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●科学技術ニュース●NTTと英国ランカスター大学、格子状に配列した原子の協調応答が「光の負の屈折現象」を引き起こすことを発見

2025-02-19 10:02:20 |    通信工学
 NTTと英国ランカスター大学は、大規模シミュレータを構築することで、格子状に配列した原子の協調応答が、光学迷彩や回折限界を超えるレンズなどの技術に繋がる「光の負の屈折現象」を引き起こすことを見出した。

 これまで、光の負の屈折現象を引き起こすためには、人工物質である「メタマテリアル」が必要だと考えられてきた。

 しかし、メタマテリアルは、光に対する散逸の大きさや製造上の欠陥に悩まされている。

 それに対し、正確に構造化でき容易に調整可能な格子状の原子は、光の吸収損失を持たず、光と物質の相互作用の高度な制御も可能なため、負屈折のもたらす革新的応用の早期実現へと繋がることに期待できる。
 
 光の屈折現象(異なる材料間を通過するときにその境界面で光が折れ曲がる現象)自体は日常でありふれた現象。しかし、光の「負」の屈折は、自然界で一般的に見られる方向とは反対方向に光が折れ曲がるという現象。

 この現象は、回折限界を超えて光を集光するスーパーレンズや、物体を見えなくする光学迷彩技術などの、革新的応用に繋がる可能性があり、長年研究され続けてきた。

 人工物質であるメタマテリアルは、自然界の通常の物質が持つ制約を持たず、光の負の屈折を実現するための代表的なアプローチとなっている。

 メタマテリアルは通常、光の電場と磁場の両方と相互作用するように設計された共振器からなる。

 それらの共振器がナノスケールで正確に構成され配置できるなら、それらの結合された発光は、光の負屈折を引き起こす。

 しかし、メタマテリアルに基づく光周波数帯の負の屈折現象およびその応用は、光に対する散逸の大きさや製造上の欠陥のために制約を受けていた。

 今回NTTとランカスター大学の研究チームは、メタマテリアルに頼らずとも、格子状に並び協調的に応答する原子系を用いることで、光の負の屈折現象が生じることを理論的に見出した。

 これらの精密に配置された原子「格子」は、光と物質の間の相互作用の高度な制御を可能にし、製造上の欠陥や吸収損失のない媒質となる。

 このようにメタマテリアルにはない性質を持ち合わせる原子格子は、スーパーレンズや光学迷彩技術などの負屈折現象の更なる探求や応用開発において重要な役割を担うと考えられる。

 今回の成果は、制御技術が高まっている原子格子を活用することで、光学迷彩技術やスーパーレンズなど、負屈折技術の更なる探求や開発に導く新たなアプローチを提供している。

 原子格子はまた、現在のメタマテリアルの理論的枠組みを超え、光学の可能性を広げる強力なプラットフォームになる。

 強い相互作用や単一光子レベルの非線形性を持ち得る原子格子系は、量子シミュレーションや量子インターフェースのツールとしても優れており、量子情報処理技術の開発に対しても影響を及ぼす可能性がある。<NTT>
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