マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

京の年中行事 當る寅歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎

2009-12-21 11:49:56 | 舞台
ー京の年中行事 當る寅歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎ー

今年も「吉例顔見世興行」を見に行くことができました。
ぐっと冷え込んだこの日、京都南座の前だけは、華やいでいました。
今回は夜の部だけの鑑賞となりましたが、それでも、浮き世を忘れさせてくれる夢のようなお芝居で、「さあ、師走を乗り切って新しい歳を迎えよう」という新鮮な気持ちになりました。



第一 天満宮菜種御供(てんまんぐうなたねのごくう)
   時平の七笑
右大臣の菅原道真が、見に覚えのない謀反の疑いをかけられ、太宰府に流されることが決定したときの様子を表しています。
道真の前では弁護する様子をみせる左大臣藤原時平、実はこの人こそが、道真を無実の罪に陥れた張本人だったのです。
みんなが去って、一人になった時平の七笑いが見所です。

第ニ 新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)
菊五郎家に伝わる演目のひとつだそうで、能舞台を模した展開なので、とても様式化されています。
源頼光の土蜘蛛退治のお話でした。

第三 助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)
三浦屋格子先の場



江戸随一の男伊達といえば、この人!!花川戸助六でしょう。
大江戸博物館にも、このシーンがディスプレイされていました。(写真はこの夏「大江戸博物館」で撮影したものです。このシーンは市川団十郎さんが演じた時の再現です。この日の舞台はもっとたくさんの花魁が並んで、華やかでした)

「江戸の古典歌舞伎を代表する演目のひとつ。「粋」を具現化した洗練された江戸文化の極致として後々まで日本文化に決定的な影響を与えた。歌舞伎宗家市川團十郎家のお家芸である歌舞伎十八番の一つで、その中でも特に上演回数が多く、また上演すれば必ず大入りになるという人気演目である。」(ウィキペディアより)

吉原三浦屋の傾城揚巻が、自分の間夫といってはばからないいい男。
ぱっと見は軽薄そのものの遊び人ですが、本性は、親の仇を追う曽我兄弟の弟五郎でした。
花魁たちの華やかな衣装にも負けない男っぷり。
片岡仁左衛門さんが演じる助六は、文字通り、水も滴るいい男!!
客席のすべての女性の心をぎゅっと掴んでしまうようなセクシーまなざしと身のこなし、立ち姿でした。
私たち世代には「孝夫さん」の方が親しみがありますが、えーっ、おいくつ?と聞きたくなるほどの艶っぽさ。
いつまでも女性ファンの心を掴んで離さない役者さんです。
ステキ!!

傾城揚巻には坂東玉三郎さん。
その衣装のあでやかさには、息をのんでしまいました。

花魁白玉に菊之助さん。
こちらも、負けず劣らず美しかったです。

第四 石橋(しゃっきょう)
これは、獅子の舞踊。
中村翫雀さんと片岡愛之助さんが、それぞれ白と赤の獅子のカツラをつけて、景気よく頭を振りながら踊り狂いました。
その激しさに圧倒され「来年も頑張ろう!」という元気をもらって、みなさんいいお顔で家路につかれていました。

これぞ、顔見世の醍醐味だと思いました。

来年こそ、いい年になりますように!!