マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

プロヴァンスの休日

2017-01-09 11:01:52 | 映画ーDVD

2017年最初の記事ですが、去年のDVDがたまっているので、しばらく去年の記事が続きます。

ープロヴァンスの休日ーAVIS DE MISTRAL/MY SUMMER IN PROVENCE

2014年 フランス 105分

 

監督=ローズ・ボッシュ キャスト=ジャン・レノ  アンナ・ガリエナ  クロエ・ジュアネ  ユゴー・デシュー

 

【解説】

『レオン』『WASABI』などの名優ジャン・レノ主演によるハートフルドラマ。南フランスのプロヴァンスに暮らす頑固な男と、彼と初めて対面する孫たちの触れ合いを見つめる。メガホンを取るのは、『黄色い星の子供たち』などのローズ・ボッシュ。『ハモンハモン』などのアンナ・ガリエナ、『スカイラブ』などのオーレ・アッティカ、『プレイバック』などのシャルロット・ドゥ・トゥルケイムらが共演する。プロヴァンスの美しい風景に加え、随所で流れる懐かしいポップスの名曲群も温かな物語を盛り上げる。

 

【あらすじ】

レア(クロエ・ジュアネ)、アドリアン(ユーゴ・デシウ)、テオ(ルーカス・ペリシエ)の三きょうだいは、祖父のポール(ジャン・レノ)との初対面を果たそうと南フランスのプロヴァンスへ向かう。面倒な性格の彼に威圧されてしまう三人だったが、聴覚障害を抱えるテオがポールになついたのを機に、レアとアドリアンも彼に親しみを覚えるようになっていく。ある日、アドリアンが軽い気持ちでSNSにポールを登録してしまい……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

レア(クロエ・ジュアネ)、アドリアン(ユーゴ・デシウ)、テオ(ルーカス・ペリシエ)の三きょうだいのママは、父のポール(ジャン・レノ)の反対を押し切って結婚、3人をもうけたあと破局していた。

キャリア・アップのため外国に行くことになり、3兄弟を結局実家に預けるしかなかったのだ。

 

相変わらずの頑固者のポールだったが、祖母の取りもちや、聴覚障害を持つ末っ子のテオの純真な振る舞いによって、孫たちとの関係も良くなっていく。

レアもすっかりうち溶けて、街で知り合った青年と恋に落ちるが、ポールとぶつかり、家出をしてしまう。

 

その青年は、麻薬の売人で、レアも薬を飲まされて命の危険までいたるが、ポールに救われる。

 

やがて3兄弟がパリに戻る日が来て、祖父母が送ってくる。

ポールとママの再会となるが、果たしてポールとママは和解できるのか?

 

ジャン・レノがおじいさん役というのもびっくりですが、ほのぼのといい味が出ていました。

家族の問題って、どこの国も同じですね。

 

この映画のオススメは、何よりプロヴァンスの景色と、人々の魅力。

行ってみたくなるような映画でした。

 

 


ロブスター

2016-12-26 11:43:46 | 映画ーDVD

ーロブスターーTHE LOBSTER

2015年 アイルランド,イギリス,ギリシャ,フランス,オランダ,アメリカ 118分

 

監督=ヨルゴス・ランティモス キャスト=コリン・ファレル (デヴィッド) レイチェル・ワイズ (近視の女) ジェシカ・バーデン (オリヴィア・コールマン) ジョン・C・ライリー レア・セドゥ ベン・ウィショー

 

【解説】

第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞に輝いた異色のロマンチックコメディー。とあるホテルに集められ、45日以内にパートナーを見つけなければ動物にすると言い渡された者たちを待ち受ける運命を追う。メガホンを取ったのは、『籠の中の乙女』などのヨルゴス・ランティモス。コリン・ファレルを筆頭に、レイチェル・ワイズ、ジョン・C・ライリー、レア・セドゥ、ベン・ウィショーなどの実力派が結集する。奇想天外な設定や物語に加え、彼らが織り成すストーリー展開にも引き込まれる。

 

