マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

2015-04-21 09:48:46 | 映画ー劇場鑑賞

ーバードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)ーBIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)

2014年 アメリカ 120

アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督 マイケル・キートン (リーガン)ザック・ガリフィナーキス (ジェイク)エドワード・ノートン (マイク)アンドレア・ライズブロー (ローラ)エイミー・ライアン(シルヴィア)エマ・ストーン(サム)ナオミ・ワッツ(レズリー)

 

【解説】

『バベル』などのアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督を務め、落ち目の俳優が現実と幻想のはざまで追い込まれるさまを描いたブラックコメディー。人気の落ちた俳優が、ブロードウェイの舞台で復活しようとする中で、不運と精神的なダメージを重ねていく姿を映す。ヒーロー映画の元主演俳優役に『バットマン』シリーズなどのマイケル・キートンがふんするほか、エドワード・ノートンやエマ・ストーン、ナオミ・ワッツらが共演。不条理なストーリーと独特の世界観、まるでワンカットで撮影されたかのようなカメラワークにも注目。

 

【あらすじ】

かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡(ふうび)した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の才能がリーガンを追い込む。さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

今年のアカデミー賞、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞を獲った作品。

あら、主演男優賞は獲れなかったのね、マイケル・キートン。

すごい演技でしたが。

「博士と彼女のセオリー」のエディ・レッドメインが獲得したのでしたね。

確かに、彼の演技は素晴らしかった。

 

かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)だったが、最近は泣かず飛ばす。

自らが脚本も書き、演出もするブロードウェイの舞台作品で、すべてをかけて再起を図ろうとしている。

 

弁護士で親友のジェイク(ザック・ガリフィナーキス)にプロデューサーを頼み、薬物依存症でリハビリ施設から退院したばかりの愛娘サム(エマ・ストーン)を付き人にして、ものすごい集中力で取り組んでいる。

彼のエネルギーが超能力となって現れるほど充実しているが、かつての当たり役のバードマンの声が聞こえ、破滅への道に導こうとして彼を悩ましている。

 

上演する作品はレイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」で、共演者に自分の恋人ローラ(アンドレア・ライズブロー)、初ブロードウェイ出演となるレズリー(ナオミ・ワッツ)が選ばれた。

  マイク・シャイナー(エドワード・ノートン)

男性の役者が怪我で出られなくなり、替わりにきたのがリズリーの知り合いのマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)。

その実力の前にリーガンは圧倒され、劣等感を抱く。

しかし、その身勝手な言動に振り回され、プレビュー公演は散々な結果となり、リーガンの精神は爆発寸前。

サムには「父親失格」と言われ、別れた妻からも過去を責められる。

さらに、ニューヨークタイムズの舞台批評家のタビサに自分自身の無演技力のなさをこき下ろされ、さらに追いつめられていくリーガン。

 

そんな中で、初日の舞台の幕が開いた。

 

カメラワークが長回しのような斬新な映像でした。

その中で展開される虚実入り乱れた映像に圧倒されていると、さらに怪獣まで出てくるとんでもないことになっていきました。

このシーン、ド迫力でびっくりしますよ。

 

で、衝撃のラストとその後に来るシーン。

あれをどう理解するかなあ。

と、帰り道に考えながら帰ってきました。

 

彼は心の重荷も、内なるバードマンにも別れを告げて、解き放たれたのでしょうね。

新しい鼻とともに。

その答えは、サムの素敵な笑顔に隠されているのでしょう。

 

アカデミー賞作品賞にふさわしい迫力と、人間の本質に迫る作品でした。

 

ついこの間「マジック・イン・ムーンライト」でめちやめちゃかわいかったエマ・ストーンが、同一人物とは思えないほどすさんでいました。

女優さんってすごいですねー。

  リーガン(マイケル・キートン)とサム(エマ・ストーン)

マダム・マロリーと不思議なスパイス

2015-04-21 09:44:37 | 映画ーDVD

ーマダム・マロリーと不思議なスパイスーTHE HUNDRED-FOOT JOURNEY

2014年 インド/アラブ首長国連邦/アメリカ 122

ラッセ・ハルストレム監督 ヘレン・ミレン (マダム・マロリー)オム・プリ (パパ)マニシュ・ダヤル (ハッサン)シャルロット・ルボン (マルグリット)

 

【解説】

『サイダーハウス・ルール』などの名匠ラッセ・ハルストレムが監督を務め、リチャード・C・モライスの小説を映画化した心温まるヒューマンドラマ。南フランスを舞台に、格式あるフレンチレストランと新勢力のインド料理店のバトルを絶妙なさじ加減で描写する。高慢なフレンチマダムを名女優ヘレン・ミレンが演じ、その宿敵をインドのベテラン俳優オム・プリが好演。食欲をそそる数々の料理はもとより、異文化の共存共栄の物語が共感を呼ぶ。

 

【あらすじ】

インドのムンバイでレストランを営むカダム家の次男として生まれたハッサン(マニシュ・ダヤル)は、名料理人の母から絶対味覚を受け継ぐ。だがある晩、彼らの店は選挙絡みの暴動により全焼し、母親まで失ってしまう。失意の父(オム・プリ)は子供たちを連れてヨーロッパに移住し、南フランスにある自然豊かな山間の小さな町にたどり着く。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

久しぶりにラッセ・ハルストレム監督節を堪能しました。

ちょっと作風が「ショコラ」を思い出してうれしかったです。

異文化と人々の共生。

一番大事なことですよね。

 

原題も100フィートの旅。

お向かい同士にレストランを開いた人々のバトルです。

 

インドのムンバイでレストランを営むカダム家。

特に次男のハッサン(マニシュ・ダヤル)は、お料理名人の母からその才能と秘伝のスパイスを受け継ぐ。

しかし、選挙がらみの暴動でレストランが襲撃され、母が火事に巻き込まれ亡くなってしまう。

傷心の一家はヨーロッパへ。

イギリスに落ち着くが、寒くていられず、フランスに渡って新天地を求めているところで自動車が故障。

マルグリット(シャルロット・ルボン)に助けられる。

父(オム・プリ)は、町外れの空家を気に入り、ここでインドレストランを開店することを決意した。

 

ところが、向いにはマダム・マロリー(ヘレン・ミレン)が経営するミシュラン1つ星のフレンチレストランがあった。

 

こうして2軒の店のバトルが開始されたのです。

 

☆ネタバレ

ハッサンは、マルグリットの助けを借りてフランス料理の勉強も始めました。

そして、マダムの舌に実力を認めてもらい、マダムのお店で働くことに。

マグリットもシェフを目指していたので、二人はライバル関係になります。

 

とうとうハッサンはミシュランの2つ星を獲得。

パリの一流レストランからオファーがきて、家族やマダムやマルグリットと別れ、パリへ。

そこでシェフとして華々しいデビューを飾り、一躍時の人に。

 

でも、ハッサンは1年後、パリでの栄光を捨て、マダム・マロリーの店に戻ってくるーというお話でした。

 

ハッサンはかっこいいし、マルグリットも勝ち気な女性で素敵。

 

もちろんヘレン・ミレンがぐっと引き締めている訳ですが、パパもすごく面白かったです。

 

それぞれの良いところを引き出しながら、複雑な社会問題もきちんと描いて、さらりとかわしてしまうラッセ監督の手腕。

まだまだ衰えていませんでした。

 

お薦めです。