ー人生、ブラボー!ーSTARBUCK
2011年 カナダ
ケン・スコット監督 パトリック・ユアール(ダヴィッド・ウォズニアック)アントワーヌ・ベルトラン(ダヴィッドの弁護士)ジュリー・ルブレトン(ヴァレリー)
【解説】
過去に行った精子提供によって、遺伝子上533人の子どもがいることが発覚した男をめぐるハートフル・コメディー。自分の子どもの一人に応援するサッカー選手がいたことから、さまざまな境遇の子どもたちと交流し人生を見つめ直していくさまを、涙と笑いでつづる。監督は、『大いなる休暇』の脚本を手掛けたケン・スコット。借金まみれのダメ男でありながらもどこか憎めない主人公を、俳優以外にもマルチに活躍するパトリック・ユアールが好演。
【あらすじ】
42歳の独身男ダヴィッド(パトリック・ユアール)はある日突然、693回に及ぶ精子提供を通じて533人の子どもの父親であることが発覚。さらに142人の子どもから身元開示の訴訟を起こされていることを知る。身元を明かすつもりはないダヴィッドだったが、子どもの一人が応援しているサッカーチームの選手であることに気付くと、ほかの子どもたちにも興味を持ち始め……。(シネマトゥデイ)
【感想】
「人生、ブラボー!」って変なタイトル…。
原題は「STARBUCK」。
スターバックって???
いきなり、子供は見ては行けないシーンです。
不妊治療かなあ?
タイトルが終わると、寝ている男の自宅に、金属バットを持った男たちが押し入り、彼をベッドから引きはがすとバスタブへ。
荒っぽいなあと思って見ていたら、どうもこの男、ダヴィッド(パトリック・ユアール)は、彼らに大金を借金しているようです。
ダヴィッドは、父親が経営する精肉店で兄二人と一緒に働いている。
配送かがりが彼の仕事。
でも、それすらいい加減。
警官の恋人ヴァレリー(ジュリー・ルブレトン)がいて、妊娠を聞かされるが、「あなたと別れて私一人で育てる」と宣言されてしまう。
そんなときに、親友の弁護士(アントワーヌ・ベルトラン)から、ダヴィッドの提供した精子から533人の子供が生まれ、142人から身元の開示を請求されたという。
その精子提供者の名前が「スターバック」。
それがダヴィッドとばれたら、恥となる!
なんとしても、開示を回避しなければ。
と、弁護士と一緒に法廷闘争に持ち込むのだが。
たまたま、子供たちの一人の資料を手に取ると、それはサッカーチームのスター選手だった。
それからダヴィッドは密かに子供たちの元を訪れ、「僕は守護天使になる!」なんて脳天気なことを言い出した。
でも、身体に障害のあるラファエルに出会い、ダヴィッドの考えや生き方も少しずつ変わって行く。
精子提供でこんなたくさんの子供が誕生したというのもびっくりですが、不妊治療にも触れず、子供の母親も一人も登場せず、ダヴィッドとその家族の話に集約されているところが潔くて面白かったです。
登場人物が、借金取り以外はみんなハートフルないい人で、ほっこりします。
ラストは子供たちとハグするシーンですが、なかなかいいですよ。
それにしても、「ともだち100人」は歌にあるけど、「兄弟100人」はすごいなあ。