【あらすじ】

独身者であれば身柄を確保され、とあるホテルへと送られる世界。そこでパートナーを45日以内に見つけなければ、自身が選んだ動物に姿を変えられて森に放たれてしまう。そのホテルにシングルになったデヴィッド(コリン・ファレル)が送られ、パートナー探しを強いられることに。期限となる45日目が迫る中、彼はホテルに充満する狂気に耐え切れず独身者たちが潜んでいる森へと逃げ込む。そこで心を奪われる相手に出会って恋に落ちるが、それは独身者たちが暮らす森ではタブーだった。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

不条理な世界観。

イライラする人はイライラするでしょうね。

私もかなりイライラしました。

 

この世界では、独身者は身柄を確保され、あるホテルに軟禁される。

デヴィッドは妻から離婚され、このホテルに収監された。

最初にルールの説明を受ける。

45日以内にパートナーを見つけられなければ自分自身が選んだ動物に変身させられ、森に放たれる。

その時に「何になりたい?」と聞かれて、デヴィッドが答えたのが「ロブスター」というわけ。

 

他にも一晩は拘束着を着るとか、変な決まりごとばかり。

食堂が男女一緒とか、ダンスパーティとかもあって、カップルになろうとする努力もされるけど、みんなそんなに熱心じゃなさそうです。

 

少子化の極みの世界で、人類存続のためにこういうルールができたのでしょうね。

近未来にはありうることかも!!

 

娯楽なのかなあ、狩りと称して森で動物や、逃亡して森で生きている人間を殺します。

 

デヴッドはようやくある女性と結ばれますが、これがとても凶暴な人で、犬に変身させられていた父親を殺してしまう。

耐えられなくなったデヴィッドは森へ逃亡します。

そこで出会った女性(レイチェル・ワイズ)と恋に落ちます

でも、そこは恋愛禁止の世界。

実に皮肉です。

リーダーの女(レア・セドゥ)が厳しく管理しています。

 

でも、恋は「色にでにけり」というでしょう?

隠しても隠しきれない。

リーダーの女は恋人を騙して連れ出し、盲目になる手術を施します。

 

彼女が盲目になっても、デヴッドはその女性を愛し、森を抜け出します。

逃避行です。

 

二人は幸せになれるでしょうか?

デヴッドは驚きの行動に出て、ザッツ・エンド。

 

これはどう解釈する?

やはり、愛情表現なのでしょうね。

 


ズーランダーNO.2

2016-12-26 11:40:46 | 映画ーDVD

ーズーランダーNO.2ーZoolander 2

2016年 アメリカ 102分

監督=ベン・スティラー キャスト=ベン・スティラー(デレク・ズーランダー) オーウェン・ウィルソン(ハンセル) ウィル・フェレル(ムガトゥ) ペネロペ・クルス(ヴァレンティーナ) クリステン・ウィグ

 

【解説】

「トロピック・サンダー 史上最低の作戦」「LIFE!」のベン・スティラーが監督・主演を務めたコメディ映画「ズーランダー」の15年ぶりとなる続編。世界的セレブばかりを狙った連続殺人事件が発生。捜査に乗り出したインターポールの敏腕女性捜査官バレンティーナは、かつてスーパーモデルとして活躍したデレクとハンセルに協力を依頼する。事件の真相を解明するべくファッション業界に舞い戻ったデレクたちの前に、悪の首謀者ムガトゥとその手下が姿を現し……。ベン・スティラー、オーウェン・ウィルソン、ウィル・フェレルら前作のキャストに加え、ペネロペ・クルス、ベネディクト・カンバーバッチらが新たに参加。さらに音楽界からはジャスティン・ビーバーやマイリー・サイラス、ファッション界からは「VOGUE」編集長のアナ・ウィンターやマーク・ジェイコブスら超豪華な顔ぶれがカメオ出演している。

 

【あらすじ】

前作の「ズーランダー」は2001年の作品です。

私はDVD鑑賞でしたが、はまってしまった。

あまりドタバタコメディは好きじゃないのですが。

 

で、この作品もDVD鑑賞。

ズーランダーのキメ顔にもかつてのキレはなく、全体的にパワーも足りない。

でも、続編を作るんだ、同窓会をするんだ的な面白さはありました。

 

