ー人生はビギナーズーBEGINNERS
2010年 アメリカ
マイク・ミルズ監督 ユアン・マクレガー(オリヴァー)クリストファー・プラマー(ハル)メラニー・ロラン(アナ)ゴラン・ヴィシュニック(アンディ)メアリー・ペイジ・ケラー(ジョージア)キーガン・ブース(オリヴァー(少年時代))カイ・レノックス(エリオット)
【解説】
同性愛をカミングアウトした父親と初めて恋をした38歳の息子の姿を通して、人はいつでも新たなスタートが切れることを感動的にうたい上げる人生賛歌。『サムサッカー』のマイク・ミルズ監督が、自身と父との体験を基に脚本を書き上げ映画化。『スター・ウォーズ』シリーズや『ムーラン・ルージュ』のユアン・マクレガーと『終着駅トルストイ最後の旅』のクリストファー・プラマーが父子を演じ、『イングロリアス・バスターズ』のメラニー・ロランが共演する。殻を破ることで幸せをつかむ登場人物たちを生き生きと好演し、観る者の共感を呼ぶ。
【あらすじ】
息子のオリヴァー(ユアン・マクレガー)に、ゲイであることをカミングアウトしたハル(クリストファー・プラマー)。妻に先立たれ、自身もガンを宣告されるが、父は75歳にして新たな人生をスタートさせる。一方、オリヴァーは38歳になっても、内気な性格からなかなか恋をすることができない。しかし父が亡くなった後に仲間から呼び出されたパーティーで、運命の女性アナ(メラニー・ロラン)と出会い……。(シネマトゥデイ)
【感想】
本作品でクリストファー・プラマーがアカデミー賞・助演男優賞を受賞しました。
御年83歳。
快挙です。
コングチュレーション!!
で、大変期待して見に行きました。
最近、「サウンド・オブ・ミュージック」も見直して、「かっこいいなあ」と思っていたところです。
お話は、時系列がばらばらで語られるので、ややこしかったのですが、70を過ぎた父のハル(クリストファー・プラマー)が「自分はゲイだ。これからは隠さず生きようと思う」とカミングアウトして、ゲイの集会などに出かけていくようになりました。
しかも、癌の告知を受け、余命も限られていました。
38歳の息子のオリヴァー(ユアン・マクレガー)は、父の余命を看取り、父のお葬式や父の家の片付けをしていました。
父が遺したジャック・ラッセル・テリアのアーサーも寂しがって、オリヴァーの行くところどこへでも付いてきます。
この犬がとてももの言う犬です。
オリヴァーと心の声で話し合います。
字幕が出るのですが、かわいいですよ。
犬好きの人は、とっても共感するでしょう。
エンディングにしっかりと名前が出てきます。
「with COSMO as Athur」
あまり立派に紹介されていたので、笑ってしまいました。
仲間たちがオリヴァーを慰めようと、仮装パーティーに誘ってくれました。
そこでアナ(メラニー・ロラン)と知り合います。
二人は、最初から意気投合し、愛し合うのですが…。
☆ネタバレ
38歳にもなって、なぜ自分の恋愛はうまくいかないんだろうか?
父と母とは微妙な距離があったことを、幼いときから感じていました。
そうか、父がゲイだったからなんだな。
母は、幸せな人生だったんだろうか?
父の死の悲しみからどうやったら癒されるのだろう。
恋人を愛せば癒されるのだろうか?
などなど、現代の若者の気持ちはとても繊細だなあと思いました。
38歳は、若いとも言えないしね。
父親に寄り添う、とっても優しい息子。
それはそれで、素敵なんだけど。
私の知り合いにも、恋を失うのが怖くて一歩を踏み出せない人もいます。
人生はまさにビギナーズですよね。
若い人ばかりではありません。
老いへの最前線に立っている私も、老いは未知数です。
時間に背中を押されるように、老いをいやでも受け入れざるを得ないのです。
でも、それでは後追いですからね。
自分の人生を生きているとは言えないでしょう?
ビギナーズはビギナーズらしく、恥を捨てて自分の思いに忠実に人生を歩んでいかないと、自分の人生を生きたとは思えないでしょう。
たぶん、踏み出すことに遅いことなんてないんです。
始めたときが始まり。
年取っているからとか、知らないから、とかはいいわけです。
誰だって、何かを始めるときはビギナーズなんだから。
オリヴァーは、アナとの人生に踏み出すことはできるのでしょうか?
ハルのように勇気を持って、悲しみや愛する人を失った喪失感から、その1歩を踏み出して欲しいと思いました。
それを予感させるラストで、よかったです。
ハルのゲイの恋人にゴラン・ヴィシュニック。
テレビドラマの「ER」のコバッチュ先生。
ごつい人なのに、ゲイの恋人だなんて、おかしかったです。
「ドラゴンタトゥーの女」にも出ていて、会うたびに嬉しくなります。
こういうのも、映画の楽しみですね。
オスカー受賞のスピーチもよかったし。
なんだか前向きになれるお話でした。
このワンコ君!実に雄弁でかわいかったわ(≧ε≦)プッ
かわいかったね。
うちの犬にもダブりました。
生意気なのに、甘えん坊、かわいいねえ!!
プラマーさん、最近よく見られて、うれしいです。
この役は、自然体で楽しそうでしたね。