たちは、男装したり、果ては軍服を着たり、すごい努力です。
実際、うまく紛れ込んだ女性もいるでしょう?
外国の女性はオーケーだし。
歴史に裏付けられた正統な理由があるのでしょうが、この映画を見る限りは納得できないですよね。

こんなじゃ、イランは当分ワールドカップ開催国にはなれませんねえ。
国民をあげて、サッカーが大好きなのに、残念ですよね。

ドキュメンタリータッチだけど、私はとても面白く感じました。
ちっとも退屈しなかった。
それは、サッカー場に入れなかった女の子たち、という視点がぶれなかったからだと思います。
兵士たちのつらい状況も、ひとりひとりの優しさも、いいスパイスになっていました。
ラストのエピソードもしんみりしました。

すごくユーモアがあるし、山椒は小粒で…みたいな皮肉もあるし、いい映画でした。

イランの女性たち、めげずに頑張ってください。
いつか、あなたたちにも人権という大きなプレゼントが来ると信じています。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
確かに (miyu)
2007-10-15 23:22:55
女性蔑視的な感じを受けなくもないけど、
兵士や他の観客、
特に最初のバスで女性だと気付いても気付かないフリを
していたり、
こっそりと助けようとしようとしたり、
する方達もいて女性を守ろうという意味合いも
強いのかな?と感じましたね。
治安の悪いところには女性を入れたくない
そんな意味もあるのでしょうね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。