豪華カメオ出演者たちも楽しめると思います。


グランドフィナーレ

2016-12-26 11:38:01 | 映画ーDVD

ーグランドフィナーレーYOUTH

2015年 イタリア,フランス,スイス,イギリス 124分

 

監督=パオロ・ソレンティーノ キャスト=マイケル・ケイン (フレッド・バリンジャー) ハーヴェイ・カイテル (ミック・ボイル) レイチェル・ワイズ (レナ・バリンジャー) ポール・ダノ (ジミー・ツリー)

 

【解説】

アルプスの高級ホテルで休暇を楽しむ老境の元作曲家と仲のいい映画監督が、それぞれに問題を抱えたホテルの客たちと繰り広げる交流を描く人間ドラマ。『グレート・ビューティー/追憶のローマ』などのパオロ・ソレンティーノが監督を務め、深い人間洞察に富んだ物語を紡ぐ。イギリスの名優マイケル・ケインを主演に、ベテランのハーヴェイ・カイテルとジェーン・フォンダ、『ナイロビの蜂』などのレイチェル・ワイズ、『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』などのポール・ダノらがキャストに名を連ねる。

 

【あらすじ】

80歳になり現役を退いたイギリス人作曲家フレッド(マイケル・ケイン)は、親友の映画監督ミック(ハーヴェイ・カイテル)と共にアルプスの高級ホテルで休暇を満喫していた。ある日、エリザベス女王の使者という男が彼を訪ね、フレッドの代表作を女王のために演奏してほしいと依頼する。ある理由からそれを断ったフレッドだったが、ホテルの滞在客との交流を通し心境に変化が起き……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

スイスの高級ホテルで余生を送るイギリス人作曲家フレッド(マイケル・ケイン)。

このマイケル・ケインがキダタローに似ていると思ってしまったところが、私の敗因ですねー。

この作品の監督さん、2013年のアカデミー賞外今後映画賞受賞の「グレート・ビューティ」を撮ったパオロ・ソレンティーノですが、私はこの作品も、イマイチ苦手でした。

こういう美的感覚がないのでしょうね。

 

このフレッドの元に、エリザベス女王からの依頼でやってきた人たち。

エリザベス女王の御前で、フレッド作曲の「シンプルソング」を指揮してほしいという。

丁寧にしかしきっぱりと固辞するフレッド。

 

このホテルには、世界から集まった成功者たちが優雅に過ごしています。

フレッドの親友で映画監督のミック(ハーヴェイ・カイテル)や、ロボット映画で人気者になったジミー・ツリー(ポール・ダノ)や、ミス・ユニバースといった人たち。

 

近くの山に登るとかつてトーマス・マンがここで「魔の山」を書いたという絶景が。

 

十分に年老いて、過去に栄光を築き、最高級ホテルで余生を過ごす。

いうことはないと思ってしまうのが、庶民の浅はかさなのでしょうか?

彼らには、過去の栄光にすがってしまう、空虚という悩みがあるようです。

すがってもいいと思うけどなあ。

フレッドが「シンプルソング」を封印してしまった理由。

それは作品の中で語られますが、妻の姿は悲しい。

 

ミックのかつてのヒット映画の主演ということで飛び出してきた女優さん。

なんと、ジェーン・フォンダでした。

しばしわからなかった。

 

時の移り変わりって本当、残酷。

受け入れたらいいと思うけどね。

 

最終的には、フレッドは女王の前で演奏します。

音楽はいいです。


クーパー家の晩餐

2016-12-21 10:51:16 | 映画ーDVD

ークーパー家の晩餐ーLOVE THE COOPERS

2015年 アメリカ 107分

監督=ジェシー・ネルソン キャスト=ダイアン・キートン (シャーロット) ジョン・グッドマン (サム) アラン・アーキン (バッキー) エド・ヘルムズ (ハンク) アマンダ・セイフライド マリサ・トメイ オリヴィア・ワイルド スティーヴ・マーティン

 

