マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

僕らのミライへ逆回転

2008-12-27 13:41:21 | 映画ー劇場鑑賞
ー僕らのミライへ逆回転ーBE KIND REWIND
ミシェル・ゴンドリー監督・脚本ジャック・ブラック(ジェリー)モス・デフ(マイク)ダニー・グローヴァー(フレッチャー)ミア・ファロー(ファレヴィチ)メロニー・ディアス(アルマ)シガーニー・ウィーヴァー(ミス・ローソン)

【解説】
ビデオテープの中身を消してしまったため、自作自演で名作や旧作映画を撮るハメになったレンタルビデオショップ店員の奔走を描く奇想天外なコメディー。監督は『エターナル・サンシャイン』のミシェル・ゴンドリー。主人公の店員を『16ブロック』のモス・デフ、彼の人騒がせな友人を『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックが演じる。『ゴーストバスターズ』など、ヒット映画を手作りで撮ろうとする主人公たちの風変わりな奮闘と、一転してノスタルジックな味わいのラストに注目だ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
街角の古めかしいレンタルビデオ店で働くマイク(モス・デフ)は、旅に出た店長のフレッチャー(ダニー・グローヴァー)から店を任されて大張り切り。しかし発電所で強い電磁波を浴び、体が磁気化してしまった友人ジェリー(ジャック・ブラック)のせいで、店内の全ビデオの中身が消去されてしまう事態が発生する。(シネマトゥデイ)

【感想】
今年最後の劇場鑑賞の作品になりそうです。

邦題ではどんな映画かわからないよね。
ジャック・ブラックだから、おバカコメディかなあ、なんて思っていました。
でも、私はJB好きだから、見たいなあって。

原題は「BE KIND REWIND」。
昔そう言えばレンタルビデオ屋さんに書いてありましたね、「巻き戻して返却してください」。
そういう意味。

伝説のジャズピアニストーファッツ・ウォーラーの生家と言われている古びた建物で、フレッチャー(ダニー・グローヴァー)はVHS専門のレンタルビデオ店を経営している。
この家が取り壊されることになり、焦っていた。

店員のマイク(モス・デフ)には「ファッツ・ウォーラーのイベントに参加するから」と言い残して、店を任せてしばらく旅に出てしまった。

ここが、腕の見せ所と大張り切りのマイク。
でも、フレッチャーさんが最後に電車の窓に書いた言葉がまるでわからない。

そこへ、近所のトレーラーハウスで生活している親友ジェリー(ジャツク・ブラック)がやってきて、今夜変電所に忍び込む計画を話す。
片棒を担いでしまうマイク。
でも、忍び込む間際にフレッチャーさんの伝言がわかった!!
「ジェリーを(店に)入れるな」
マイクはジェリーを残して帰ってしまった。
ジェリーは変電所の中で大量の電気を浴びてしまう。

次の日、ふらふらになって店にきたジェリー。
マイクは入れまいとするが、強引なジェリーに負けて入れてしまう。

そして、その夕方から、苦情が次々と寄せられる。
ジェリーが体に帯びた磁気のせいでテープの映像が消えてなくなってしまったのだ。

二人はフレッチャーの友人のファレヴィチ(ミア・ファロー)が、フレッチャーに頼まれて、店の様子を見にきた。
彼女が借りたいという「ゴーストバスターズ」、彼女が見たことがないのをいいことに、二人で映画を撮り始めた。

そして別の客が「ラッシュアワ-2」をリクエスト。
女優が必要だと、クリーニング店で働いていたアルマ(メロニー・ディアス)をスカウト。

さすがに、二人が作ったことはばれるのだが、お客は大喜び。
「もっと作ってー」と長蛇の列。
「ライオンキング」「ロボコップ」「2001年宇宙の旅」など、続々と作って、会員料金も取って経営も安定ーと思われたがー。

ハリウッド映画会社の弁護士ミス・ローソン(シガーニー・ウィーヴァー)が登場。
もちろんこの映画は違法なので、すべて廃棄処分にされてしまった。

諦めきれないマイクたちは、町の人たち総動員で「ファッツ・ウォーラー物語」を撮影、その売上金で店と建物を救う計画を立てた。

そして、出来上がった作品を上映する日。
関わった人たちが次々とフレッチャーの店にやってくる。
みんな笑顔だ。
でも、外には作業員が待機して、建物の取り壊しは逃れられない状態まで来ていたー。

