マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

父親たちの星条旗

2006-11-02 10:51:33 | 映画ー劇場鑑賞
2006年 アメリカ クリント・イーストウッド監督 ジェームズ・ブラッドリー 、ロン・パワーズ原作、ポール・ハギス 、ウィリアム・ブロイルズ・Jr脚本、クリント・イーストウッド音楽
ライアン・フィリップ 、ジェシー・ブラッドフォード 、アダム・ビーチ 、ジェイミー・ベル 、バリー・ペッパー 、ポール・ウォーカー 、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー 、ジョン・スラッテリー 、ロバート・パトリック 、ニール・マクドノー 、メラニー・リンスキー 、トム・マッカーシー 、クリストファー・バウアー 、ジュディス・アイヴィ 、スコット・リーヴス[俳優] 、スターク・サンズ 、ジョセフ・クロス 、ベンジャミン・ウォーカー 、マイラ・ターリー 、アレッサンドロ・マストロブーノ 、ジョージ・グリザード 、ハーヴ・プレスネル 、ジョージ・ハーン 、レン・キャリオー 、クリストファー・カリー 、ベス・グラント 、コニー・レイ 、アン・ダウド 、メアリー・ベス・ペイル 、デヴィッド・パトリック・ケリー 、ジョン・ポリト 、ネッド・アイゼンバーグ 、ゴードン・クラップ 、カーク・B・R・ウォーラー 、トム・ヴェリカ 、ジェイソン・グレイ・スタンフォード

【解説】
第2次世界大戦時の最も悲劇的な戦いと言われる“硫黄島の戦い”を、アメリカ側の視点から描いた戦争映画。監督は『ミリオンダラー・ベイビー』のクリント・イーストウッド。日米双方の視点から“硫黄島の戦い”を描く“硫黄島プロジェクト”第1弾作品としても注目だ。有名な“摺鉢山に星条旗を掲げる米軍兵士たちの写真”の逸話をもとに、激闘に身を置いた兵士たちの心情がつづられる。『クラッシュ』のライアン・フィリップら、若手スターが多数出演。第2次世界大戦の知られざる一面が垣間見られる。

【あらすじ】
第2次世界大戦の重大な転機となった硫黄島の戦いで、米軍兵士たちはその勝利のシンボルとして摺鉢山に星条旗を掲げる。しかし、この光景は長引く戦争に疲れたアメリカ国民の士気を高めるために利用され、旗を掲げる6人の兵士、ジョン・ブラッドリー(ライアン・フィリップ)らはたちまち英雄に祭り上げられる。 (シネマトゥデイ)

【感想】
いくつものテーマを巧みに表現した、すごい映画でした。
ただの戦争ものにしない、深い映画でした。

この頃、アメリカも戦争に自信が持てず、経済的にも逼迫していたのですね。
楽勝だと思っていた硫黄島での思いがけない苦戦。
兵隊たちが見えない敵に撃たれてばたばたと倒れていく上を、なおも進む。
正常な神経では考えられないことです。
恐怖を封じ込めて闘う。なぜ、それほどまでに…。

戦闘シーンと、帰還して英雄になった3人の兵士のフラッシュバックによって、物語は進んでいきます。
たまたま、世間の目が集中して、偶然英雄に祭り上げられてしまった兵士たち。
彼らにはそうとしか思えず、戦場で亡くなった戦友のことを思い、複雑な気持ちを持ちながら、でも、戦争のための国債を買ってもらうことが、祖国に貢献するためだと信じて耐えます。
まったくの客引きパンダ。
戦争で傷ついただけでも、大きな痛手なのに、彼らはさらに傷ついていきます。

インディアン出身のアイラ(アダム・ビーチ)の凋落ぶりをみると、社会的弱者はどこまでいっても弱者なのか、と暗い気持ちになりました。
恋人まで有名になったレイニー(ジェシー・ブラッドフォード)も、英雄らしい生涯を送ったとは言えません。

この原作者となったブラッドリーの息子は、生前父から聞けなかった話を、いろんな人に取材してこの本を書いたようです。
あまりに辛い経験をしたので、家族にも語り残せなかっのかと思うと、本当に可哀相です。

「誰のために闘ったのか?」
「戦友のため」と映画は答えています。
戦争では英雄なんかいないのです。
そこには恐怖と使命感があるだけでした。

ブラッドリー(ライアン・フィリップ)が気にしていたイギー(ジェイミー・ベル)の最後が、結局映像では現れませんでした。
ほっとしたような、物足りないような気分になりましたが、どうなんでしょう。

アイラが見た、日本人の自決していたシーン、あれは連作の「硫黄島からの手紙」の伏線になっているのではないでしょうか。他にも、伏線がたくさんはってありそうで、とても楽しみです。