【解説】

ダイアン・キートン、ジョン・グッドマン、アマンダ・セイフライド、アラン・アーキンら共演のホームコメディー。クリスマスイブの晩、共に食卓を囲むうちに離婚や不倫や失業という家族の秘密が明らかになっていく様子を笑いを交えて描く。メガホンを取るのは『I am Sam アイ・アム・サム 』などのジェシー・ネルソン。顔で笑って心で泣きながらもなかなか本音をはけない家族が、素の自分をさらけ出す姿が印象的。

 

【あらすじ】

クリスマスイブ当日、シャーロット(ダイアン・キートン)は、4世代11人が勢ぞろいする晩餐会を最高のものにすると決意する。夫のサム(ジョン・グッドマン)との離婚のことも伏せておくつもりだった。一方、娘エレノア(オリヴィア・ワイルド)は、不倫を隠すべく空港で出会ったばかりの男性に恋人役を頼み……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この俳優陣を見て。

これで面白くないわけがないよね。

 

でも、映画のレビューはあまり良くありませんし、事実この作品、去年のクリスマス映画なのに、日本ではクリスマスに上映されなかった。

日本向きではないのですね。

 

私は大好きです。

クリスマスに集まるわけあり家族たち。

でも、根本には家族愛があるから集まってくるのです。

姉のプレゼントにお金を払いたくないと思って万引きし、パトカーに乗せられた嘘つき妹でもね。

両親はこのクリスマスが終わったら離婚するつもり。

長男は失業中、妻と別居が言い出せない。

長女は不倫を言いたくなくて、空港で出会った男を恋人と称して連れてくるし。

おじいちゃんは、カフェの若い女性を。

一体この一家はどうなっているの?

と思うけど、そこはアメリカ映画。

とっておきのハッピーエンドが待っていますよ。

 

クリスマスに家族でみましょう!!

 


Mr.ホームズ 名探偵最後の事件

2016-12-21 10:23:20 | 映画ーDVD

ーMr.ホームズ 名探偵最後の事件ーMR. HOLMES

2015年 イギリス 104分

監督=ビル・コンドン キャスト=イアン・マッケラン (シャーロック・ホームズ) ローラ・リニー (マンロー夫人) 真田広之 (ミスター・ウメザキ) マイロ・パーカー (ロジャー)

 

【解説】

ミッチ・カリンの小説「ミスター・ホームズ 名探偵最後の事件」を実写化したミステリー。93歳になって静かに余生を送っていた名探偵シャーロック・ホームズが、30年前の未解決事件の真相を暴こうとする。監督は、『トワイライト・サーガ』シリーズなどのビル・コンドン。『X-MEN』『ホビット』シリーズなどのイアン・マッケラン、『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』などのローラ・リニー、ハリウッドでの活躍も著しい真田広之らが結集する。助手の10歳の少年と一緒に難事件に挑んでいくホームズの姿が、何とも痛快。

 

【あらすじ】

名探偵ホームズ(イアン・マッケラン)も93歳の老人となり、海辺の家で静かな日々を過ごしていた。しかし、その一方で30年前のとある事件が頭に引っ掛かっていた。それは死んだ子供たちと会話しているという女性の調査だったが、いつしか彼女による夫の殺害計画の疑惑が浮上した果てに、ホームズの失態で未解決となって自身も探偵引退を余儀なくされたのだった。ある時、日本への旅行で事件解決のヒントを得たホームズは、10歳になる家政婦の息子ロジャー(マイロ・パーカー)を助手に事件を再捜査していく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

名探偵ホームズ(イアン・マッケラン)といえども、齢93歳ともなると、身体の衰えどころか、頭脳の衰えもやってくるようです。

人の名前が覚えられない。

カフスに書いておきます。

 

30年前に引退して、今はサセックスの農場で養蜂をしています。

家政婦のマンロー夫人とその10歳になるロジャー(マイロ・パーカー )が身の回りの世話をしてくれています。

 

ホームズは、認知症にはロイヤルゼリーより山椒の方がよく効くと聞き、ウメザキ(真田広之)という日本人の招待を受けて日本へ行って帰ってきたところ。

デスクには書きかけの事件簿が。

 