最後は、泣いてしまいました。
映画と映画を愛するすべての人たちにに対する、深い愛情と親しみが溢れていました。

私は、イブに見たのですが、クリスマスにふさわしい映画でした。

「エターナルサンシャイン」のミッシェル・ゴンドリー監督と、JBのコラボ、大成功でした。
監督の「恋愛睡眠のすすめ」にもあったような、手作り感が素敵な作品です。


4ヶ月、3週と2日

2008-12-27 13:36:21 | 映画ーDVD
ー4ヶ月、3週と2日ー4 LUNI, 3 SAPTAMANI SI 2 ZILE/4 MONTHS, 3 WEEKS AND 2 DAYS/4 MOIS, 3 SEMAINES, 2 JOURS
2007年 ルーマニア
クリスティアン・ムンジウ監督 アナマリア・マリンカ(オティリア)ローラ・ヴァシリウ(ガビツァ)ヴラド・イヴァノフ(ベベ)アレクサンドル・ポトチェアン(アディ)ルミニツァ・ゲオルジウ(アディの母)アディ・カラウレアヌ(アディの父)

【解説】
共産政権末期のルーマニアを舞台に、ルームメートの違法中絶を手助けする女子大生の1日を描き、2007年カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した人間ドラマ。今作が長編2作目となるルーマニアの新鋭クリスチャン・ムンギウ監督が、個人の自由が制限された社会で人間らしく生きることの意味を問いかける。リアリズムに徹した演出、俳優たちの熱演が息詰まるような緊迫感をもたらす本作は、2008年のアカデミー賞外国語映画賞のルーマニア代表作品にも選ばれた。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
チャウシェスク独裁政権末期のルーマニア、大学生のオティリア(アナマリア・マリンカ)とガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)は寮のルームメート同士。実はガビツァは妊娠していたが、中絶は法律で禁じられていた。中絶手術の当日、予想外の事態が重なり手術の機会を逃しそうになるが、オティリアは親友のためにある決断を下す。(シネマトゥデイ)

【感想】
「ヴェラ・ドレイク」を思い出しながら見ていました。
タイトルから、中絶がテーマだろうなあと思っていました。
NY批評家協会賞(外国映画賞)(2008年)カンヌ国際映画祭(パルム・ドール)(2007年)LA批評家協会賞(外国映画賞)(2007年)を受賞した作品です。

ルーマニア、 チャウシェスク独裁政権末期、主人公オティリア(アナマリア・マリンカ)の激動の一日を追った作品です。

☆ネタバレ
前半は、女子大生の寮での日常や会話が続きます。
あまりに質素な部屋なので、病院かと思ったくらいでした。

ルームメイトのガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)が望まない妊娠をして、中絶の決心をして、オティリアに手伝いを頼んできたようです。
オティリアは、明日は我が身という気持ちで引き受けますが、彼女にも問題がありました。
恋人のアディのお母さんの誕生日に招かれていたのです。

オティリアはガビツァが予約したホテルを訪ねますが、部屋が取れておらず、やむなく違うホテルを予約し直して、闇の中絶医師のベベと会い、彼をホテルに連れて行きました。

ベベは、本人が来ないこと、指定したホテルではないことを二人になじり、自分がいかに危険を冒した行為をしているか、二人を責めます。
おまけに、ガピツァは妊娠2ヶ月と言っていたのに、実は4ヶ月を過ぎていたのです。
この頃のルーマニアは堕胎は大罪です。
「バカにするな!!」と医者は怒鳴ります。
つまり彼は「報酬が足りない」というのです。
足りない分は体で支払え、ひどい男でした。

しかし、二人はその要求をのみ、ガピツァは処置をしてもらいます。

なんで、オティリアまでがと、私は憤ってしまいました。
ルームメイトに同情して、彼女の口車に乗って、中絶という犯罪に手を貸すはめになった自分に、オティリアはもっと憤っていたに違いありません。
でも、ここまで加担した以上、やり遂げる以外道はないのです。