主人公のブラッドリーを演じているのはライアン・フィリップ。
「クラッシュ」で印象に残りましたが、今年のアカデミー賞では奥さんのリース・ウィザースプーンと仲良く登場していました。でも、離婚の噂、本当かなあ。

ポール・ウォーカーは英雄と間違えられた人物として、少し登場しただけでした。

戦争映画嫌いの私でも、大丈夫でした。
映像は結構残酷でしたが。
主観があまり入っていないので、登場人物に入り込まなくて助かりました。
そう言う意味で、イーストウッドらしい作品だと思いました。
主観が入っていないのに、メッセージは伝わる、うまいなあ。



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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
伏線ね~ (ミーママ)
2006-11-02 22:28:57
自爆した日本兵、イギーへの仕打ち・・・
そういうのが、今度は反対の視点から描かれるのかな?

いい俳優がいい監督に必ずなれるわけじゃないけど、イーストウッドはいい監督ですよね。
日本相手のアメリカ戦争映画って、結構微妙なのが多いけど、これはちゃんと見られたもの。
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来週行きます! (NAKAちゃん)
2006-11-03 01:12:22
さすがに 良さそうですね。
戦争映画嫌いのマダムが 絶賛されるのだから楽しみです。
名前を見ても知らない俳優ばかり・・・。ライアン・フィリップのように顔を見たら分かる俳優がいるのかしら? とにかく楽しみです。
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ミーママへ (よう)
2006-11-03 18:45:18
イーストウッド監督「ミスティックリバー」「ミリオンダラーベイビー」と見てきて、この作品は、彼らしいーと唸る作品ですね。
「硫黄島~」は果たしてどうなっているのか、ほんと楽しみです。

イギーへの仕打ちは見たいような、見たくないような、やね。
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NAKAちゃんへ (よう)
2006-11-03 18:54:22
知らない俳優さんばかりでしたよ。
そこがいいらしい。
最初は、顔がなかなかわからなくて。
ヘルメットをかぶって、軍服を着たらほんと、わからないわ。
そこは、ちょっと大変でした。
ライアン・フィリップが中心にストーリーは進みます。
がんばって付いて行ってください。

英雄扱いされる3人は結構個性的で判別できますが、亡くなった3人がよくわからない。
間違えられる人にポール・ウォーカー、ちらっとしか出て来ないけど、なんとかわかりました。
イギー役のジェイミー・ベルは「リトルダンサー」の主役の少年ですって。
ぜひ、見てきてください。
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見てきました (NAKAちゃん)
2006-11-09 00:48:19
とっても肩に力が入って見てしまいました。(肩こった!)
この映画では 敵の日本兵がそんなに憎く感じないのは 私の見方?それともそういう表現なのでしょうか?
転がっていた日本兵の遺体、渡辺謙だった?
これは「硫黄島からの手紙」を見ないと話は完結しないと思いましたが はたして日本人以外の人たちも「硫黄島~」を見てくれるのかなぁ・・・?!

ライアン・フィリップ良いですね!
ジェイミーベルは昔のままで?直ぐ分かりました。
アイラ役のアダム・ビーチ。「スモークシグナル」の主人公の少年ですね。でもあの映画は確か1998年くらいだと思うのに 10年足らずで すごく老けていて・・・。
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NAKAちゃんへ (よう)
2006-11-09 08:54:27
ジェイミー・ベル、私はわからなかったよ。
さすがね。
「スモーク~」も知りませんでした。
このひと、「ウインドトーカーズ」にも出ているのね。
見てませんが。

うーん、日本兵の死体、渡辺謙さんかもしれないわね。
イギーは日本兵に拷問され殺された、ということらしいです。
私も謎でしたが、見なくて良かったという気もするわね。
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重いね (みみ)
2006-11-20 10:39:04
昨日見ました。淡々としたドキュメンタリーのようでした。べトナム戦争以前の第二次大戦のときにも、アメリカには厭戦的なムードがあったのは、初めて知りその点は驚きました。今のアメリカでも同じようなことが起こっているんだろうね。

ただ、映画の前にマッサージに行ってぼーっとしながら見始めたので、なんで3人が残ってるのか、はじめにキャンプで一緒だった人のうちどの人が死んで、どの人が生き残ってるのかわかりにくくて、ちょっと難義しました。
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追伸 (みみ)
2006-11-20 10:42:45
エンドロールのあとで次の『硫黄島~』の予告があったけど、渡辺謙は本物の栗林中将の崇高さが出すぎていて、当時のあまりもの無残さがリアル過ぎ、見ると胸が詰まるかなぁ、と思いました。

でも多分見るね。
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みみちゃんへ (よう)
2006-11-20 16:45:21
いい映画だったでしょう。
人の顔がわからないのは、、戦争って、たぶん顔なんかいらんからよね。
それでも、お母さんが息子のお尻だという、すごいよね。

「硫黄島~」は辛そうやね。
今度は、人間が出てくるからね。
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