ホームズには心に残る未解決事件があったのだ。

 

⭐︎ネタバレ

最初は、認知症の老人の頭の中に入り込んだような混沌とした世界。

このまま、迷い続けるのかと不安になりました。

 

後半は、ロジャーとともに30年前の未解決事件を探るホームズを描いています。

親友のワトソンも去り、ひとりぼっちだった頃持ち込まれた探偵の依頼。

未解決事件と言っても、事件そのものは終わっていて、依頼されて調べていた依頼者の奥さんを救えなかったという後悔の念が、ホームズの心を捉えて放さないのです。

何人もの子供を流産し、生まれてこなかった子どもと話すために楽器を弾き始めた奥さんの、心の奥深くにしまわれた孤独を、ホームズは今、共有し始めたのでしょうか。

 

そして、すでに心の友になったロジャーと、マンロー夫人のために生きる気力を得たホームズ。

ウメザキの父の記憶も甦り、新しい生活に踏み出しました。

 

幾つになったからといって、心安らかになれるわけではないのですね。

心にかかる思いは、年を取っても同じなのですね。

ホームズが孤独から解放されて、本当に良かったです。


ヘイル、シーザー!

2016-10-29 11:09:38 | 映画ーDVD

ーヘイル、シーザー!HAIL, CAESAR!

2016年 アメリカ 106

監督・脚本=ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン キャスト=ジョシュ・ブローリン (エディ・マニックス) ジョージ・クルーニー (ベアード・ウィットロック) オールデン・エアエンライク (ホビー・ドイル) レイフ・ファインズ (ローレンス・ローレンツ)

 

【解説】

オスカー常連のジョエル&イーサン・コーエン兄弟によるサスペンスコメディー。ハリウッド黄金期を舞台に、超大作映画の撮影中に誘拐された大スターを奪還すべく、スタジオに雇われた何でも屋による捜査を描く。ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、チャニング・テイタム、スカーレット・ヨハンソン、フランシス・マクドーマンドら豪華キャストが出演。さらに、コーエン兄弟が新たに挑戦したスターたちによる華やかなミュージカルシーンも見どころ。

 

【あらすじ】

1950年代のハリウッド。スタジオの命運を左右する超大作『ヘイル、シーザー!』の撮影中、世界的大スターの主演俳優ウィットロック(ジョージ・クルーニー)が何者かに誘拐されてしまう。事件解決を任されたスタジオの何でも屋(ジョシュ・ブローリン)は、魅力あふれる若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や著名なミュージカルスター(チャニング・テイタム)ら個性豊かな俳優たちを巻き込み、ウィットロック奪還に向け奮闘する。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品、劇場で見逃していました。

でも、想像していたのとは違って、なかなか正統なパロディで、やはり映画愛に溢れていると思いました。

 

それを体現しているのが、この作品の進行役とも言える、「あらゆるトラブル引き受けます」スタジオの何でも屋エディ・マニックス(ジョシュ・ブローリン)。

強面だが、妻を愛し、家庭を大切にし、信心深い良き人です。

 

頃は、ハリウッド映画全盛の1950年代。

大作映画が目白押しで、ここキャピタルもたくさんの大きなスタジオで映画製作が同時進行中。

 

そんな中、大作中の大作「ヘイル、シーザー!」撮影中の主演俳優ウィットロック(ジョージ・クルーニー)が何者かに誘拐されてしまう。

世間に知られない間に取り戻さなければならない。

マニックスの手腕の見せ所だ。

 

☆ネタバレ

マニックスには飛行機メーカーのロッキード社から好条件での引き抜きが来ていた。

こんな映画界の混沌としたトラブル解決より、時間も収入も安定しそう。

心は揺れる。

 

でも、マニックスはこの混沌とした映画業界がやはり大好きなんだなあ。

これがこの作品のテーマかな?

