情報通信研究機構(NICT:エヌアイシーティー)は、超伝導ストリップ光子検出器において、ストリップ幅を広くしても高効率に光子検出が可能となる新奇構造を創案し、ナノストリップ型に比べて200倍以上ストリップ幅が広い“超伝導ワイドストリップ光子検出器”の開発に世界で初めて成功した。
同技術によって、これまでナノストリップ型において問題となっていた生産性の低さや偏光依存性といった問題を解決することが可能となり、量子情報通信技術や量子コンピュータを始めとする広範囲な先端技術分野へ適用され、そうした技術の社会実装の早期化が期待される。
光子検出技術は、現在、世界規模で熾烈な研究開発が進められている量子情報通信、量子コンピュータにとどまらず、蛍光色素を用いた生細胞観察、深宇宙光通信、レーザセンシングなど、多岐にわたる先端技術分野においてイノベーションをもたらすための戦略的基盤技術として位置付けられる。
NICTでは、これまで、100ナノメートル以下のストリップ幅の“超伝導ナノストリップ光子検出器”(Superconducting Nano Strip Photon Detector=SNSPD)の研究開発を実施してきた。その結果、他の光子検出器を凌駕する性能を実現することに成功し、量子情報通信技術などへの適用によってその有用性を実証してきた。
しかし、超伝導ナノストリップ光子検出器の作製には、高度なナノ加工技術によってナノストリップ構造を形成する必要があり、検出器性能のばらつきを生み、生産性の向上を妨げてきた。また、メアンダ状に配置された超伝導ナノストリップ構造に起因して、偏光依存性が存在することも光子検出器としての応用範囲を狭める原因となっていた。
今回の成果によって、量子情報通信を始めとした先端技術分野において必要不可欠な光子検出技術として位置付けられていたナノストリップ型よりも優れた性能・特徴を有した光子検出器を、より高い生産性の下で作製することができるようになった。量子ネットワークや、JSTムーンショット目標6において進められているネットワーク型量子コンピュータの実現に向けて、必要となる高性能光子検出器の数は、今後飛躍的に増大することが予想されるが、同技術はこのような要求に応じることができるものと期待される。
また、今後は、“超伝導ワイドストリップ光子検出器”におけるHCCB構造の更なる探索を実施し、通信波長帯だけでなく、可視から中赤外に及ぶ広い波長帯において高効率に光子を検出することが可能となる技術や、受光部の更なる拡大によって、深宇宙光通信技術やレーザセンシング、生細胞観察など様々な先端技術分野への適用を目指す。<情報通信研究機構(NICT)>
同技術によって、これまでナノストリップ型において問題となっていた生産性の低さや偏光依存性といった問題を解決することが可能となり、量子情報通信技術や量子コンピュータを始めとする広範囲な先端技術分野へ適用され、そうした技術の社会実装の早期化が期待される。
光子検出技術は、現在、世界規模で熾烈な研究開発が進められている量子情報通信、量子コンピュータにとどまらず、蛍光色素を用いた生細胞観察、深宇宙光通信、レーザセンシングなど、多岐にわたる先端技術分野においてイノベーションをもたらすための戦略的基盤技術として位置付けられる。
NICTでは、これまで、100ナノメートル以下のストリップ幅の“超伝導ナノストリップ光子検出器”(Superconducting Nano Strip Photon Detector=SNSPD)の研究開発を実施してきた。その結果、他の光子検出器を凌駕する性能を実現することに成功し、量子情報通信技術などへの適用によってその有用性を実証してきた。
しかし、超伝導ナノストリップ光子検出器の作製には、高度なナノ加工技術によってナノストリップ構造を形成する必要があり、検出器性能のばらつきを生み、生産性の向上を妨げてきた。また、メアンダ状に配置された超伝導ナノストリップ構造に起因して、偏光依存性が存在することも光子検出器としての応用範囲を狭める原因となっていた。
今回の成果によって、量子情報通信を始めとした先端技術分野において必要不可欠な光子検出技術として位置付けられていたナノストリップ型よりも優れた性能・特徴を有した光子検出器を、より高い生産性の下で作製することができるようになった。量子ネットワークや、JSTムーンショット目標6において進められているネットワーク型量子コンピュータの実現に向けて、必要となる高性能光子検出器の数は、今後飛躍的に増大することが予想されるが、同技術はこのような要求に応じることができるものと期待される。
また、今後は、“超伝導ワイドストリップ光子検出器”におけるHCCB構造の更なる探索を実施し、通信波長帯だけでなく、可視から中赤外に及ぶ広い波長帯において高効率に光子を検出することが可能となる技術や、受光部の更なる拡大によって、深宇宙光通信技術やレーザセンシング、生細胞観察など様々な先端技術分野への適用を目指す。<情報通信研究機構(NICT)>