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★科学技術ニュース★NEDOなど、100℃以下の廃熱を利用可能な蓄熱システムの本格実証試験を開始

2019-08-02 09:28:41 |    エネルギー

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と高砂熱学工業、石原産業、東京電力エナジーパートナー、森松工業、日野自動車、産業技術総合研究所、羽村市は、100℃以下の低温廃熱を利用可能な蓄熱材を約12t利用した蓄熱システムの本格実証試験を2019年7月から開始した。

 同実証試験で用いる蓄熱材は、産業技術総合研究所が開発した「ハスクレイ」をベースに高性能化・高耐久化を図ったもので、従来から使用されている潜熱蓄熱材よりも体積当たりで2倍以上の蓄熱が可能。

 同実証では、オフライン熱輸送型と定置型の2通りの蓄熱システムを通年で検証する。オフライン熱輸送型では、日野自動車羽村工場のコージェネレーションシステム(CGS)設備で発生した廃熱を蓄熱材に蓄熱し、工場内の産業空調設備で利用することに加えて、約2km離れた羽村市スイミングセンターへ大型トレーラーで輸送し、温水プールの熱源としても利用する。

 また、定置型では、石原産業四日市工場の酸化チタンを乾燥させる工程で、上流側の高温の酸化チタンから発生する熱を蓄熱材に蓄熱し、下流側の比較的低温の酸化チタンへ放熱し乾燥に用いることで、既存の加熱用蒸気の消費量を削減する。

 これらの実証試験を季節ごとの実証データを取得しながら2020年2月まで実施し、コージェネレーションシステムの廃熱や工場廃熱を除湿・暖房・乾燥工程などへ適用する熱利用システムの技術を確立し、市場展開を目指す。


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