 

ウィットロックの誘拐の影には、脚本家への冷遇と共産主義の浸透という社会問題がありました。

ウィットロックも、自分が誘拐されたことも忘れそうなくらい共産主義に傾倒しそうになっていました。

 

その他、魅力あふれる若手女優(スカーレット・ヨハンソン)が実はダメな男が大好きで、不倫の果てに妊娠しているとか、おしゃべりするととても下品とか、ギャップが面白い。

 

ミュージカルスター(チャニング・テイタム)の水平さん姿のミュージカルシーンもすごく凝っていてステキでしたが、彼、ロシアの潜水艦が迎えに来て亡命してしまった。

マリブの海岸からすぐのところ、こんなところにソ連の潜水艦が来ているんだと、そっちがびっくり。

 

「ヘイル、シーザー!」の劇中でキリストを描くにあたり、各宗派の宗教家たちからお墨付きをもらうとか、なかなか細かい根回しの様子も描いていて、興味深かったです。

 

ウェスタンではセリフもなくかっこよさだけでスターになれても、時代の要請が変わり、貴族的なもの撮らなくてはいけなくて、ウエスタンのスターがシリアスなドラマに出演するときの様子もおかしく描かれていました。

でも、このウエスタンのスター・ホビー(オールデン・エアエンライク)が、素朴で素直ないい性格の人で、結果、ウィットロックを救出し、キャピタルも救ったという結末でした。

 

双子の芸能記者を演じたティルダ・スゥィントン、面白かったわ。

 

確かにマニックスの仕事は下世話で多岐に渡り、面倒なことこの上ないけど、実に人間的で現実的。

これが魅力なんでしょうね。

映画って、人生そのもの。

ああ、古き良き時代って感じかな?

 

私はこの作品、とても楽しかったです。


ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

2016-10-24 10:54:05 | 映画ーDVD

ーニューヨーク 眺めのいい部屋売りますー5 FLIGHTS UP

2014年 アメリカ 92

監督=リチャード・ロンクレイン キャスト=モーガン・フリーマン (アレックス・カーヴァー) ダイアン・キートン (ルース・カーヴァー) シンシア・ニクソン (リリー・ポートマン) キャリー・プレストン (ミリアム・カーズウェル)

 

【解説】

『ミリオンダラー・ベイビー』などのモーガン・フリーマンと『恋愛適齢期』などのダイアン・キートンが初めて共演した人間ドラマ。大物俳優二人が夫婦を軽やかに演じ、今の家を売って新しい住居を得ようと奮闘する熟年カップルの数日間を映す。『セックス・アンド・ザ・シティ』シリーズなどのシンシア・ニクソンがやり手のめいを好演。犬の活躍や、長年共に暮らしてきた夫婦の絆を描く物語が心に響く。

 

【あらすじ】

画家のアレックス(モーガン・フリーマン)と妻ルース(ダイアン・キートン)は、愛犬ドロシーとブルックリンの絶景が望めるアパートメントの最上階に住んでいる。彼らの結婚生活も40年を超え、だんだんエレベーターなしの生活がつらくなってきた。二人は不動産エージェントでめいのリリー(シンシア・ニクソン)に頼んでアパートを売りに出すことにするが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品、劇場公開中にネイリストさんから勧められたんだけど、忙しい時期で見に行けませんでした。

本屋に立ち寄ったら原作本があったので、購入。

ほんといいお話ですぐに読んでしまいました。

あとがきを見たら「映画の結末とは違う」と書いてあり、ますます映画か見たくてたまらなくなりました。

 

そしてDVD鑑賞。

 

映画は、モーガン・フリーマンとダイアン・キートンの共演大成功といった感じ。

結婚40年を迎える子供のない夫婦。

エレベーターのないアパートの5階に、ドロシーという小型犬と一緒に住んでいる。

日々、階段を上る生活が辛くなって来た。

 

そんなある日、この部屋が100万ドルで売れると言う。

気は進まないが、オープンハウスをやってみようかということになる。

ところが、愛犬ドロシーの様子がおかしい。

タクシーで獣医に向かうときに大渋滞に巻き込まれ、大事件が起こったことを知る。

橋の真ん中でトラックが横転し、爆薬を盛っていると思われるテロリストらしき犯人が逃走したというのだ。

 

もし、橋が爆破されることにでもなったら家の価格はどうなるのだろう。

犯人が見つからなかったら…?