彼の家に向かい、家族パーティに参加しますが、家族はオティリアの両親に学歴がないことを暗に批判します。
アディは自分の部屋に彼女を入れて、体を求めてきます。
ルームメイトの中絶の手伝いをしていることを告げ、「私が妊娠したら、あなたは何をしてくれるの」と問いつめます。
「なんでもするよ。結婚しよう」と言い逃れるだけのアディ。

ここの会話が、当時の女性の苦難を表していると思いました。
監視社会の中での、貧困、学歴、女性という差別。
差別の中にいる人間にしか、その苦悩はわからないのです。
オティリアは、その重苦しい空気の中でも、精一杯自分らしさと自由を求めている女性なのです。

部屋に帰ると、ガピツァの胎児がバスルームに転がっていました。
胎児を抱いて、捨て場所を求めてオティリアは夜の町をさまよい歩きます。

暗い中をオティリアの息づかいだけが響く、ものすごい緊張感です。

ビルに上がっていって、ダストシュートに胎児を捨てる。

ホテルに戻ると、部屋にガピツァがいません。
なんと、レストランで食事をしていました。
彼女のいい加減さ、ウソ、無感情に、いらつくし、むかつくけど、オティリアは、水を飲み、いつもの日常に戻るーそして暗転!!

この唐突な終わり方、どう思いますか?

そして、始まる愛の歌のエンドロール。
一気に、気持ちが緩んでしまいました。

オティリアが医者のバックから取り出したナイフや、医者がホテルに置き忘れたIDなんかの小道具があったのにーほったらかしかい!!

ちょっと、がっかりしたけど、オティリアのけなげさと前向きの姿勢に免じようと思いました。
なにより監督の意図が、サスペンスではなく緊張感の持続にあったことを感じました。

20年前、オティリアたちのような女子大生だったというクリスティアン・ムンジウ監督。
一人一人が、それぞれの方法で、その時代を生き抜くことに精一杯だったのでしょう。
そう思うと、ガピツァのウソも無表情も責める気にはなれないオティリアの気持ちもわかるような気がしました。

ブラザーサンタ

2008-12-27 13:34:35 | 映画ーDVD
ーブラザーサンターFRED CLAUS
2007年 アメリカ
デヴィッド・ドブキン監督 ヴィンス・ヴォーン(フレッド・クロース)ポール・ジアマッティ(ニック・“サンタ”・クロース)ミランダ・リチャードソン(アネット・クロース)ジョン・マイケル・ヒギンズ(ウィリー)エリザベス・バンクス(シャーリーン)レイチェル・ワイズ(ワンダ)キャシー・ベイツ(マザー・クロース)ケヴィン・スペイシー(クライド)

【解説】
聖人サンタクロースのデキの悪い兄が引き起こす大騒動を描いた爆笑コメディー。製作をヒットメーカー、ジョエル・シルヴァーが手掛け、『シャンハイ・ナイト』のデヴィッド・ドブキンが監督を務める。サンタの兄フレッドに『ドッジボール』のヴィンス・ヴォーン、模範的な弟のサンタクロースを実力派ポール・ジアマッティが好演。さらにレイチェル・ワイズ、キャシー・ベイツ、ケヴィン・スペイシーらオスカー俳優が共演する豪華キャストも見逃せない。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
サンタクロースことニコラス(ポール・ジアマッティ)の兄フレッド(ヴィンス・ヴォーン)は、弟とは大違いのダメ人間。努力はしたもの弟のような善人にはなれず、悪事を働き刑務所に入ってしまう。兄思いのニコラスは「北極でクリスマス用のおもちゃ作りを手伝うこと」を条件に、フレッドの保釈金を立て替えるが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
豪華キャストですねえ。

テーマは、兄弟の機微です。
心当たりのある人もいるでしょう。
出来の悪い兄貴に、よくできた弟、そういうパターン。

おもしろいのは、クリントン大統領の弟とか、アレックス・ボードウィンの兄とか、シルベスター・スタローンの兄とか、本人が登場します。
説得力があって、おもしろい。

クリスマス映画コレクションにいかが?