 

心配が募る中、ドロシーは大手術を受けることになった。

ドロシーの運命は?

 

そんなお騒ぎの中、彼らの家のオープンハウスは行われ、入札の意図はないのに入札してくる人が何組か現れた。

 

そうなったら、自分たちの家も購入しなくちゃ。

そこで二人も他のオープンハウスにも出かけ、気に入った家を見つけ入札に参加することになるのだがー。

 

リタイヤした老夫婦、限られた老後の資金、日々感じる体の衰え、愛犬も年を取って病気に。

なんか、いろいろ身近で身につまされるエピソードが満載の作品でした。

 

それでも、二人は今までやって来たように支えあって生きていくというエンディング、よかったです。

 

老夫婦の仲良しな感じって、本当に微笑ましいですよね。

 

ちなみに原作では家の値段の変化に右往左往する二人の姿がコミカルに描かれ、心理描写が秀逸でした。

ドロシーの独白もたっぷりあって、犬好きも楽しい作品でしたよ。

 

それでも、やっぱりパパが好き

2016-10-24 10:51:34 | 映画ーDVD

ーそれでも、やっぱりパパが好きーINFINITELY POLAR BEAR

2014年 アメリカ 87

 

監督・脚本=マヤ・フォーブス キャスト=マーク・ラファロ (キャム) ゾーイ・サルダナ (マギー) イモジーン・ウォロダースキー (アメリア) アシュリー・アウフダーハイデ (フェイス)

 

【感想】

マヤ・フォーブス監督のご自分の物語だそうです。

最後にファミリーの写真が出てきます。

 

名門の一族の出身で自らも一流大学出身なのに、躁鬱病のために職場に適応できず、他の仕事も続かず、奇行のため、人々からも疎まれてしまうキャム(マーク・ラファロ)。

でも、キャムには黒人の妻マギー(ゾーイ・サルダナ)と小学生の二人の娘がいた。

 

キャムは軽犯罪を犯し刑務所や精神病院に入れられて、マギーは働きながら娘たちを育てるのに疲れていた。

それでも、マギーは娘たちはよい学校に入れたいと越境したりして頑張るが、世間の壁は厚い。

 

退院して来たキャムとは別居していたが、マギーは思いがけない提案をする。

 

マギーは奨学金を得て、MBSの資格を取るためニューヨークの大学へ18ヶ月行く決心をしたのだ。

その間、子供たちの面倒をキャムが見るというのだ。

マギーの決心は固い。

キャムは自信がない。

でも、娘たちの将来のため、病気に立ち向かい、娘たちの面倒を見ることにする。

 

でも、病気ってそんなに生易しくない。

決心では治らないし、娘も傷つき、自分も傷だらけになりながらも頑張ります。

お互いが愛しているということが、支えになるのですね。

 

マギーは首席で卒業し、ボストンで職を探しますが、保守的な土地柄から就職先がなく、結局ニューヨークで一人働き、ボストンではキャムが引き続き娘の面倒を見ることになりました。

 

この一風変わった父を娘たちは本当に好きなんだなあと、ジーンと来ます。

マーク・ラファロがぴったり。

好きな俳優さんです。

 

いい作品でした。

 

ヘイトフルエイト

2016-09-28 10:58:34 | 映画ーDVD

ーヘイトフルエイトーTHE HATEFUL EIGHT

2015年 アメリカ 168

 

監督・脚本=クエンティン・タランティーノ  音楽=エンリコ・モリコーネ キャスト=サミュエル・L・ジャクソン (マーキス・ウォーレン) カート・ラッセル (ジョン・ルース) ジェニファー・ジェイソン・リー (デイジー・ドメルグ) ウォルトン・ゴギンズ (クリス・マニックス) デミアン・ビチル(ボブ) ティム・ロス(オズワルド・モブレー) マイケル・マドセン(ジョー・ゲージ) ブルース・ダーン(サンディ・スミザーズ) チャニング・テイタム

 

【解説】

クエンティン・タランティーノが放つ、ウエスタン仕立てのミステリー。男女8人が閉じ込められた、雪嵐の山小屋で起きた殺人事件の意外な真相を映し出す。ベテランのサミュエル・L・ジャクソンをはじめ、『デス・プルーフ in グラインドハウス』などのカート・ラッセル、『ミセス・パーカー/ジャズエイジの華』などのジェニファー・ジェイソン・リーらが顔をそろえる。彼らが織り成すストーリー展開はもちろん、タランティーノ監督が仕掛ける謎と伏線が張り巡らされた物語にくぎ付け。

 

【あらすじ】

雪が降りしきる中で馬を失った賞金稼ぎマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)は、同じ稼業であるジョン(カート・ラッセル)と彼が捕らえたデイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)を乗せた駅馬車に同乗する。途中で保安官を名乗るクリス(ウォルトン・ゴギンズ)を拾った馬車は、猛吹雪から避難するためにミニーの紳士洋品店へ。メキシコ人の店番ボブ(デミアン・ビチル)や怪しげな絞首刑執行人オズワルド(ティム・ロス)などの存在にジョンが強い警戒心を抱く中で、事件が起こる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

タラちゃん好きの私ですが、この作品は劇場鑑賞し損なって、DVD鑑賞になりました。

タランティーノ監督「ジャンゴ繋がれざる者」に続く2作目のウエスタン。

しかも密室ミステリー。

気合いが入っていますね。

 

前半は、お得意のおしゃべりが止まらないけど、昔みたいにどうでもいいことをしゃべっているわけではなく、なかなか情報たっぷりの会話でした。

 

3つの死体を積み上げて座り、黒人なのに北軍の軍服姿で駅馬車を待っている賞金稼ぎのマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)。

駅馬車は特別の貸切馬車で、乗っていたのは同じく賞金稼ぎのジョン(カート・ラッセル)と彼が捕らえた極悪人のデイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)。

手配書には生きていても死んでいてもと書いてあるが、ジョンは生きて保安官に引き渡し、縛り首にするというのがポリシー。

マーキスは、リンカーン大統領と文通友達だといい、リンカーンからの手紙を大切に持っていた。

その話に感動するジョンと、つばを吐きかけるデイジー。

 

さらに乗り込んできたのが、目的の町の新しい保安官に就任するというクリス(ウォルトン・ゴギンズ)。

 

吹雪が迫り、駅馬車はミニーの服飾店で吹雪を凌ぐことにした。

しか、ミニーの店にはミニーやその亭主たちがおらず、先の駅馬車できたという3人の客と、ボブ(デミアン・ビチル)というミニーに頼まれて店の面倒を見ているという男がいた。

 

ジョンは、この中にデイジーの仲間が混じっているのではないかと疑う。

 

☆ネタバレ

何度数えても9人なんだけどなあ。

御者のO.Bは悪人には数えないんだろうなあ。

 

ここからそして誰もいなくなった的な密室殺人だけど、謎はわかりやすいし、いきなりのネタバレだし。

これがタラちゃん流ですね。

汚いし、血まみれだし、皆殺しだし。

チャニング・テイタムなんて、出てきたと思ったら殺されました。

 

男も女もない、男女平等バイオレンスにスプラッター。

かなり残酷です。

 

でも、一癖も二癖もある悪人ども。

最後に残ったのはマーキスとクリス。

この二人最初の出会いでは人種差別や、南北問題などで、犬猿の仲みたいだったけど、最後は息ぴったりでおかしかった。

 

この作品は70ミリフィルムの「ウルトラ・パナビジョン70」で撮影されたもので、アメリカでは70ミリの映写機を使い、序曲とインターミッションを付けたグラインド・ハウス形式で100館以上の映画館で上映されたそうです。

タランテイーの監督のこだわりですね。

 

パナビジョンで冒頭部分の駅馬車が疾走するシーンを見たら、確かに素敵でしょうね。

 

使っている音楽がエンリコ・モリコーネ。

アカデミー賞の音楽賞を受賞しています。

 

これだけこだわった映画を撮れるなんて、さすがタランティーノですね。